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野球、サッカー、相撲、ゴルフなどのスポーツニュースを集めたページです。単に試合結果を紹介するのではなく、選手たちの人間関係やドラマの裏側を報じます。

「ヨネックスレディース」で203日ぶりとなる優勝を飾った稲見萌寧(時事通信フォト)
稲見萌寧、全米女子オープン回避して“今季初V”に賛否 復活は本物なのか
 女子プロゴルフ界に“女王”が帰ってきた。昨年、ツアー9勝を挙げて賞金女王に輝いた稲見萌寧(22)。今シーズンは序盤戦で思うように調子が上がらなかったが、先日の「ヨネックスレディース」で203日ぶりとなる優勝を飾った。 ただ「今回はメンバーに恵まれた」という指摘もある。「今季5勝と絶好調の西郷真央や前週優勝の小祝さくらなど、優勝を争うライバルが『全米女子オープン』に揃って出場していたために不在だった。稲見も出場権を持っていたのに国内の試合を選んだのは、『まずは1勝』という狙いがあったのかもしれません」(ゴルフ担当記者) 昨年の東京五輪の銀メダリストが世界最高峰の舞台への参加を辞退したことで、一部では「逃げている」と批判の声もあった。しかし、プロゴルファーの沼沢聖一氏はこの試合を観て「稲見は完全に復活した」と見る。「内容に安定感があった。強豪が不在とはいえ、“優勝して当たり前”というプレッシャーのなかで、初日から首位を守り切っての優勝は本物でしょう。スイングにキレやシャープさが戻ってきた。持ち味である100ヤード以内のアイアンショットが冴えていて、パーオン率が1位だったのはさすがです」 稲見は「賞金女王」として迎えたシーズンオフの多忙さに加えて、骨盤が前傾して背骨が腰付近で反り返る「反り腰」に悩まされていた。それが、この試合では解消されていたという。「反り腰は腰痛からくるもので、立った時に腰が痛いのでお腹を前に突き出してしまう。それを無理に矯正しようとしたのか、稲見は『アドレスの時の重心位置を見失って力が入らなくなった』と表現していました。 そこからトレーナーの指導を受けてストレッチなどで調整したようです。フォームの修正はかなりキツかったでしょうが、やっと定まってきたようです。この前の試合は『上位陣が不在』と言われていますが、ここ最近はトップ5が続いていたので完全復活と言えるんじゃないですか」(沼沢氏)“反り腰”を克服して“逃げ腰”という批判を黙らせられるか。※週刊ポスト2022年6月24日号
2022.06.10 16:00
週刊ポスト
プロボクシングの世界バンタム級主要3団体統一から一夜明け、記者会見でポーズを取る井上尚弥(時事通信フォト)
ドネア戦で圧勝した井上尚弥 心理士が見た「自分を信じる力」
 臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になったニュースや著名人をピックアップ。心理士の視点から、今起きている出来事の背景や人々の心理状態を分析する。今回は、2022年6月7日にさいたまスーパーアリーナで、WBC世界バンタム級王者ノニト・ドネアを制して日本人初の3団体統一王者となった井上尚弥(29才)の強さについて。 * * * それは2回1分24秒という驚きの早さだった。わずか264秒の一方的な戦いに、メディアやネットに溢れたのは”衝撃”という言葉だ。 7日、さいたまスーパーアリーナで行われたプロボクシングのWBA、IBF、WBC世界バンタム級3団体統一戦。WBAバンタム級王者ノニト・ドネア(フィリピン)をわずか2ラウンドでキャンパスに沈めた、WBAスーパー・IBF世界バンタム級王者の井上尚弥を、海外のメディアは”モンスター”と讃えた。この勝利により、井上選手は日本人初の3団体統一王者となった。 多くの観戦者と同じように、井上選手が勝つだろうと予想はしていた。2021年5月、WBC同階級王座に返り咲いたドネア選手は39才。同級では最年長王者だ。この時のドネアに対し、海外メディアはドネアに年齢は関係ない、未だ信じられないパワーだ、衰えを知らないと報じ、公開練習ではドネア選手自ら今の状態を「すべて最減少も、コンディションも今までにないほど良い」と語っていたとはいえ、相手は世界戦連勝中の井上選手だ。 とはいえこの試合、いい意味で期待を裏切られた。もっとパンチを打ち合い、手に汗握る白熱した試合運びとなったところでKO勝ち、「あぁ、最後はやっぱり井上選手が強かったよね」とはならなかったからだ。思った通り、予測した通りになったと後付けしてしまう「後知恵バイアス」的な勝ち方ではなかったのだ。だからこそ、その勝利は衝撃といわれ、彼はモンスターと呼ばれたのだろう。人々の期待や予想の上を行ったのだ。 そんな試合運びを予想したのは、2年7か月前の2019年の対戦での”ドラマ・イン・サイタマ”と呼ばれた激闘が、記憶に残っていたからだ。だが今回ドラマは起きなかった。いや、井上選手がドラマを起こさせなかったのだ。彼は人々からの「あぁやっぱり勝ったんだ」的な勝ち方を望まなかった。彼が目指した勝利への価値観はそこになかったようだ。試合後のインタビューで彼はこう言っている。「自分はやる前から、必ず言葉にしていたのが、ドラマにするつもりはない。この試合は圧倒的に、一方的に勝つんだという思いで、自分にプレッシャーをかけて、この試合に挑みました」。彼にとって勝ち方こそが重要だったのだ。 その言葉通り、1ラウンド終了間際に鋭い右カウンターが決まり、一度めのダウンを奪う。試合終了後、ドネア選手は自身のSNSでライブ放送を行い、「これまでもらった中で一番強烈なパンチだった」「パンチが見えなかった」と振り返った。 井上選手がこのように圧倒的なパフォーマンスを見せるのは、試合中に自分を信じられるという力があるからだと思う。準備万端整えて、自信満々で試合に臨んだとしても、いざ試合が始まり思うようにいかないと、持っていた自信など粉々に砕け散るものだ。長時間戦わなければならないテニスやゴルフでは、それがはっきり目に見えることもある。 井上選手も1ラウンドの開始早々、左フックをドネア選手から浴びた。インタビューでは「開始早々、もらって緊張感がついたのと、そのおかげでしっかりぴりついて、試合を立て直すことができました」と言う。そしてドネアに放った右ストレートが「かなりきついタイミングで入ったので、これは自分がやってきた練習に間違いないという思いで、2ラウンドに入りました」と語った。 試合中に自分が練習してきたことを信じ、それを積み重ねてきた自分を信用する。当たり前のことだが、なかなかできるものではない。自分を信じた井上選手は「ここで終わらせなければその先に進めないと思った」と、2ラウンド目を攻めたのだ。「ドネアがいたからこそ、このバンタム級で自分は輝けた」という井上選手は、この勝利で「1つ上のステージにいけるかなと思っています」と語った。4団体統一王者まで残すはWBOの王座のみ。次はどんな勝利で期待を裏切ってくれるのか、予測できない。
