芸能

『ひょうきん族』を名物ディレクターと片岡鶴太郎が語り合う

 日常生活に“笑い”をもたらしてくれるバラエティー番組には、いつの時代も助けられ、“明日もがんばろう”という活力をもらっている人も多いだろう。そんなバラエティー番組を作り、出演し、研究してきた人たちだけが知る、汗と涙のバラエティー番組の歴史。タレントの片岡鶴太郎氏と、『笑っていいとも!』や『オレたちひょうきん族』を手がけたフジテレビジョンエグゼクティブプロデューサーの三宅恵介氏が、その思い出を振り返る。

三宅:ぼくがバラエティー番組の制作にかかわったのは『欽ちゃんのドンとやってみよう!』(1975年)からですが、大将(萩本欽一)には本当にお笑いのいろいろなノウハウを教わりました。

片岡:コント55号が出てくるまで、漫才ってマイクの前で立ってやるものという認識でしたよね。それを変えてしまったのが萩本さん。自由に動き回って、ときには舞台袖に入ってしまってカメラから見切れてしまう。その予測不可能なドタバタ加減がまた面白かったんですよね。

三宅:最初はカメラさんから撮りきれないってクレームが来たんですよ。それをプロデューサーが「萩本さんの好きにやっていい」と許可し、ライブ感ある笑いを引き出した。

片岡:それがアドリブ重視の『オレたちひょうきん族』(1981年)につながっていくわけですね。

三宅:初期のひょうきん族の2枚看板になったのが、『タケちゃんマン』と『ひょうきんベストテン』でした。実はぼくはタケちゃんマンのほうの演出をしていて、ベストテン担当は荻野繁ディレクター。この枠の中でまずヒットしたのが、鶴ちゃんのマッチ(近藤真彦)ですよね。

片岡:当時ちょうどたのきんトリオが破竹の勢いだったから「うちでもやろうよ」とマッチのモノマネをふられて、慌てて歌を覚えて。

三宅:演者さんにはリハーサルで段取りだけ覚えてもらい、仕掛けは本番1回だけというのがひょうきん族のスタイル。

片岡:そう。だから演じるぼくらも、いつも何が起きるのかわからなかったんですよ。

三宅:そういえば、マッチのニース(フランス)ロケのパロディーがあったじゃない。あれは秀逸でした。

片岡:収録日が1日しかなく、ベストテンのスタジオ本番が夜だったから、昼間はロケ。テロップでは“ニースから宇宙中継”になっていましたけど、実際は葉山(神奈川県)ですよ。

三宅:ファミレスの看板とか映ってましたよね(笑い)。

片岡:いかだの上から「マッチで~す!」ってやったはいいけど、あの日は波が荒くて強風で。どんどんいかだが沈んでいく。それでもモノマネしながら歌うしかない。最後にはいかだも流されてしまい、ぼくは本当に溺れてるのに、荻野ディレクターは「鶴ちゃん、おいしーなー」ってずっと遠目から撮ってる。見かねて漁船が助けに来てくれた(笑い)。

※女性セブン2013年6月6日号

関連記事

トピックス

二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
今回のドラマは篠原涼子にとっても正念場だという(時事通信フォト)
【代表作が10年近く出ていない】篠原涼子、新ドラマ『イップス』の現場は和気藹々でも心中は…評価次第では今後のオファーに影響も
週刊ポスト
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
韓国2泊3日プチ整形&エステ旅をレポート
【韓国2泊3日プチ整形&エステ旅】54才主婦が体験「たるみ、しわ、ほうれい線」肌トラブルは解消されたのか
女性セブン