芸能

草なぎ剛の「独身貴族」 秀逸ドラマのたったひとつ残念な点

 作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が今クールのなかでも「大収穫」と振り返る作品。でもひとつだけ残念な点があったようで。

 * * *
 草なぎ剛と北川景子主演のドラマ、『独身貴族』(フジテレビ系木曜日夜10時)。もはや12月19日の最終回を残すのみ。平均視聴率は2桁を維持し、ジワリジワリと尻上がりに。キムタクの『安堂ロイド』のまさかの下落傾向とは対照的。草なぎくんがキムタクを凌駕する結果になっています。

 それもそのはず、本当によくできている恋愛ドラマです。登場人物は、映画制作会社「キネマ・エトワール」社長の星野守。演じるのは草なぎ剛。彼は映画、食、靴とこだわりまくる、まさしく独身貴族。

 そして駆け出しの脚本家・春野ゆき役に北川景子。三角関係になるモテ男には、社長の弟・進を演じる伊藤英明が。

 「家柄や身分を超えた純愛」「三角関係」「サクセスストーリー」といった、実に古典的で、言ってみればわかりきった筋の寄せ集めなのに、乾いた心が潤される。まさしく「夢見る時間」。ロマン溢れる別世界へと、連れて行ってくれる。ああ、これぞドラマの神髄。

 おそらく、ドラマの監督や脚本家など制作陣の中に、映画&ドラマに対する「リスペクト」と「愛」が充満しているからでしょう。それは感心するほどに。

 ドラマのオープニングは毎回、名俳優や名監督の名言集から紐解かれていく。名映画のセリフ、名シーン、映画のサントラのメロディ。随所に仕込まれた映画へのオマージュ。それがとってもオシャレに仕上がっている。

 ドラマの筋はきっちり作った上で、映画に関する「引用」がさりげなくあちこちに配されているのです。

 例えば……主人公たちが好きな映画として話題にする『あじさい』。当然ながら、視聴者はソフィア・ローレン主演の名作『ひまわり』を連想します。いったん『ひまわり』について思い出すと、かつて見た時の感動が自動的に想起されて、それがこのドラマの上に切なく被さり、ますます見る側の感情は高まっていく、というわけなのです。

 細かな仕掛け&発見。「あっ、これは…」と発見してつい、嬉しくなってしまう。視聴者が、映画の知識や映画にまつわる想い出をたくさん持っていればいるほど、ドラマが何倍にも楽しめるという構造。その意味で、上等な「大人の娯楽」になっています。

関連記事

トピックス

全米野球記者協会ニューヨーク支部主催のアワードディナーに出席した大谷翔平と、妻・真美子さん(左/時事通信フォト、右/提供:soya0801_mlb)
《真美子さんが座る椅子の背もたれに腕を回し…》大谷翔平が信頼して妻を託す“日系通訳”の素性 “VIPルーム観戦にも同席”“距離が近い”
NEWSポストセブン
司法省がアンドリュー元王子の写真を公開した(写真/Getty Images)
《白シャツ女性に覆いかぶさるように…》エプスタイン・ファイルで新公開されたアンドリュー元王子とみられる人物の“近すぎる距離感の写真” 女性の体を触るカットも
NEWSポストセブン
(時事通信フォト)
【2・8総選挙「大阪1〜10区」の最新情勢】維新離党の前職が出た2区、維新前職vs自民元職vs野党候補の5区で「公明党票」はどう動くか
NEWSポストセブン
なぜ実の姉を自宅で監禁できたのか──
《“お前の足を切って渡すから足を出せ”50代姉を監禁・暴行》「インターホンを押しても出ない」「高級外車が2台」市川陽崇・奈美容疑者夫妻 “恐怖の二世帯住宅”への近隣証言
NEWSポストセブン
東京拘置所(時事通信フォト)
〈今年も一年、生きのびることができました〉前橋スナック銃乱射・小日向将人死刑囚が見せていた最後の姿「顔が腫れぼったく、精神も肉体もボロボロ」《死刑確定後16年で獄中死》
NEWSポストセブン
間違いだらけの議事録は「AIのせい」(写真提供/イメージマート)
《何でもAIに頼る人たち》会社員女性が告白「ケンカの後、彼から送られてきた”彼女の方が悪い”とAIが回答したスクショ」ほどなく破局
NEWSポストセブン
国際ジャーナリスト・落合信彦氏
国際ジャーナリスト・落合信彦氏が予見していた「アメリカが世界の警察官をやめる」「プーチン大統領暴走」の時代 世界の“悪夢”をここまで見通していた
NEWSポストセブン
高市早苗首相(時事通信フォト、2025年10月15日)
《頬がこけているようにも見える》高市早苗首相、働きぶりに心配の声「“休むのは甘え”のような感覚が拭えないのでは」【「働いて働いて」のルーツは元警察官の母親】 
NEWSポストセブン
ジェンダーレスモデルの井手上漠(23)
井手上漠(23)が港区・六本木のラウンジ店に出勤して「役作り」の現在…事務所が明かしたプロ意識と切り開く新境地
NEWSポストセブン
元日に結婚を発表した女優の長澤まさみ(時事通信フォト)
長澤まさみ「カナダ同伴」を決断させた「大親友女優」の存在…『SHOGUN』監督夫との新婚生活は“最高の環境”
NEWSポストセブン
国際ジャーナリスト・落合信彦氏
【訃報】国際ジャーナリスト・落合信彦氏が死去、84歳 独自の視点で国際政治・諜報の世界を活写 
NEWSポストセブン
薬物で急死した中国人インフルエンサー紅紅(左)と交際相手の林子晨容疑者(右)(インスタグラムより)
「口に靴下を詰め、カーテンで手を縛り付けて…」「意識不明の姿をハイ状態で撮影」中国人美女インフルエンサー(26)が薬物で急死、交際相手の男の“謎めいた行動”
NEWSポストセブン