2022.06.10 16:00
NEWSポストセブン
プロ2年目の横浜DeNA・牧秀悟(時事通信フォト)
三冠王候補なのに地味なDeNA牧秀悟 中畑清氏は愛称「ハイマッキー」を提案
 どっしりとした構えに落ち着いた所作。打席で纏う雰囲気はプロ2年目とは思えない。6月6日時点で打率3割3分3厘、15本塁打、46打点の成績を残し、打率、打点はリーグトップ、本塁打も岡本和真(巨人)を2本差で追いかける。 落合博満氏以来となる日本人右打者の三冠王についても、三浦大輔監督は「取るでしょ。それだけのものを持っていますし、マークされたなかであれだけの活躍をしてますから、大丈夫でしょう」(6月4日付、日刊スポーツ)と太鼓判を押す。 セ・リーグのある球団のエースは、匿名を条件に牧についてこう語る。「軸が全くブレないんですよ。緩急をつけたり、足元に投げてもきっちり踏み込んでミートする。速い球で差し込んだと思っていてもリストの強さで押し込むので、広角に打球が伸びる。得点圏の場面で対戦した時は、打たれると感じて四球にしました。あんなスキのない打者は今まで対戦したことないですね」 これほどの賛辞を贈られる強打者だが、大活躍した昨年同様、メディアの扱いはどうにも小さい。「昨年はルーキー史上初のサイクル安打を達成し、長嶋茂雄を超えるリーグ新人最多二塁打、清原和博以来4人目の3割&20本塁打と、様々な記録を塗り替えた。ただ球宴は前半戦大活躍した佐藤輝明(阪神)の陰に隠れて選出されず、新人王にも栗林良吏(広島)が選出されるなど、不遇な印象が強い。スポーツ紙も他球団なら1面の活躍を4、5面で扱うケースが目立ちます」(スポーツ紙記者) 6月6日にNPBが発表したオールスター中間投票では二塁手部門でトップの得票数を獲得したが、コアファン以外に認知されているとは言いがたい。DeNAベイスターズとしての初代監督を務め、積極的なメディア発信を行ない「営業本部長」とも呼ばれた中畑清氏は、球団の発信力に疑問を投げかける。「この男をスターにしないで誰をスターにするんだというぐらいの逸材だよ。オレなら売って売って、売りまくる。“牧が活躍しても勝てないのは監督のオレの責任だ”ってくらい、命がけでアピールしなきゃ。 新庄(剛志)監督の日本ハムがいい例。DeNAと一緒で勝てないのに、1番の松本剛から始まって、清宮(幸太郎)、万波(中正)、あと今川(優馬)か。名前を覚えちゃって、『今日はどうなったんだ』って気になるんだよな。ファンに気にさせてなんぼの世界なんだよ」 圧倒的な成績に見合う注目を浴びる方法として、中畑氏はこう提案する。「ニックネームだな。オレの“絶好調男”や松井の“ゴジラ”のようにね。牧だから“マッキー”でいいんじゃない。マジックじゃないけど“ハイマッキー”でもいいと思う。高いレベルで頑張る“ハイマッキー”。『バッティングはマジックのように打ちます』とか言ってね。 監督が営業本部長にならないとダメ。球団も協力することでいい環境になるんだから。ファンクラブを巻き込んでやるべきだね。ファンクラブでニックネームを募集し、採用された人には年間指定席をペアでプレゼントすればいいんですよ」 大洋一筋の元エース・平松政次氏は、代名詞である“巨人キラー”の継承を願う。「全国区になるには巨人戦で勝つしかない。これが第一条件。これは我々の時代と同じだと思う。全国的な注目度では、巨人や阪神には勝てないからね。マスコミの力は大きい。そういうところで活躍していれば、おのずと注目を集めるでしょう」 ベイのスターが球界のスターになる日は来るか。※週刊ポスト2022年6月24日号
2022.06.10 11:00
週刊ポスト
田尾安志氏が現在の心境について語る(時事通信フォト)
田尾安志氏が難病・心アミロイドーシスを公表「前を向いてどれだけやれるかが大事」
「定期診断で心臓の数値が悪かったんです。たしかに最近、階段を昇る時によく息切れするようになって……。それで心臓の専門医に診てもらったら“すぐに車椅子です”と言われました(苦笑)」 そう明かすのは、東北楽天ゴールデンイーグルスの初代監督・田尾安志氏(68)。田尾氏は、5月末に国から難病指定されている「心アミロイドーシス」を患っていることを公表していた。 この病は元プロレスラーのアントニオ猪木氏(79)も闘病中であることが知られている。2018年に発症した猪木氏は闘病で「身長が10センチ近く縮んだ」など苛酷な様子を語ってきた。 医療経済ジャーナリストの室井一辰氏が語る。「心臓にアミロイドと呼ばれるタンパク質が沈着して障害を引き起こす疾患で、国内で数千人が認定されています。心臓の働きを弱め、心不全のような状態を起こすことがある。半数以上が5年以内に死に至るとされる報告もある」 難病が発覚したいま、どんな心境なのか。関西在住の田尾氏が上京した際に話を聞いた。「心配していただいていますが、体調は大丈夫です。実はアミロイドが溜まるのを遅らせる効果的な薬が2年半前に開発され、早期発見であれば症状の悪化を抑えられるようになった。生存率が低いとされていたのは、薬が開発される以前の話ですよ。 猪木さんはほかの臓器にも悪い部分があったと聞いています。僕はいまのところ日常生活にも仕事にも影響はないです」 すぐに病状が悪化する恐れはなさそうだが、田尾氏が罹患したことを公表したのは理由があった。「いまだに“治らない病気”と思っている人が多いですが、早期発見すれば薬で進行を抑えられる時代になった。僕はほかの臓器にアミロイドが沈着しておらず、その啓蒙のために公表したんです。皆さんも体調が変だと思ったらしっかり検査をしてください。今回病気になって、後悔しながら過ごすのではなく、前を向いてどれだけやれるかが大事だと、改めて感じましたね」(田尾氏) 現役時代には恐竜打線の不動の1番打者だった田尾氏が、病との戦いでも“トップバッター”として啓蒙を進めようとしている。※週刊ポスト2022年6月24日号
2022.06.10 07:00
週刊ポスト
