国内

山本太郎 東京の汚染度わからないため大阪に引っ越す計画

「実は近々、大阪に引っ越そうと思っているんですよ。国の発表は相変わらずはっきりしないし、東京の放射能による汚染度も、実際にはわかりませんからね」

 そう語る山本太郎(37才)の名はこの1年で日本中に知れ渡った。それも、本業の俳優としてではなく、脱原発活動家として。

 東日本大震災による福島第一原子力発電所事故から約1か月後の昨年4月9日、山本は食い入るように、ある人物が書いたツイートを見つめていた。

「ツイッターで、ソフトバンク社長の孫正義さんが“皆さんは、原発賛成? 反対?”とツイートしていたんです。内心、それを意思表示すること自体、芸能人としてはものすごく勇気がいることだと感じつつ、『反対!』と返信しました。そしたら、途端に涙があふれてきたんです。ようやく自分の気持ちを正直に表すことができたという嬉し涙です」

 それまで、原発事故のことがずっと気にかかって、眠れない日々が続いていた。放射能のことはもちろんだが、それ以上に「いうべきことをいわないのは、原発推進派と同じじゃないか」という考えが自分をいら立たせていた。このとき、「なにかが吹っ切れた」という山本は、自身のツイッター上でも脱原発を表明し、翌10日には都内で行われた原発撤廃デモに参加。その後も脱原発署名運動など精力的に活動を始めた。

「事務所には黙っていました。反対の声を上げたことで役者という仕事を失うかもしれない…覚悟のうえでしたが、それでもその時期をなるべく遅らせたかったんです」

 だが、現実は予想以上に早く訪れた。5月中旬、出演予定だったドラマの降板が決定すると、山本は「迷惑をかけたくない」と、所属事務所を去った。

「社長から“辞めてくれ”とはひと言もいわれませんでした。むしろ、“もう少し考えてみないか”と引き留めてくれさえしたんです。でも、それによって脱原発運動にブレーキをかけるという選択肢はなかった。まわりに迷惑をかけず、身軽に行動できるフリーの道を選びました」

 趣味のサーフィンをきっかけに、環境問題への関心を持つようになり、国際環境NGO「グリーンピース」を支援していたという山本。だが、原発の安全性については漠然とした不安は抱いていたものの、本格的に考えるようになったのは、3.11以降のことだという。

「恥ずかしい話ですけど、東北の発電所で作られた電力が東京に送られてきてるというのも、3.11以後に初めて知ったんです。東北の人にずっと危険な痛みを押しつけてきた結果、こんなひどい事態になっているんだと」

※女性セブン2012年3月22日号

関連記事

トピックス

維新はどう対応するのか(左から藤田文武・日本維新の会共同代表、吉村洋文・大阪府知事/時事通信フォト)
《政治責任の行方は》維新の遠藤敬・首相補佐官に秘書給与800万円還流疑惑 遠藤事務所は「適正に対応している」とするも維新は「自発的でないなら問題と言える」の見解
週刊ポスト
優勝パレードでは終始寄り添っていた真美子夫人と大谷翔平選手(キルステン・ワトソンさんのInstagramより)
《大谷翔平がWBC出場表明》真美子さん、佐々木朗希の妻にアドバイスか「東京ラウンドのタイミングで顔出ししてみたら?」 日本での“奥様会デビュー”計画
女性セブン
パーキンソン病であることを公表した美川憲一
《美川憲一が車イスから自ら降り立ち…》12月の復帰ステージは完売、「洞不全症候群」「パーキンソン病」で活動休止中も復帰コンサートに懸ける“特別な想い”【ファンは復帰を待望】 
NEWSポストセブン
遠藤敬・維新国対委員長に公金還流疑惑(時事通信フォト)
《自維連立のキーマンに重大疑惑》維新国対委員長の遠藤敬・首相補佐官に秘書給与800万円還流疑惑 元秘書の証言「振り込まれた給料の中から寄付する形だった」「いま考えるとどこかおかしい」
週刊ポスト
「交際関係とコーチ契約を解消する」と発表した都玲華(Getty Images)
女子ゴルフ・都玲華、30歳差コーチとの“禁断愛”に両親は複雑な思いか “さくらパパ”横峯良郎氏は「痛いほどわかる」「娘がこんなことになったらと考えると…」
週刊ポスト
話題を呼んだ「金ピカ辰己」(時事通信フォト)
《オファーが来ない…楽天・辰己涼介の厳しいFA戦線》他球団が二の足を踏む「球場外の立ち振る舞い」「海外志向」 YouTuber妻は献身サポート
NEWSポストセブン
高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)
《高市首相の”台湾有事発言”で続く緊張》中国なしでも日本はやっていける? 元家電メーカー技術者「中国製なしなんて無理」「そもそも日本人が日本製を追いつめた」
NEWSポストセブン
海外セレブも愛用するアスレジャースタイル(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
「誰もが持っているものだから恥ずかしいとか思いません」日本の学生にも普及する“カタチが丸わかり”なアスレジャー オフィスでは? マナー講師が注意喚起「職種やTPOに合わせて」
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「旧統一教会から返金され30歳から毎月13万円を受け取り」「SNSの『お金配ります』投稿に応募…」山上徹也被告の“経済状況のリアル”【安倍元首相・銃撃事件公判】
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《バリ島でへそ出しトップスで若者と密着》お騒がせ金髪美女インフルエンサー(26)が現地警察に拘束されていた【海外メディアが一斉に報じる】
NEWSポストセブン
大谷が語った「遠征に行きたくない」の真意とは
《真美子さんとのリラックス空間》大谷翔平が「遠征に行きたくない」と語る“自宅の心地よさ”…外食はほとんどせず、自宅で節目に味わっていた「和の味覚」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 維新の首相補佐官に「秘書給与ピンハネ」疑惑ほか
「週刊ポスト」本日発売! 維新の首相補佐官に「秘書給与ピンハネ」疑惑ほか
NEWSポストセブン