6日目は白地にブルーと紫の総絞りの着物姿だった
天覧相撲では観客も土俵に集中
その一方で、天覧相撲がなかった6年間で土俵周りの溜席の雰囲気が大きく変わったという。
「最近は初めて溜席に座る人が少なくないのか、土俵上で仕切りをしていてもザワついている。そして、結びの一番が終わると、土俵上で勝ち力士に代わって弓を受けて行なう弓取り式の途中に席を立って帰る人が少なくない。
ところが、天覧相撲だと仕切り中も土俵に集中し、弓取り式が終わるまで誰ひとり帰ろうとしない。やはり天覧相撲というのはそれだけ厳粛なものなんでしょうね」
力士たちも天覧相撲という舞台で力を出し尽くした。その結果、2横綱2大関が全員負けるという大波乱が起きた。しかし、この日は2横綱2大関が負けたにもかかわらず、座布団が舞わなかった。最近は観戦マナーの悪い観客の存在が問題になっていたが、心無い野次が飛ぶこともなかった。
この着物美人によれば「かつては当日に国技館へ行かないと(天覧相撲かどうか)わからなかった。偶然、その日が天皇陛下のご臨席された天覧相撲で感激したのを記憶しています」というが、今回は初場所中日が天覧相撲だと事前に公表されていたことで、着物で観戦した女性も少なくなかったようだ。
弓取り式が終わると、全員が総立ちとなり、拍手で天皇皇后と愛子さまを見送った。その後、黒紋付に着替えた横綱、大関と懇談という初の試みが行なわれている。新しい天覧相撲のかたちができあがろうとしている。
相撲は競技であると同時に神事、文化の側面もある。相撲ブームは喜ばしいことだが、観戦者も相撲の神様に恥じない行為を心がける必要がありそうだ。
