それだけではない。実はイベント開始前、私も座っていた雑誌記者席を『~グッディ!』のカメラクルーが舐め回すように撮影していたのである。
あまりにも堂々と、真正面から撮影していたため、主催者側が記録用にカメラをまわしているのだろうと思っていた私。だが、それが『~グッディ!』のクルーだとわかり、思わず、注意をさせていただいた。「カメラをまわすときは、一言、言っていただきたい」ということと、「雑感を撮るようなまわし方ではなく、なぜ、定点のように撮っていたのですか?」と聞いたのだ。すると女性カメラマンは、「これだけ多くの人が来ている注目の会見だ、ということを撮りたかった」と。その後、私に電話をくれた現場ディレクターも同じことを言っていた。
が、それを知らずに談笑していたところをいきなり撮られて困っている記者さんたちもたくさん居たのだ。
果たして、私の抗議が効いたのか(苦笑)、オンエアでは記者席の後ろ側からの絵が使われていた。
萩原流行さんの奥さまの会見時のルール違反といい、今回のことといい、「『~グッディ!』の芸能デスクは何をしているの?」と某関係者に聞いたところ、なんと答えは「芸能デスクは居ない」だった。
芸能デスクとは、芸能プロダクションと向き合いながら、ワイドショーで扱う芸能ネタを取り仕切る役割をもち、各番組に最低でも1人。昔のように、芸能が花盛りだった頃には、一番組に2~3人、芸能デスクを置いていたこともある。
在京局のみならず、地方ローカル局のワイドショースタッフにも芸能デスク(らしきポジションの人)を置いているところもあるのに、キー局のフジテレビの番組に居ないというのは、にわかに信じられない。
フジテレビでは、ベテランの前田忠明氏が『とくダネ!』の芸能デスクとして出演もしていたし、『ノンストップ!』にも『めざましテレビ』にも芸能デスクはいらっしゃるハズだ。なのに『~グッディ!』にだけ居ないというのである。その背景には、「曜日を縦割りにして各制作会社が担当しているからのようです」と前出の某関係者から教えてもらった。
「それじゃあ、いつかきっと“事故”(放送事故)が起きるね」と私が言うと、「だからもう起きてるじゃないですか」と、その関係者は呆れ顔だった。
しかし、そんな『~グッディ!』のイケイケ体質を支持する声もあるのだ。「なんかいまって、『~グッディ!』だけが良くない…っていう話になってますけど、私に言わせれば、他局は何してるの? だらしなさ過ぎるんじゃない?」と力説していた某局のベテランワイドショースタッフもいる。
業界的には、そうしたイケイケな取材態度は流行っていないだけでなく、ライトな芸能情報を好む視聴者にもウケてはいないのだ。
私は番組の作り手でもあるので、スタッフがどれだけ大変な想いをして制作しているか、わかっているつもりだし、視聴率が低迷している…というだけで、その番組を批判したりするつもりももちろんない。
実際、『~グッディ!』では、たとえば高橋克実さんや三田友梨佳アナが、だんだんハマってきているし、倉田大誠アナは女性視聴者に人気。気象予報士の「ぐっちー」こと樋口康弘氏は人気者になりそうな予感もしている。
いまはとにかく、「どんなことをしてもいいから数字を獲りにいけ」ということなのだろうな、ということもわかるのだが…。
芸能の現場から見えてくる『~グッディ!』の状況と、それに対する他局の見解…。いい悪いは別として、久々に芸能の現場が盛り上がっていることだけは事実だ。