芸能

元フジアナの近藤サト 古都伝えるナレーションに最高級評価

 テレビの楽しみは、何も評判作の鑑賞ばかりではない。作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が最近“発見”した“密かな楽しみ”とは--。

 * * *
 史上初、外国人のヒロイン。大注目の中で始まったNHK朝ドラ「マッサン」。ヒロイン・エリーを演じるシャーロット。素直な人柄は透けて見えてきます。が、演技力はまだ未知数。これからどんなエリーを見せてくれるのか、楽しみです。一方、その夫・マッサン役、玉山鉄二の演技はすでにはじけています。勢い。バネ。躍動感。すっきりとした透明感もある。夫婦ともに「演じる」ことに向かう正直な姿勢、好感が持てます。

 そして、寿屋・サントリーがモデルとなった鴨居商店の社長・鴨居欣次郎役には、堤真一。マッサンと鴨居。広島弁と大阪弁、二人の丁々発止、かけあいのシーンは絶妙。匂いと味わい、リズム感。まずは安心してドラマの世界を楽しめそうです。

 と、順調に滑り出した朝ドラですが、開始直後、意外な点をめぐって視聴者から賛否の声があがりました。

 エリーの故郷、スコットランドでの回想シーン。エリーと家族とは当然ながら英語で会話。その画面が字幕ではなく、声優による吹き替えになっていた。そのエリーの吹き替えの声に、「不自然」「合わない」「違和感あり」といった指摘が視聴者から次々にあがったのです。

 NHKにしてみれば、忙しい朝の時間帯、画面を見ていられる視聴者ばかりではないと配慮した上での「吹き替え」だとか。しかし、たしかにエリーの声とは明らかに違う声がいきなり被さるというのも、何とも不自然な感じでした。

 その善し悪しはさておき、ドラマにおいて「声」というものがこれほど話題になる、ということが興味深い。

 NHK朝ドラといえばナレーションも視聴者の大きな関心事です。前作「花子とアン」では、美輪明宏のナレーションが賛否を呼びましたし、前々作「ごちそうさん」では、ぬか床の精・吉行和子のナレーションが話題になりました。

 ドラマの筋や役者ももちろん大切ですが、「声」の響きは人の感覚に影響を与えたり、さまざまな効果を発揮したり。「声」の響きから、意味以外のたくさんのことを視聴者は受け取っている、という証でしょう。

 そこで一つ、前々から気になっていたテレビの中の「声」について。ぜひとも紹介したい、「響き」があります。

 BSフジ「古寺名刹 こころの百景」(金曜日19時)。ちょっと地味な番組なので、あまり知られていないかもしれませんが、映像に重なっていくナレーションが、実に心地よいのです。

 落ち着きと深み。アルトの声がしっとりと響きわたる。余韻が残る。自己主張しすぎず、控えめながら、どこか聞き覚えのある耳に馴染む声。その声色が、私の記憶を揺さぶる。即座には思い浮かばない。その、一歩引いた感じがまたいい。一拍おいて、あっそうだ、この声は……と、思い出す。

関連記事

トピックス

元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
伊勢ヶ濱部屋に転籍した元白鵬の宮城野親方
元・白鵬の宮城野部屋を伊勢ヶ濱部屋が“吸収”で何が起きる? 二子山部屋の元おかみ・藤田紀子さんが語る「ちゃんこ」「力士が寝る場所」の意外な変化
NEWSポストセブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
女性セブン
今年の1月に50歳を迎えた高橋由美子
《高橋由美子が“抱えられて大泥酔”した歌舞伎町の夜》元正統派アイドルがしなだれ「はしご酒場放浪11時間」介抱する男
NEWSポストセブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
STAP細胞騒動から10年
【全文公開】STAP細胞騒動の小保方晴子さん、昨年ひそかに結婚していた お相手は同い年の「最大の理解者」
女性セブン
年商25億円の宮崎麗果さん。1台のパソコンからスタート。  きっかけはシングルマザーになって「この子達を食べさせなくちゃ」
年商25億円の宮崎麗果さん。1台のパソコンからスタート。 きっかけはシングルマザーになって「この子達を食べさせなくちゃ」
NEWSポストセブン
逮捕された十枝内容疑者
《青森県七戸町で死体遺棄》愛車は「赤いチェイサー」逮捕の運送会社代表、親戚で愛人関係にある女性らと元従業員を……近隣住民が感じた「殺意」
NEWSポストセブン