ライフ

ダル離婚声明文の読み方「お互い言いたいことがたくさんある」

大人力コラムニスト・石原壮一郎氏の「ニュースから学ぶ大人力」。今回はダルビッシュ有選手、浜崎あゆみなど大物の離婚声明文を深読みするテクニックについて学びます。

* * *
「いいこともあれば悪いこともある」という言葉がふさわしいのか、じつは二重の喜びなのか、そのあたりは当人にしかわかりません。ともあれ、日本時間の1月19日朝、ダルビッシュ有投手がアメリカ大リーグ・レンジャーズに入団することが決定し、そして同じ日に紗栄子夫人と離婚したことが発表されました。

ふたりがブログに連名で発表したコメントには、「結婚以来、私たちはお互いの生き方を尊敬し、助け合って暮らしてきました」「それぞれがお互いの人生を見つめ直し、また、相手の人生を思い合った結果、別々の道を歩んでいくのが最善の道だと考えて決断したものです」などと綴られていました。

一般的にこうした“離婚声明”には無難なことが書かれているだけで、誰も真相や本音をぶちまけたりはしません。しかし、無難に書いたつもりでも本音が漏れ出てしまうのが文章というものの怖さ。……という前提で、有名人の離婚声明を勝手に深読みしてみるのも、また一興です。推測が当たっているかどうかは、この際どっちでもかまいません。

ダルビッシュと紗栄子の場合、着目すべきは「それぞれがお互いの人生を見つめ直し、また相手の人生を思い合った結果」という部分。前半も、よく読むと自分ではなく相手の人生を見つめ直そうとしているとも取れます。強引に解釈すれば、お互い、相手には言いたいことがたくさんあるけど、自分自身は反省する気がないってことでしょうか。

また、1月16日にアメリカ人俳優との離婚を発表した浜崎あゆみの場合はどうか。ファンクラブのホームページで、彼女は「身体の距離であればお互いに行き来する事で埋められると思っていたものが、気が付けば心の距離へと変わってしまっており」「彼とのアメリカでの未来が見えなくなってしまったため」などと書いています。

そのほか「結果、彼をひとりにしてしまう日々が」「あの頃の自分には戻れず」など、全体的に人ごとのような書き方に見えなくもありません。行間から「私がわざわざ努力して関係を修復するほどの相手ではない」という本音を読み取るのは、ちょっと強引すぎるでしょうか。

昨今の離婚声明で、ほぼお決まりとなっているのが「別々の道を歩んでいくことに」というフレーズ。ダルビッシュと紗栄子、年末の宮崎あおいと高岡蒼甫、清水宏保と高垣麗子、いずれもこの表現を使っています。さかのぼると、1997(平成9)年に離婚した松田聖子と神田正輝も、離婚声明文で「別々の道を歩く事に致しました」と言っていました。

離婚時における「別々の道を」の定番っぷりを押さえておくと、結婚会見のときに「これからふたりで同じ道を」という定番のフレーズが飛び出したときに、「こいつら、もし離婚することになったら、やっぱり『別々の道を』っていうのかな」などと思って、こっそりニヤリとできそうです。友人や同僚の結婚式のときも、同じように楽しみましょう。

関連記事

トピックス

新恋人のA氏と腕を組み歩く姿
《そういう男性が集まりやすいのか…》安達祐実と新恋人・NHK敏腕Pの手つなぎアツアツデートに見えた「Tシャツがつなぐ元夫との奇妙な縁」
週刊ポスト
女優・八千草薫さんの自宅が取り壊されていることがわかった
《女優・八千草薫の取り壊された3億円豪邸の今》「亡き夫との庭を遺してほしい」医者から余命宣告に死の直前まで奔走した土地の現状
NEWSポストセブン
あとは「ワールドシリーズMVP」(写真/EPA=時事)
大谷翔平、残された唯一の勲章「WシリーズMVP」に立ちはだかるブルージェイズの主砲ゲレーロJr. シュナイダー監督の「申告敬遠」も“意外な難敵”に
週刊ポスト
左から六代目山口組・司忍組長、六代目山口組・高山清司相談役/時事通信フォト、共同通信社)
「六代目山口組で敵う人はいない」司忍組長以上とも言われる高山清司相談役の“権力” 私生活は「100坪豪邸で動画配信サービス視聴」も
NEWSポストセブン
35万人以上のフォロワーを誇る人気インフルエンサーだった(本人インスタグラムより)
《クリスマスにマリファナキットを配布》フォロワー35万ビキニ美女インフルエンサー(23)は麻薬密売の「首謀者」だった、逃亡の末に友人宅で逮捕
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左/バトル・ニュース提供、右/時事通信フォト)
《激しい損傷》「50メートルくらい遺体を引きずって……」岩手県北上市・温泉旅館の従業員がクマ被害で死亡、猟友会が語る“緊迫の現場”
NEWSポストセブン
財務官僚出身の積極財政派として知られる片山さつき氏(時事通信フォト)
《増税派のラスボスを外し…》積極財政を掲げる高市早苗首相が財務省へ放った「三本の矢」 財務大臣として送り込まれた片山さつき氏は“刺客”
週刊ポスト
WSで遠征観戦を“解禁”した真美子さん
《真美子さんが“遠出解禁”で大ブーイングのトロントへ》大谷翔平が球場で大切にする「リラックスできるルーティン」…アウェーでも愛娘を託せる“絶対的味方”の存在
NEWSポストセブン
ベラルーシ出身で20代のフリーモデル 、ベラ・クラフツォワさんが詐欺グループに拉致され殺害される事件が起きた(Instagramより)
「モデル契約と騙され、臓器を切り取られ…」「遺体に巨額の身代金を要求」タイ渡航のベラルーシ20代女性殺害、偽オファーで巨大詐欺グループの“奴隷”に
NEWSポストセブン
イギリス出身のボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
《ビザ取り消し騒動も》イギリス出身の金髪美女インフルエンサー(26)が次に狙うオーストラリアでの“最もクレイジーな乱倫パーティー”
NEWSポストセブン
女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKI(右/インスタグラムより)
《趣里が待つ自宅に帰れない…》三山凌輝が「ネトフリ」出演で超大物らと長期ロケ「なぜこんなにいい役を?」の声も温かい眼差しで見守る水谷豊
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 維新まで取り込む財務省の巧妙な「高市潰し」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 維新まで取り込む財務省の巧妙な「高市潰し」ほか
NEWSポストセブン