格闘技界に激震(左から那須川天心、榊原信行代表、武尊。写真=Motoo Naka/AFLO)
那須川天心vs武尊 金銭トラブル報道で「フジ生放送中止」の裏側、新社長人事の影響も
 日本格闘技界最大のビッグマッチといわれている那須川天心と武尊の「キックボクシング頂上対決」。開催が6月19日に迫るなか、生中継する予定だったフジテレビが突然試合の放送中止を決め、格闘技界に激震が走っている。 5月31日、フジは公式ホームページで「主催者側との契約に至らず、フジテレビで放送しないことが決まりました」と発表。この突然の声明に怒りの声をあげたのが、“世紀の一戦”の仕掛け人で大会の実行委員を務める格闘技団体「RIZIN」代表の榊原信行氏(58)だった。 榊原氏は同日夜に開かれた記者会見で、「頭が真っ白になっている」「あまりに酷すぎないか」と語気を強めた。 契約に至らなかった理由について、「明確なものはない」としつつも、「5月9日に週刊ポストさんで私に関する音声データをベースに記事が載りました。これは当然、フジテレビさんからするとゆゆしき問題」と本誌・週刊ポスト記事が理由だと話した。『週刊ポスト』5月9日発売号では、榊原氏がRIZIN関係者と暴力団の交際を認めたとされる音声が流出し、その音声をめぐって金銭トラブルになっていることを報じた。続く5月16日発売号では、榊原氏がインタビューに応じ、「私自身には反社会的勢力との交際はない」と断言、疑惑が取り沙汰された関係者についても「改めてチェックさせてもらいましたが、清廉潔白」と言い切った。 フジテレビも本誌・週刊ポストの取材に、「現段階では放送予定に変更はない」としていた。それから2週間、突然中止を発表した裏には何があったのか。フジ関係者はこう話す。「局内では、ポストの記事の反響が広がるなかで、問題視する声が増えてきた。とくに、榊原代表の反論記事で、彼が音声データの存在と金銭トラブルを認めたことは大きかった。第2弾掲載後、港浩一氏がフジの新社長になる人事が発表されたことも影響している」 改めてフジに放送中止の理由を訊いたが、「諸般の事情を総合的に考慮した結果」(企業広報部)と答えるだけだった。 メディア法専門の田島泰彦・早稲田大学非常勤講師はフジに疑問を呈す。「放送局は権力を監視する報道機関です。権力の側に説明責任を求めている立場なのに、自身の説明責任から逃れるという姿勢はおかしい」 このままでは格闘技ファンも世間も納得しまい。※週刊ポスト2022年6月24日号
2022.06.10 06:00
週刊ポスト
二所ノ関親方(時事通信フォト)
元横綱・稀勢の里“巨大な二所ノ関部屋”オープンに「光熱費は大丈夫?」の声
 6月5日、元横綱・稀勢の里の二所ノ関親方が、出身地である茨城で部屋開きを行なった。1800坪という広大な敷地に新設された部屋は、角界の常識を覆すつくりで話題となっているが、それだけにこれまでにない困難に直面しないかと心配する声も聞こえてくる。 新しい二所ノ関部屋がまず斬新なのは、稽古土俵が「2面」あるところだろう。相撲担当記者はこう言う。「稽古土俵は1面にして全員が一緒に集中し、土俵の外にいる力士たちは四股やテツポーで体を鍛えるというやり方がこれまでの角界の常識だったが、二所ノ関親方はそうした前例にとらわれない部屋にしようとしている。相撲部屋では風呂に入るのも食事をするのも番付上位からというのがしきたりだが、今回の部屋では風呂場に大きな浴槽が2つあり、力士でも10人くらいは一度に入れる。そんな部屋はこれまで聞いたことがありません。 大部屋の他に個室が5つあり、当面は各個室に2~3人の力士が生活するそうです。普通の相撲部屋では幕下以下の力士は大部屋で雑魚寝するのが一般的だが、大人数で過ごすのが苦手な弟子のための対策だといい、伝統を重んじる相撲界にあっては非常に革新的な試みです」 出稽古の相手が見つかりやすいように、相撲部屋が集まる両国周辺の立地が理想といわれるなか、広大な敷地を確保するために国技館まで1時間以上かかる場所を選んだのも異例である。常識にとらわれない新・二所ノ関部屋について、ベテラン相撲ジャーナリストは「1~2年後にどうなっているかが注目です」と評する。「相撲部屋の“経営”は困難な点が様々あります。必要経費のなかで言うと、ちゃんこ代もさることながら光熱水費で行き詰まることがある。大人数の力士が生活することでかかる水道代や光熱費は半端ではない。高砂一門のある部屋では、大部屋でのコンセントの個人的な使用を禁止しているところもあります。テレビやオーディオ機器の個人使用を制限し、携帯電話の充電も決まったコンセントでやるように決めている部屋もある。その観点から二所ノ関部屋を見ると、土俵が2面もある稽古場や各個室の空調費はかさむし、文字通り湯水のように使われる風呂を2つも備えていると、それらの維持費は相当、大変になるはずです」 現在は、尾車部屋から独立した中村親方(元関脇・嘉風)が二所ノ関部屋の部屋付き親方となり、内弟子を連れて合流している。ただ、将来的には中村親方も独立して部屋を構えるとみられている。「そうなると、今の二所ノ関部屋に所属する力士18人のうち幕下4人を含む10人が部屋からいなくなる。今春に入門した日体大からの新弟子2人も中村親方の内弟子です。残る力士の最高位は序二段ということになるが、序二段以下の力士8人だけでは“箱”が大きすぎるのではないか。今は中村親方がいるから、師匠2人で指導するなら土俵が2面あってもいいかもしれないが、親方が1人になったら稽古土俵は1面でないとケガも怖い。 台所事情も苦しくなるはずだ。もちろん、部屋を興せば協会からは親方の給料の他に経費が支給される。まずは力士養成費。これは力士の食事代にあたるもので幕下以下の力士1人につき毎月7万円。その他にも力士の人数に応じて稽古場経費や相撲部屋維持費などが支給されます。力士が5~6人もいれば相撲部屋の運営はなんとかなるといわれているが、これだけ大きな建物を作ってしまったとなると、維持費は大変でしょう。部屋のHPではスポンサー(後援会の法人会員)を募集しているが、どれだけ集まるかが注目されます」(同前) 部屋運営の手腕が試されることになりそうだ。
2022.06.09 11:02
NEWSポストセブン
激しい外国人枠争いの巨人 35歳のウィーラーが選手生命を懸けた6連戦に挑む
激しい外国人枠争いの巨人 35歳のウィーラーが選手生命を懸けた6連戦に挑む
