国際情報

中国温家宝・前首相 不正蓄財否定の書簡を出すも疑惑深まる

「私はいかなるときにも権力を濫用して不正を働いたことがない。いかなる利益も私の信念を揺るがすことができないからだ」──。妻や息子、娘ら親族の不正蓄財が報じられている中国の温家宝・前首相が最近、香港在住のジャーナリスト、呉康民氏に送った書簡の内容が公開された。書簡の形とはいえ、現役を引退した首相経験者が自らの身の潔白を訴えるのは、これまで例がない。

 それだけに、大きな話題を呼んでいるが、折悪しく国際的なジャーナリスト組織の調査によると、温氏の息子と義理の息子の名前がバージン諸島やサモアなどカリブ海のタックスヘイブン(租税回避地)に設立された企業や信託の顧客リストに掲載されていることが分かった。これが、不正蓄財疑惑という火に油を注ぐとなり、書簡の公表は逆効果になりそうだ。

 温家宝ファミリーの不正蓄財については2012年10月、米紙ニューヨーク・タイムズが報じており、その額は少なくとも約27億ドル(約2700億円)という莫大なもの。これについて、中国外務省は「事実無根で、悪意のある報道」などと反論し、温氏も自身に対する指導部の調査を要請するなど身の潔白を主張していた。

 ところが、同紙は昨年11月にも、温氏の娘の温如春氏(40)が北京で経営するコンサルタント会社が米大手投資銀行モルガン・スタンレーと顧問契約を結んでおり、年間90万ドル(約9000万円)の顧問料を得ていると報じている。

 これに対する温氏の反論が呉氏への書簡とも受け取ることができる。

関連記事

トピックス

65歳ストーカー女性からの被害状況を明かした中村敬斗(時事通信フォト)
《恐怖の粘着メッセージ》中村敬斗選手(25)へのつきまといで65歳の女が逮捕 容疑者がインスタ投稿していた「愛の言葉」 SNS時代の深刻なストーカー被害
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
「はい!お付き合いしています」水上恒司(26)が“秒速回答、背景にあった恋愛哲学「ごまかすのは相手に失礼」
NEWSポストセブン
三田寛子と能條愛未は同じアイドル出身(右は時事通信)
《梨園に誕生する元アイドルの嫁姑》三田寛子と能條愛未の関係はうまくいくか? 乃木坂46時代の経験も強み、義母に素直に甘えられるかがカギに
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる(クマの画像はサンプルです/2023年秋田県でクマに襲われ負傷した男性)
ヒグマが自動車事故と同等の力で夫の皮膚や体内組織を損傷…60代夫婦が「熊の通り道」で直面した“衝撃の恐怖体験”《2000年代に発生したクマ被害》
NEWSポストセブン
対談を行った歌人の俵万智さんと動物言語学者の鈴木俊貴さん
歌人・俵万智さんと「鳥の言葉がわかる」鈴木俊貴さんが送る令和の子どもたちへメッセージ「体験を言葉で振り返る時間こそが人間のいとなみ」【特別対談】
NEWSポストセブン
大谷翔平選手、妻・真美子さんの“デコピンコーデ”が話題に(Xより)
《大谷選手の隣で“控えめ”スマイル》真美子さん、MVP受賞の場で披露の“デコピン色ワンピ”は入手困難品…ブランドが回答「ブティックにも一般のお客様から問い合わせを頂いています」
NEWSポストセブン
佳子さまの“ショッキングピンク”のドレスが話題に(時事通信フォト)
《5万円超の“蛍光ピンク服”》佳子さまがお召しになった“推しブランド”…過去にもロイヤルブルーの “イロチ”ドレス、ブラジル訪問では「カメリアワンピース」が話題に
NEWSポストセブン
「横浜アンパンマンこどもミュージアム」でパパ同士のケンカが拡散された(目撃者提供)
《フル動画入手》アンパンマンショー“パパ同士のケンカ”のきっかけは戦慄の頭突き…目撃者が語る 施設側は「今後もスタッフ一丸となって対応」
NEWSポストセブン
大谷翔平を支え続けた真美子さん
《大谷翔平よりもスゴイ?》真美子さんの完璧“MVP妻”伝説「奥様会へのお土産は1万5000円のケーキ」「パレードでスポンサー企業のペットボトル」…“夫婦でCM共演”への期待も
週刊ポスト
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
【本人が語った「大事な存在」】水上恒司(26)、初ロマンスは“マギー似”の年上女性 直撃に「別に隠すようなことではないと思うので」と堂々宣言
NEWSポストセブン
劉勁松・中国外務省アジア局長(時事通信フォト)
「普段はそういったことはしない人」中国外交官の“両手ポケットイン”動画が拡散、日本側に「頭下げ」疑惑…中国側の“パフォーマンス”との見方も
NEWSポストセブン
佳子さまの「多幸感メイク」驚きの声(2025年11月9日、写真/JMPA)
《最旬の「多幸感メイク」に驚きの声》佳子さま、“ふわふわ清楚ワンピース”の装いでメイクの印象を一変させていた 美容関係者は「この“すっぴん風”はまさに今季のトレンド」と称賛
NEWSポストセブン