スポーツ

羽生結弦が早大進学 伝統の「フィギュア王国」が遂に復活か

 正月の風物詩、箱根駅伝。“山の神”柏原竜二が卒業した東洋大と、優勝候補と呼び声高い駒澤大学の戦いとともに、エース・大迫傑を擁し、2年ぶりの王座奪還を目指す早稲田大学にも注目が集まる。だが、早稲田が復活をかけるのは駅伝だけではないようだ。

 先日行われた全日本フィギュアスケート選手権で初優勝を果たした羽生結弦(宮城・東北高・18)が、来春、早稲田大学に進学すると発表した。今季よりブライアン・オーサー氏に師事する羽生は、練習拠点を引き続きカナダに置くため、通信教育課程の人間科学部eスクールで学ぶ。

 早稲田大学といえば、長らく日本のフィギュアスケート界をけん引してきたフィギュア王国だったのだが、最近は、“新2強”に押されつつある。

 早稲田出身の主なフィギュアスケート選手を振り返ってみよう。

■八木沼純子:カルガリーオリンピック代表、愛称「ジュンジュン」。現在は解説者として活躍
■井上怜奈:アメリカに渡り、ペアスケーターに。がんを克服し、全米選手権を制す
■村主章枝:ソルトレイク、トリノ五輪出場。現役にこだわり、仕事と両立中
■荒川静香:言わずと知れた、トリノ五輪金メダリスト
■中野友加里:トリプルアクセル、美しいドーナツスピンなどで人気を博す。鈴木明子とバンクーバー五輪代表を争った。現在、フジテレビ社員
■武田奈也:NHK杯3位などの実績を残し引退。現在は「週刊プレイボーイ」のグラビアなどでも活躍

 遡れば、1964年のインスブルック五輪で5位という成績を収めた福原美和、1968年、グルノーブルオリンピック代表の小塚嗣彦(小塚崇彦の父)ら、日本フィギュア界の重鎮らも早稲田出身だ。

 だが、現在、世界でもトップレベルの日本フィギュアスケート界を席巻するのは、中京大学と関西大学勢だ。浅田真央、小塚(中京大学大学院、トヨタ自動車所属)、村上佳菜子(全日本2位、来年から中京大学に進学)、かつては安藤美姫も在学した中京大学。そして、高橋大輔(関西大学大学院)、織田信成、全日本で3位に入って一躍“ソチ候補”に名乗りをあげた宮原知子(さとこ、関西大学中等部)らが所属する、関西大学のスケート部。

 2つの大学の強みはスケートリンクを所有していることだ。一般のスケートリンクでは、お客さんに交じって練習をしたり、スケートリンクを貸し切るために高額なレッスン料を強いられる選手の練習環境が、大学が自前リンクを持つことで、改善された。有力選手が集えば切磋琢磨できるし、スター選手らに憧れて入学する選手も増える。

 また、環境改善は選手だけではない。高橋を育てた長光歌子コーチが関西大学スケート部のコーチを務めるように、リンクを持つことで、大学がコーチを抱えることもできる。名コーチの指導を仰ぐために入学する選手も増えているという。

 その2強の台頭に隠れ、昨今、元気のなかった早稲田大学。今回の全日本フィギュアの上位20位選手のなかに、男女とも、早稲田大学の選手はゼロ。結果が低迷を物語っている。

 そんななか飛び込んできた、新エースの入学という朗報――。早稲田大学フィギュアスケート部のOBは期待を込めてこう語る。

「早稲田は大学専用のリンクを持っていません。また、選手たちは、就いている先生もそれぞれで、いつも一緒に練習することはできません。最近は有力選手が離れてしまい残念ですが、それでも、早稲田でしか得られないものがある。フィギュア以外でも偉大な先生やOB、同窓から学べるし、人脈もできる。世界中に早稲田出身はいますから、海外でも応援してもらえる。フィギュアスケートには人間性が現れます。羽生選手には、伝統ある早稲田でしか受けられない様々な刺激を受けて、人間的にも大きくなって、五輪で金メダルを獲ってもらいたいです」

 羽生は3年前の中学卒業の際に、「文武両道」が目標と語った。教師の父親を持ち、学業にも燃える若きエースの飛躍が、フィギュアスケートでも早稲田を復活へと導くか。

関連記事

トピックス

足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
大谷翔平の伝記絵本から水谷一平氏が消えた(写真/Aflo)
《大谷翔平の伝記絵本》水原一平容疑者の姿が消失、出版社は「協議のうえ修正」 大谷はトラブル再発防止のため“側近再編”を検討中
女性セブン
被害者の宝島龍太郎さん。上野で飲食店などを経営していた
《那須・2遺体》被害者は中国人オーナーが爆増した上野の繁華街で有名人「監禁や暴力は日常」「悪口がトラブルのもと」トラブル相次ぐ上野エリアの今
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
運送会社社長の大川さんを殺害した内田洋輔被告
【埼玉・会社社長メッタ刺し事件】「骨折していたのに何度も…」被害者の親友が語った29歳容疑者の事件後の“不可解な動き”
NEWSポストセブン
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン