ビジネス

男性上司が女性社員に「妊活」を尋ねる手順 社労士がガイド

女性は出産・育児と仕事の両立に不安を抱えている

 2015年の仕事始めを前に、働く女性たちの中には憂鬱な気分になっている人もいるかもしれない。

 昨年は政府が成長戦略で掲げている「女性登用」の機運が高まり、女性管理職の割合を数値目標で明示する企業が相次いだ。しかし、一方で仕事と家庭の両立に悩む女性社員の内情が大きくクローズアップされ、マタハラ(マタニティハラスメント)の被害件数も増えた。

 では、男性上司は働く女性の“妊活”予定をどこまで聞くことができるのか。社会保険労務士の稲毛由佳氏が解説する。

 * * *
 昨年は女優の松たか子さん、弁護士の大渕愛子さんと、仕事がノリにのっている時期の「アラサー女子」のおめでた報道が相次ぎました。

 晩婚化に伴い、第一子を生む女性の平均年齢も上昇し、今や、30.4歳。責任ある仕事を任され、仕事が面白くなってきた時に、妊娠・出産を迎える女性が増えています。

 その一方で、女性が抱く女性管理職へのイメージは最悪です。

 主婦に特化した人材サービスを手がける「しゅふJOB」のアンケート調査によれば、管理職を「希望する」のは、わずか、2.7%。「希望しない」が44.9%で、約半数の女性が管理職になりたがらないのが現状です。

 理由は明白で、家庭と仕事の両立への不安です。先のアンケートでも、約7割の女性が、女性管理職に対して「家庭と仕事を両立しづらい」という回答を寄せているのです。

 法律では、出産をめぐり、一定期間の休みとお金が確保されています。まず、ママの「産休」です。

 出産予定日の6週間前から「産前休業」といって、会社に希望を出せば、必ず休みが取れます。出産日翌日から8週間は「産後休業」。産後6週間は、産後6週から8週までは、医師が働くことを許可しない限り、休みが取れます。

 子供が1歳になるまでは、希望者はママとパパ、いずれも「育休」が取れます。お金のほうは、産休中は「出産手当金」といって、健康保険から給料の約6割、育休中は最初の6か月間は67%、その後は50%のお金が雇用保険から支給されます。

 しかし、育休と産休が法律でしっかり守られていることが、かえって裏目になることも。

 会社は産休・育休を取らせなければ、罰せられるということがわかっています。下手なことを言えばSNS等に書き込まれて、世間の非難にさらされかねません。

 そのため、最近は、妊娠を告げたら、「退職を勧められた」、「役職を外された」、「正社員からパートに変更させられた」といったわかりやすいマタハラは減っていますが、

「課長への内示を受けるとき、『妊娠、大丈夫だよね』と、妊娠しないことを昇進の条件に付けられた」

「妊娠を報告したら、『君がいないと、困るんだよね』と、イヤミを言われた」

 など、暗に妊娠を禁じるマタハラへと、陰湿化する傾向があります。

関連キーワード

関連記事

トピックス

元交際相手の白井秀征容疑者(本人SNS)のストーカーに悩まされていた岡崎彩咲陽さん(親族提供)
《川崎・ストーカー殺人》「悔しくて寝られない夜が何度も…」岡崎彩咲陽さんの兄弟が被告の厳罰求める“追悼ライブ”に500人が集結、兄は「俺の自慢の妹だな!愛してる」と涙
NEWSポストセブン
グラドルから本格派女優を目指す西本ヒカル
【ニコラス・ケイジと共演も】「目標は二階堂ふみ、沢尻エリカ」グラドルから本格派女優を目指す西本ヒカルの「すべてをさらけ出す覚悟」
週刊ポスト
阪神・藤川球児監督と、ヘッドコーチに就任した和田豊・元監督(時事通信フォト)
阪神・藤川球児監督 和田豊・元監督が「18歳年上のヘッドコーチ」就任の思惑と不安 几帳面さ、忠実さに評価の声も「何かあった時に責任を取る身代わりでは」の指摘も
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さん(時事通信フォト)
《ハワイで白黒ペアルック》「大谷翔平さんですか?」に真美子さんは“余裕の対応”…ファンが投稿した「ファミリーの仲睦まじい姿」
NEWSポストセブン
赤穂市民病院が公式に「医療過誤」だと認めている手術は一件のみ(写真/イメージマート)
「階段に突き落とされた」「試験の邪魔をされた」 漫画『脳外科医 竹田くん』のモデルになった赤穂市民病院医療過誤騒動に関係した執刀医と上司の医師の間で繰り広げられた“泥沼告訴合戦”
NEWSポストセブン
被害を受けたジュフリー氏、エプスタイン元被告(時事通信フォト、司法省(DOJ)より)
《女性の体に「ロリータ」の書き込み…》10代少女ら被害に…アメリカ史上最も“闇深い”人身売買事件、新たな写真が公開「手首に何かを巻きつける」「不気味に笑う男」【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン
2025年はMLBのワールドシリーズで優勝。WBCでも優勝して、真の“世界一”を目指す(写真/AFLO)
《WBCで大谷翔平の二刀流の可能性は?》元祖WBC戦士・宮本慎也氏が展望「球数を制限しつつマウンドに立ってくれる」、連覇の可能性は50%
女性セブン
「名球会ONK座談会」の印象的なやりとりを振り返る
〈2025年追悼・長嶋茂雄さん 〉「ONK(王・長嶋・金田)座談会」を再録 日本中を明るく照らした“ミスターの言葉”、監督就任中も本音を隠さなかった「野球への熱い想い」
週刊ポスト
12月3日期間限定のスケートパークでオープニングセレモニーに登場した本田望結
《むっちりサンタ姿で登場》10キロ減量を報告した本田望結、ピッタリ衣装を着用した後にクリスマスディナーを“絶景レストラン”で堪能
NEWSポストセブン
訃報が報じられた、“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司さん(時事通信フォト)
笹生優花、原英莉花らを育てたジャンボ尾崎さんが語っていた“成長の鉄則” 「最終目的が大きいほどいいわけでもない」
NEWSポストセブン
日高氏が「未成年女性アイドルを深夜に自宅呼び出し」していたことがわかった
《本誌スクープで年内活動辞退》「未成年アイドルを深夜自宅呼び出し」SKY-HIは「猛省しております」と回答していた【各テレビ局も検証を求める声】
NEWSポストセブン
訃報が報じられた、“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司さん
亡くなったジャンボ尾崎さんが生前語っていた“人生最後に見たい景色” 「オレのことはもういいんだよ…」
NEWSポストセブン