 西武、楽天との交流戦最後の6連戦を前に、巨人はウィーラーを約2か月ぶりに一軍に昇格させた。一昨年のシーズン途中、楽天から移籍したウィーラーは主にファースト、レフトを守り、時にはセカンドの守備にも就くなど複数のポジションをこなし、ムードメーカーとしてもチームを盛り上げて優勝に貢献した。 「前年の楽天時代はほとんどサードだったにもかかわらず、不平不満を漏らすことなく、献身的に働いた。終盤調子を落としましたが、序盤はコンスタントに打ってチームを上昇気流に乗せました。昨年も開幕から打ちまくって22試合連続安打を記録するなど貢献度が高かった。しかし、今年は『7番・レフト』で開幕スタメンを勝ち取ったものの、奮わなかった。打率1割6分、1本塁打、2打点で4月18日に登録を抹消されていました。その後ポランコ、ウォーカーの新外国人に目処が立ったため、二軍での調整を余儀なくされていました」(プロ野球担当記者・以下同) 今年、外国人の一軍登録は5人、ベンチ入りは4人までとなっている。8人の外国人を抱える巨人は現在、野手のポランコ、ウォーカー、ウィーラー、先発投手のアンドリース、メルセデスを登録している。「本来ならデラロサやビエイラというリリーフを1人置いておきたいですが、指名打者(DH)の使えるパ・リーグ本拠地での開催のため、ウィーラーが上がってきた。守備に不安のあるウォーカーがDHに入り、ウィーラーがレフトで起用されそうです」 ファンの人気も高いウィーラーだが、35歳を迎えてベテランの域に入っている。この6連戦に選手生命が懸かっているといっても過言ではないという。「ここで打てなければ、再び二軍落ちの危機が待っている。デラロサは6月3日のロッテ戦で打たれて二軍落ちしましたが、リーグ戦再開の時には一軍登録が可能になる。昨年抑えを務めたビエイラはオープン戦から不調で開幕してもから打たれ、ファーム暮らしが続いていますが、最近は調子を取り戻しており、二軍で18試合に投げて防御率1.00です。今の状態が続けば、指名打者の使える交流戦が終わった後、外国人が1人落ちてビエイラが昇格する可能性が高い。 スタメンで結果を残しているポランコ、ウォーカーの二軍降格はよほどの絶不調にならない限り考えづらいし、先発が安定しないチーム事情からして外国人先発を2人は置いておきたい。となると、ウィーラーが降格候補の筆頭です。来年の契約を考えても、この6連戦で打ちまくって、存在感をアピールしたいところでしょう」 二軍でも常時スタメン出場し、昇格の機会をうかがっていたウィーラー。西武、そして古巣の楽天戦で健在ぶりを見せつけ、巨人の激しい外国人枠争いで生き残れるか。
2022.06.07 16:00
NEWSポストセブン
投手としても起用される根尾も議論を呼ぶ
2軍降格危機の中日・根尾昂は本格的に投手転向すべき? 「野手より伸びしろがある」の声
 投手でデビューを飾り、「二刀流」と話題になった中日・根尾昂。だが、本職の野手では厳しい状況に置かれている。ショートのレギュラーだった京田陽太が攻守に精彩を欠いてファーム降格したことに伴い、根尾は外野から遊撃に再コンバートされたが、出場機会が少ない。 5月10日に1軍昇格したが、遊撃としては2試合の途中出場のみ(以下、数字は6月7日試合前時点)。打撃で結果を残せず、ベンチスタートの日々が続いている。遊撃は高橋周平が8年ぶりに守ったほか、守備に安定感がある三ツ俣大樹が先発出場している。6月4日のソフトバンク戦では、同じく遊撃のレギュラーを狙う溝脇隼人が代打で値千金の逆転2点適時三塁打を放ち、ヒーローに。根尾は打率が2割を切る状況で、二刀流の活躍どころか2軍降格の危機を迎えている。スポーツ紙デスクは、根尾の置かれた現状をこう語る。「遊撃でスタメン出場するのはまだ厳しいと首脳陣は判断しているのでしょう。外野の守備は俊足と強肩を生かして十分に1軍レベルですが、打てないとレギュラーに定着できない。二刀流で話題になっていますが、現実的な起用法として野手で活躍しなければ成り立ちません。根尾も今年で4年目。打撃で試行錯誤を続けてもがき苦しんでいる。 思い切って投手に転向するのも選択肢の一つだと思います。野手がダメだからという消極的な理由でなく、投手としての伸びしろの方が大きいように感じる。3年のブランクがあって直球が150キロをマークする投球ができるわけですから。投手と野手だと表情が別人のように違うんですよね。打席だと自信がなさそうに見えるけど、マウンド上ではキリッとした表情でオーラがある。本格的に投手に専念して練習を積んだ時に、どれだけ伸びるのか楽しみな部分があります」 プロ4年目の今季に投手デビューを飾った根尾は、大量得点差で勝負がついた2試合に登板している。5月21日の広島戦は1回1安打無失点の好投。5月29日の交流戦・オリックス戦では大阪桐蔭時代を含めて自己最速タイの150キロを計測。1回1安打無失点ときっちり抑えた。マウンド上では落ち着き払った表情で、走者を出しても動じない。たたずまい、投球フォーム、球質は「良い球を投げる野手」ではなく、正真正銘の投手と見間違うほどだ。 根尾は大阪桐蔭高で投手、遊撃の二刀流で2年春、3年春、3年夏の全国制覇に大きく貢献。2017年、2018年のセンバツでは2年連続で決勝戦のマウンドに登り、胴上げ投手となった。当時の根尾を取材したスポーツ紙の記者はこう振り返る。「いい球を投げていましたよ。でも、スケールの大きさを考えると遊撃で育てたいというのが各球団のスカウトの見方だった。本人も野手一本でプロの世界に入っているので、遊撃で成功してほしい思いはあります。今の起用法だと中途半端になってしまう。野手でレギュラーを取るまでは二刀流を封印してほしい。投手をやらせるならオフに転向して本格的に技術を磨くべき。センスで抑えていますが、変化球の精度はまだまだだし、投げ込むことで制球力も身につく。首脳陣がどう判断するかでしょうね」 投手からプロ入り後に野手に転向した選手は少なくないが、野手から投手に転向したケースは極めて珍しい。現役の選手ではオリックス・張奕、日本ハムの育成枠・姫野優也のみ。張奕は2016年の育成ドラフト1位で外野手として入団したが、2018年途中から投手で登板し、2019年に本格的に転向。同年5月に支配下登録され、今季は救援で7試合登板して防御率1.86の好成績を残している。 立浪和義監督は「投手をやるのであれば将来的には先発ということは思っている」と、投手転向構想があることも言及している。根尾が輝くポジションはどこだろうか――。
2022.06.07 07:00
NEWSポストセブン
