この「重要指示」に基づき、同自治区の軍トップの彭勇・新疆軍区政治委員が更迭され、軍の引き締めが行なわれるとともに、同自治区では即日、警戒態勢を通常のレベル3からレベル1に上げて、軍や警察、武警が24時間態勢で巡視する措置がとられた。過去に警官隊との衝突などの騒乱に関わったウイグル族住民はすべて近況がチェックされ、警官による尋問がなされた。さらに、ウイグル族市民の携帯電話の盗聴が強化され、インターネット上でも少数民族の決起を促す書き込みはすべて消去されている。
自治区では11月17日まで2日間にわたって幹部会議が開催され、張氏は「各レベルの党組織は断固として社会の安定を確保せよ」と指示し、騒乱を武力で抑え込む方針を明らかにした。これは張氏が従来の経済重視政策を放棄したことを意味している。
厳戒態勢は同自治区にとどまらない。北京でも郭金龍・党委書記の指示で市内全域のウイグル族の携帯電話がチェックされ、24時間所在が確認される措置がとられた。さらに、郭声●(=王へんに昆)・公安相が11月4日夜、事件現場を抜き打ちで視察し、「テロ対策は厳しく複雑だ。死角や盲点を残さず、危険を最大限に取り除かなければならない」と強調。北京はテロに怯える街と化した。
※SAPIO2014年1月号