「愛子さまが誕生される前、雅子さまにはお世継ぎの期待が寄せられ、大きなプレッシャーを感じられていました。そんなときに、エリザベス女王から両陛下に一時的にイギリスで生活することをすすめる手紙が届いたのです。
《しばらくこちらで暮らしてはいかがですか》。手紙にはそう書いてあったといいます。実現はしませんでしたが、雅子さまは遠くイギリスから届いた慈愛に満ちた言葉に、心を打たれていたといいます」(宮内庁関係者)
雅子さまは、女王と対面されたことはない。2020年に訪英が叶っていれば、直接感謝の気持ちを伝えられたことだろう。また、2022年に女王が在位70年を迎え、英国内で「プラチナ・ジュビリー」が盛大に行われた際にも、直接祝意を伝えることはできなかった。
女王との対面が実現しないまま、2022年9月に女王は96才でこの世を去った。雅子さまは、女王への思いを届ける機会を永遠に失ってしまったのだ。女王の葬儀は、死去から11日後にロンドンのウェストミンスター寺院で執り行われた。両陛下は、2泊4日、往復約30時間のフライトという強行軍で葬儀に参列された。
「宮内庁では、雅子さまの体調を心配する声が広がっていました。陛下おひとり、または秋篠宮ご夫妻の参列も考えられました。しかし雅子さまは皇后として務めを果たしたいという強い気持ちで臨まれ、実際にしっかりと役目を果たされました。その背景には、エリザベス女王に直接感謝や祝意を伝えられなかったことを、悔やまれるお気持ちもあったように思います」(前出・宮内庁関係者)
それだけに、冒頭のようにチャールズ国王の病気が判明したいま、ふたたび「訪英断念」となる可能性への複雑な思いがあるのだろう。
「国王の詳しい病状が明かされない状態では、5月の訪英は不透明です。考えたくはありませんが、万が一、女王のときと同じようなことが起きてしまえば、雅子さまはまた、国王の即位への祝意をお伝えする場を失ってしまいます。だからこそ、皇室と英王室の関係を超えて、国王の体調へのご心配を募らせているのでしょう」(前出・皇室ジャーナリスト)
2月10日、チャールズ国王はがん公表後初の声明で「多くの支援と善意のメッセージに心から感謝する」と述べた。その気持ちは、雅子さまにも向けられていたはずだ。
※女性セブン2024年2月29日・3月7日号