昔の絶対的エースはすごかった(イメージ)
1950~60年代プロ野球“絶対的エース”の凄み 投手が野手にサイン出し、打者を手玉に
 ロッテの佐々木朗希が完全試合を達成し、ソフトバンクの東浜巨はノーヒットノーランを達成。今季は「投高打低」と言われるが、近年のエースは中6日が当たり前で、球数も100球程度で交代してしまい、どこか物足りなさを感じているファンもいるに違いない。かつてのプロ野球の「絶対的エース」の活躍ぶりは、今では考えられないものだった。(文中敬称略)【全3回の第3回。第1回から読む】 1950~60年代の各球団のエースでは、通算400勝の金田正一や同350勝の米田哲也のように“太く長く”の活躍を見せ、もはや塗り替えられようのない記録を打ち立てた投手たちがいる。1953年にプロ入りし、阪神、ロッテなどで通算320勝をあげた小山正明もその一人だ。当時の阪神で捕手として活躍した辻恭彦はこう言う。「新人だった私に“構えたミットを動かすな”と言い、その通りにしていると本当に寸分の違いなくボールがきた。あと、試合中は小山さんから内野手にサインが出る。右打者にパームボールを投げると、引っ張ってサードゴロになることが多かったから、右ポケットを触ってサードやショートに教えるんです。それで本当にゴロの凡打になる。まさに打者を手玉に取るエースでしたね」 1950年代の阪神に投手として在籍し、その後、球団の裏方として寮長などを務めた梅本正之も、「当時の阪神には小山、そして村山実という本格派エースが2人いた。この2人が投げるゲームは落とせないという空気がチームに生まれた」と話している。長く勝ち星を積み上げたからこそ、逸話が語り継がれる。 一方で、入団後2年間で65勝を上げるも、実働5年で散った権藤博のように“太く短く”の活躍で、通算記録では歴代上位に入らないエースたちもいる。「怪童」の異名を取り、剛速球が武器だった東映・尾崎行雄はその一人だろう。入団1年目の1962年に20勝9敗の成績をあげ、リーグ初優勝に貢献。5年間で98勝をあげたが、右手にマメができる体質で肩を痛め、その後の6年間では9勝しか挙げられなかった。 1955年に東映に入団した土橋正幸も“短い輝き”を見せたエースだった。ちぎっては投げのハイピッチ投球で知られ、開花した3年目からの7年間だけで147勝を記録したが、肩痛や筋断裂、首痛など故障が相次ぎ、プロ10年目からは3年間で計10勝しかあげられずに引退した。記録ではなく記憶に残るエースたちだが、権藤は現役生活を総括して、こんな言い方をする。「誰だって、最初から短期間で燃え尽きようと思ってなんてやりませんよ。無理をしたつもりなんてない。それが当たり前だっただけです」 現代では、投手を故障から守るために100球での降板や中6日のローテーションが“当たり前”になった。時代が違うのである。ただ、それでも言いたい。昔の絶対的エースは、もっともっとすごかったぞ、と。(了。第1回から読む)※週刊ポスト2022年6月10・17日号
2022.06.06 07:00
週刊ポスト
KAT-TUNのデビュー曲『Real Face』という意外な選曲でワイルドにパフォーマンス
羽生結弦「仙台から家族総出で応援」の珍しい光景 アイスショーの意味深
 日本各地で最高気温30℃を超える真夏日を記録する地域が相次いだ、5月29日の夕方。千葉・幕張で行われたアイスショー「ファンタジー・オン・アイス」(FaOI)への出演を終えた羽生結弦(27才)は会場を後にし、迎えの車に乗り込んだ。その送迎車の中で、彼と母親を出迎えたのは、父親と姉。家族を乗せた車は、家族で暮らす仙台への帰路についた──。「全力で頑張りますので、ぜひぜひ、めちゃくちゃ楽しみにしてくださ~い」 FaOIの開演前、SNSを通じて、笑顔でファンに呼びかけた羽生。皮切りとなった5月27日の幕張公演は、北京五輪後、実に96日ぶりの舞いとなった。 黒いラメ入りジャケットに身を包み、グループの先頭で氷上に現れた羽生は、スガシカオ(55才)の『午後のパレード』の生演奏に合わせ、オープニングでいきなり4回転トーループを決めた。 大トリとして、グレーと黒の衣装で再び登場すると、スガがKAT-TUNに提供した大ヒット曲『Real Face』に合わせ、熱唱しながらワイルドに舞う。「北京五輪で捻挫した右足首の状態は本人が思っていた以上に悪かったようです。にもかかわらず、彼は帰国後、隔離期間を終えるとすぐに練習を再開しました。FaOIで完璧な演技を見せるという、使命感にも似た強い思いがあったのでしょう」(仙台のスケート関係者) フィナーレでは広瀬香美(56才)の『ロマンスの神様』で全出演者と息の合った演技を披露し、さらにグランドフィナーレでは4回転トーループからの3回転半という連続ジャンプを成功させ、会場に詰めかけた約5000人のファンを歓喜させた。 すべてのパフォーマンスを終え、はちきれんばかりの笑顔を浮かべた羽生は、マイクなしで、「ありがとうございました!」と挨拶。たしかな手応えをつかんで会場を後にした。 北京五輪からこれまで、足の状態が万全ではない羽生を支えてきたのは家族だった。「羽生選手の練習は、いつもリンクを貸し切りにできる深夜の23時以降から始まります。送迎はお父さんやお姉さんが務め、時には家族揃ってリンクに行き、彼の練習を見守ることもあります」(前出・仙台のスケート関係者) 会場にいたフィギュアスケート関係者が話す。「これまでお母さんが同伴していたことはありましたが、お父さんやお姉さんまで、家族総出で応援に来たのはかなり珍しい光景だと思います。今回のショーには、何か特別な思いがあったのかもしれません」 実は今回、彼の勇姿を見に駆け付けたのは、家族だけではなかった。「幕張の最終日には、ジスラン・ブリアンコーチの姿が会場にありました。ジスラン氏は木下グループのコーチとして京都で指導するために来日したようですが、羽生選手の活躍を見に、わざわざ京都から駆け付けたようですよ。コーチの姿を確認したときは一体何があったのかと……」(前出・フィギュアスケート関係者) ジスラン氏が羽生の指導を始めたのは2014年のこと。ここ数年は、コロナ禍でカナダのコーチたちのもとに戻れず、ひとり4回転半の完成に挑んでいた彼をリモートで指導してきたジャンプコーチだ。「フィナーレでは羽生選手がジスラン氏に手を振る場面もありました。満面の笑みを浮かべるジスラン氏を見て、2人の絆の深さを目の当たりにしましたね」(前出・フィギュアスケート関係者) 幕張公演を無事に終えた羽生は、この後、名古屋、神戸、静岡まですべての公演に出演する。 今回の公演後、去就については何も語らなかった羽生だが、けがは心配ないように見えた。家族総出のサポートは、来シーズンへの飛翔を期してか、それとも──。※女性セブン2022年6月16日号
