父である中村勘三郎さんとの2ショット(Instagramより)

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浅草の顔ゆえの悲劇

「中村屋は江戸時代に浅草・猿若町に居を構えていた中村座の座元を起源としています。2000年に、中村勘三郎さんが平成中村座を初演したのも、浅草の隅田公園内でした。そんな縁もあり、中村屋はあの界隈で頻繁に飲んでいますから、浅草全体が彼らの贔屓筋と言っても過言ではないんです。この時期に浅草の街を歩くと、至る所に『新春浅草歌舞伎』のポスターが貼ってありますよ。

 多少の問題が起きても、よほどのことがない限りは『おとがめなし』とする空気が醸成されている。

 今回、警察沙汰になってしまったのは、通報した店員が鶴松の顔を知らない外国人だったからでしょう。もし顔なじみの店員であれば、内々で処理されていた可能性が高い」

 さらに中村屋特有の事情もあるようだ。前出の演芸関係者の話。

「2005年の1月にも、同じ中村屋の七之助が中村勘三郎の襲名公演の直前に逮捕されています。酔った末にタクシー運転手と揉め、駆けつけた警察官に手を出して公務執行妨害に問われています。こうなってしまうのも“宿命”なのかもしれません」

 そう語る演芸関係者は、中村屋の他の屋号との構造的な違いを指摘する。

「中村屋は『飲まされる』屋号ともいえます。たとえば、松本白鸚などの『高麗屋』は舞踊の家元でもあります。そのため、家元としての収入や、踊りの弟子を通じた太い贔屓筋が見込める。盤石な基盤があるわけです。

 しかし、中村屋にはそれがない。だからこそ、浅草の地元の贔屓筋を一人ひとり丁寧につないでいくしかないのです。今回の鶴松も一般家庭で生まれ、浅草の高校を出ているので地元との付き合いも深い。こうした周辺の贔屓筋との付き合いがどうしても断れず、深酒になってしまった可能性はあります」

 今後は在宅で捜査が続けられる予定だという。

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