2022.06.06 07:00
女性セブン
巨人・増田陸「令和のハッスルボーイ」の急成長がチームに与える好影響
巨人・増田陸「令和のハッスルボーイ」の急成長がチームに与える好影響
「令和のハッスルボーイ」が躍動し始めた。巨人が2対1でロッテを下した6月4日、この日のヒーローは、スローカーブを自在に操って巨人打線を6回まで零封していたロッテ・佐藤奨真から同点タイムリーを放った巨人の増田陸だった。増田は試合後のヒーローインタビューでこう語った。「オフに育成(選手契約)になってすごく自分自身悔しかったですし、何とか自分の人生を変えたいと思って、日々必死にやっているので。そのがむしゃらにやっている結果が、いい結果につながってると思う」 高卒4年目、昨年までファーム暮らしが続き、オフには育成選手契約になった。しかし、キャンプ中の対外試合以降、結果を残したことで、3月に再び支配下登録される。5月5日に一軍初昇格すると、代打で9打席に立って4度出塁(2安打、2四球)と結果を残し、5月28日の日本ハム戦でプロ初スタメンを勝ち取った。プロ野球担当記者は「がむしゃらさの中に冷静さもある」と分析する。「初スタメンの日は振り逃げでの出塁しかありませんでしたが、先発2試合目である5月31日のソフトバンク戦では4打席で1安打、2四球と3度も塁に出た。普通の若手だと結果を欲しがるあまり、ボール球にも手を出してしまいがちですが、きっちり見極めていた。選球眼の良さも彼の強みでしょう」 増田陸の台頭で追いやられているのが、中田翔だ。日本ハムの4番としてタイトルも獲得し、日本代表にも選ばれた男が21歳の若手にポジションを奪われつつある。「しかも、増田陸は今年ファーストを始めたばかりで本職ではないですからね。中田は内心穏やかではないでしょう。原辰徳監督は昨年までは若手、ベテラン関係なく『実力至上主義』を謳っていましたが、今年は『実力が同じなら若手を使う』と明言した。有言実行の采配がチームに活気を与えています。 中田と増田陸は同じヒット1本でも、チームに与える影響力が違う。増田陸の活躍は若手に波及するからです。つい最近まで二軍で一緒にプレーしていた選手の刺激になりますし、一軍の控え選手も自分にもチャンスが巡ってくると思える。増田陸のヒットは単なる一打に止まらない効果があります」どんなプレーも全力で必死に食らいついていく 増田陸が佐々木朗希から先制タイムリーを放った6月3日のロッテ戦では、5対3と2点差に迫られた8回に今季初打席の重信慎之介がセンター前に弾き返し、ビッグイニングの足掛かりを作った。「増田陸のがむしゃらさを見て、刺激されない選手はいないですよ。重信は29歳で、年齢的にも崖っぷちに立たされている。でも、今年の原采配を見ていれば、どんな選手でも結果を残せば使ってもらえると希望を持てる。精神的な張り合いが違いますよ。 昨年の後半は中田が突然日本ハムから無償トレードでやって来て、打率1割台になってもスタメンで起用され続けた。誰も口にしないだけで、選手は疑問に思っていたはず。それは結果として現れ、後半戦に急失速して終盤には10連敗もした。今年の原監督は“脱・中田”采配になり、選手を平等に扱うことでチームに活気が戻りました。もちろん中田だって、結果を出せば起用されますよ」 どんなプレーも全力で、必死に食らいついていく背番号61の増田陸はチームのムードを盛り上げる選手でもある。「坂本勇人と一緒に自主トレをし、彼が若い頃に着けていた背番号61をつけているため、増田陸は坂本に重ね合わせて語られがちです。でも、巨人の歴代選手の中では中畑清、矢野謙次と同じ雰囲気を持つタイプだと思いますよ。俗に言うハッスルボーイであり、ムードメーカーです。あのがむしゃらさは、彼らに似ている。その意味では、応援歌も重要になる。中畑や矢野の応援歌は名曲で、スタジアムの雰囲気を変える力があった。増田陸は中畑や矢野のように、ファンと一緒に球場のムードを作れる資質を持っている、数少ない貴重な選手です」 昭和の中畑、平成の矢野に続き、増田陸は「令和のハッスルボーイ」としての活躍が期待されている。
2022.06.05 13:30
NEWSポストセブン
1961年に中日に入団した権藤博は1年目に35勝19敗の成績(写真/共同通信社)
権藤博の鉄腕伝説 “2年で65勝”“実働5年”に「そういう時代だったんですよ」
 ロッテ・佐々木朗希の完全試合を筆頭に、投高打低が目立つ今季のプロ野球。ただ、かつてのプロ野球の“絶対的エース”の活躍は、今の比ではなかった。中でも凄まじかったのが、1961年に中日に入団した権藤博。その活躍ぶりは、今では考えられないものだった。(文中敬称略)【全3回の第2回。第1回から読む】 通算350勝を上げた阪急のエース・米田哲也をして、「あのストレートは本当に凄かった」と言わしめたのが、中日の権藤博である。1961年に中日に入団し、ルーキーイヤーから凄まじい活躍を見せた。1年目に35勝19敗、310奪三振、防御率1.70。69試合に登板したうち44試合が先発で、32試合に完投した。 投球イニングは実に429回1/3。現代の先発投手の2倍以上の水準だ。毎日のように投げることから「権藤、権藤、雨、権藤」と形容されたことは広く知られている。2年目も61試合に登板し、30勝17敗で2年連続最多勝。ただ、全盛期と言えるのはそこまでだった。登板過多による右肩痛で3年目は成績が急落。「とはいえ、それでも45試合に登板し、10勝12敗。220回2/3を投げた。去年の沢村賞の山本由伸(オリックス)より多い」(スポーツ紙編集委員) 投手としては実働5年のプロ通算82勝だった。本人は今、当時をどう振り返るのだろうか。権藤に聞いた。「うーん、今さら言われてもね……(苦笑)。そういう時代だったんですよ。稲尾(和久)さんや杉浦(忠)さんがいて、一人で投げて勝つというのがエースの勲章だった。特に“リーグを代表するエース”と呼ばれる投手は、監督に言われたら投げるしかない。監督はトレーナーとかと相談しながらやってくれていましたが、入団1年目は巨人と優勝争いしていたので、肘が痛い、肩が痛いとか言っていられなかったしね」「悔いはありません」 先発ローテーションが確立した時代であれば、通算の勝利数はもっと多かったかもしれない。短命に終わった野球人生に、悔いはないだろうか。そう聞くと権藤は「ないですね」と即答した。「“一発やってやろう”と思ってノンプロから入ったんです。今の生活から抜け出したいという思いが強かった。定年までサラリーマンを勤め上げてもらえる給料や退職金とかに比べて、プロで成功すれば何十倍、何百倍ももらえる。一発に懸けて精一杯やった結果なんだから、そこまでだったんですよ。サイ(稲尾)には勝てんということ。終わってみたら、モノが違ったんです」 ルーキーイヤーに凄まじい成績を残した権藤が類い希な才能の持ち主であることは疑いようがないが、稲尾の超人的な活躍はそれを凌駕したとする言い方である。権藤は野手転向を経て1968年に投手に復帰するも、輝きを取り戻すことはなく、引退となった。「もちろんプロ入りした頃のような球が投げられない悔しさはありましたが、辞めることの悔しさはなかったですね。投げすぎて潰れたのか、投げ方が悪くて潰れたのか。自分では投げ方が悪くて潰れたと思っています」 引退後に横浜の監督を務めた際は、自身の教訓を生かして投手の分業制を進めたと言われている。ストッパーの“大魔神”こと佐々木主浩の起用も勝ち試合の1イニング限定だった。「私の現役時代がどうということではなく、野球が変わっていったということです。はっきり言って、昔は野球のレベルが低く、特に打者のレベルが低かった。それが道具や技術の進化もあって、向上したんです。ピッチャーも進歩しているが、投げるのは“もともとの素材”の要素が強く、打者ほどの進歩はない。そう考えれば、チームでの戦い方が大きく変わるのは当然でしょう」 当人は淡々と振り返ったが、やはり観る者には鮮烈な印象を残している。「権藤さんのピッチングは凄かったね。バネがあって、タメがありました」 そう振り返るのは、「エースのジョー」として1960年代の巨人を支えた城之内邦雄だ。1年目の1962年から24勝(12敗)をあげ、入団5年でプロ100勝に到達するというスピード記録を誇る城之内だが、当時をこう振り返る。「権藤さんは、コントロールがよかった印象が強いですね。打撃もよくて、ホームランを打たれたこともある。稲尾さんも権藤さんと同様に、フォームがよくて、コントロールがよかった。 ルーキーイヤーからの活躍という意味では、当時はノンプロの社会人野球のレベルが高かったことも見逃せないでしょう。僕もノンプロ(日本麦酒)からですが、1年先にブリヂストンタイヤからプロ入りした権藤さんが大活躍した。“ノンプロのエースはプロ野球でエースになれる”という自信がありましたね。当時のノンプロは練習時間が長かったんです。週6日、朝から晩まで練習でしたから」(第3回へ続く)※週刊ポスト2022年6月10・17日号
2022.06.05 07:00
週刊ポスト
「神様、仏様、稲尾様」と称賛された稲尾和久(写真/共同通信社)
佐々木朗希より“異次元”の活躍? 1958年の稲尾和久、後半戦だけで17勝の絶対的エース
 完全試合やノーヒットノーランが相次ぐ今季は「投高打低」と言われる。“令和の怪物”こと、プロ3年目・佐々木朗希の快投などが観客を興奮させているのはたしかだろう。ただ、中6日で、球数は100球まで。かつてのプロ野球の「絶対的エース」の活躍は、今では考えられないものだった。(文中敬称略)【全3回の第1回】 昨季はチームのリーグ優勝に貢献し、沢村賞を獲得したオリックス・山本由伸。その成績は26登板(193回2/3)、18勝5敗、206奪三振、防御率1.39という数字で、“現役最強投手”の呼び声も高い。 今季はロッテ・佐々木朗希も“異次元の活躍”と称賛される。完全試合を達成すると、中6日で登板した翌週も8回まで完全投球を見せた。山本も佐々木も、たしかにすごい。しかし、1950年代や1960年代に活躍した絶対的エースと比べると、どうだろうか。 代表例が「1958年の稲尾和久」だ。1958年に開催された西鉄vs巨人の日本シリーズ。西鉄のエース・稲尾は第1戦、第3戦に先発するも敗れ、チームも3連敗。しかし、ここから稲尾が獅子奮迅の活躍を見せる。 4戦目は9回を投げ切って西鉄が6対4で勝利。第5戦も0対3の4回からリリーフし、9回に西鉄が追いつくと、延長10回には稲尾自身の本塁打でサヨナラ勝ちを収める。第6戦は先発して9回3安打完封。最終戦も稲尾が先発すると、長嶋茂雄のランニングホームランの1点に抑え、3連敗からの4連勝に。3年連続の日本一となった。7戦の計62イニングのうち、稲尾は実に47イニングに登板したのである。「この年に『神様、仏様、稲尾様』という言葉が生まれた。オールスター前に首位・南海に10.5ゲーム差をつけられていた西鉄が、逆転でリーグ優勝した時に誕生したフレーズです。オールスター以降、西鉄が優勝するまでの48試合で稲尾は31試合登板し、17勝1敗。ダブルヘッダーに連勝すれば優勝という局面では、2試合とも登板し、胴上げ投手となっています」(スポーツ紙編集委員) 昨年の山本の登板イニング数は200回に届いていないが、この年の稲尾は373回に及ぶ。翌1959年や1961年は400イニング以上を投げた。「稲尾は通算756試合に投げたうち、117試合が連投だった。凄まじい数字です。プロ9年目(1964年)は酷使がたたって1勝もできず、以降はリリーフに転向したが、満足のいく結果は残せず1969年に引退した。プロ通算14年で276勝。“太く短い”とも言うべき現役生活でした」(同前) この時代は各球団の絶対的エースが投げまくっていた。1958年は、セで国鉄・金田正一が31勝14敗(登板56試合)、パは稲尾が33勝10敗(同72試合)で最多勝となった。阪急のエースとして同年に23勝13敗(同45試合)の成績を残し、後に通算350勝を積み上げた米田哲也はこう振り返る。「並み居るエースのなかでも、やはりサイちゃん(=稲尾)がナンバーワンだろうね。サイちゃんが西鉄に入団したら、ピッチャーが1人加入しただけなのに優勝できるチームになってしまった。まさにエースと呼ぶに相応しい。 当時の阪急は貧打で弱小でしたから、サイちゃんは阪急とのダブルヘッダーは“1日2勝のチャンスだ”と思ってリリーフと先発で2試合とも投げてきたりしたんです。サイちゃんと投げ合いたくないからと、阪急には西鉄戦前になると体調を崩すピッチャーがゴロゴロいてね。お鉢が回ってくるのが私だった。だから西鉄との対戦で1勝6敗というシーズンもあって、その1勝も私のサヨナラホームランで勝った試合だった(苦笑)」 米田は「当時、エースと呼ばれるピッチャーは投げるチャンスをもらえるならいつでもマウンドに上がった」と振り返る。「南海の杉さん(杉浦忠)もアンダーハンドからの速いストレートで打者をきりきり舞いさせていた。新人だった1958年から27勝12敗。2年目はもっとすごくて38勝4敗ですよ。驚異的な勝率で南海を優勝させました。ただ、全盛期は短かったですね」 南海・杉浦はプロ入りから4年連続20勝以上をあげたが、7年目を最後に2ケタの勝ち星をあげることはなかった。米田は当時のピッチャーの練習をこう表現する。「他人に負けたくないので、ただただ投げ込んだだけ。今の時代のようなトレーナーもいなかった。キャンプでの貯金をどうやって1年間もたせるか。夏場はみんなヘバってくるので、そこで暑さに負けないようにやっていた。とにかく“暑い”とは言わない。口にすると気持ちが沈みますから」 それは「自分に対して暗示を掛ける作業だった」と米田は続ける。「キャンプでは1日300球を2~3回やり、他の日も常に150球は投げていた。この自信が大きいんです。300球を投げていると、完投での135球は半分ですからね。楽に投げられた」 近年は、先発投手が責任を果たした“合格ライン”としてクオリティスタート(6回3自責点以下)という概念も定着してきたが、「昔の阪急は2点取ってもらったらピッチャーが野手陣にお辞儀をするような貧打チーム。先発が3点も取られたら全部負けていますよ」と米田は豪快に笑った。(第2回へ続く)※週刊ポスト2022年6月10・17日号
2022.06.04 11:00
週刊ポスト
心からショーを楽しんでいたゆづは、何度も弾けるような笑顔を見せた。グランドフィナーレでは、4回転トーループからのトリプルアクセルを披露!
羽生結弦、北京五輪以来96日ぶりのリンクで魅せた鮮烈パフォーマンス
 北京五輪以来、96日ぶりに羽生結弦(27才)がリンクに戻ってきた! 五輪後初の演技の場として選んだのは「アイスショーの中でも特別な存在」と公言している『ファンタジー・オン・アイス』。「全力で頑張りますので、めちゃくちゃ楽しみにしてください!」。 開演前、ショーの公式ツイッターでメッセージを送ったゆづは、その言葉通りアクセル全開の演技を披露した。選手として現役を続行するのか、その進退についてはいまだに明言していないが、夢の続きを期待させるには充分な鮮烈パフォーマンスだった。写真/アフロ、フォート・キシモト※女性セブン2022年6月16日号
2022.06.04 07:00
女性セブン
パドックでジョッキーと入念に最後の確認をする
新人調教師・蛯名正義氏「6月は馬たちの新学期」 新しいシーズンをどう戦うか
 1987年の騎手デビューから34年間にわたり国内外で活躍した名手・蛯名正義氏が、2022年3月に52歳の新人調教師として再スタートした。蛯名氏の週刊ポスト連載『エビショー厩舎』から、2歳戦が始まる“6月”についてお届けする。 * * * ダービーが終わると、すぐに2歳戦が始まります。つまり来年のクラシック戦線のスタート。新人ジョッキーがデビューし、新たに厩舎が開業する3月がホースマンの新学期なら、6月は主役である馬たちの新学期ということになります。 厩舎にも2歳馬が何頭か入ってきて、新鮮な気分です。厩舎だけではなく、牧場も出産や種付けが一通り終わって、7月から始まる1歳馬──再来年のクラシックを目指す馬──のセリの準備なども本格的になる。まだ安田記念や宝塚記念があるけれど、日本の競馬はクラシックを中心に回っているということです。 来週から北海道シリーズも始まります。僕の厩舎はまだ馬房数が少ないから、美浦を拠点にして、馬の状態に合わせて新潟へ行ったり、あるいは函館に連れて行ったりと臨機応変に考えています。北海道へ連れて行くにしても1か月ずっと滞在することもあれば、2週間だけのこともあるかもしれない。北海道は確かに涼しいので、滞在競馬は体重が減りやすい馬や空気や芝が合う馬にはいいけれど、やはり競馬場よりトレセンのコースで調教したほうがいい馬もいます。 これまでは藤沢和雄厩舎から引き継いだ馬たちでしたが、2歳は僕自身がセリで選んだ馬もいるので、自分で「色」をつけていくことになります。 どういうふうに調教していくべきか一から考えなければいけない。おとなしくて能力があって走ってくれるのが一番いいのですが、なかなかそうはいかないものです。どこかに癖があったり、わがままだったりして難しい。そういう馬は難しいところを出さないような調教をする。でもその難しいところをまったく消してしまうと馬の個性がなくなるから、マイルドにするという感じでしょうか。自分を主張する気持ちがあるのは大事なことだけど、それをどこまで許容するか、ですね。 一方おとなしい馬は、こちらの思う通りに調教過程を踏むことができるので、入り口で間違ってしまうとどんどん間違った方向にいってしまうことがある。うまくいっていると思っていても、馬はじっと耐えて嫌で嫌でしょうがないと思っているかもしれない。あるいは、おとなしいんじゃなくて、あまり走ることに前向きじゃないのかもしれない。そういうのはレースになってみないと分からないところがあります。 まだまだ子供で体力的に足りないところもあるので、走りそうだからとオーバーワークにならないようにしなければならない。特にこれから梅雨に入って馬場が悪くなるのがやっかい。2歳馬は疲れが残りやすくなります。 こういう話になると、馬が喋ることができればいいなんて言う人がいるけれど、馬が喋ったら僕たちの商売は成り立たなくなっちゃうかもしれません。「オレを走らせるんじゃない!」って騒いだり「調教休みたい」って反抗したり、「美味いモノ食べさせろ」とか要求したり(笑)。にんじんと飼い葉くらいで黙って真面目に走ってくれるんだからとても健気な動物です。【プロフィール】蛯名正義(えびな・まさよし)/1987年の騎手デビューから34年間でJRA重賞はGI26勝を含む129勝、通算2541勝。エルコンドルパサーとナカヤマフェスタでフランス凱旋門賞2着など海外でも活躍、2010年にはアパパネで牝馬三冠も達成した。2021年2月で騎手を引退、2022年3月に52歳の新人調教師として再スタートした。※週刊ポスト2022年6月10・17日号
2022.06.03 21:00
週刊ポスト

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