しかし女性皇族の「難問」は制度だけでは解決しない。元宮内庁職員で皇室ジャーナリストの山下晋司氏がいう。
「公務へのアドバイスとともに、紀子妃殿下は眞子・佳子両内親王殿下に『いずれは皇籍を離れる身だ』と教えてきたと思います。つまり前提が変わることになる。最も大変なのは愛子内親王殿下でしょう。
物心ついた時から女性天皇、女性宮家などの議論がされていて、将来ご自身がどういう道を歩んでいくのかが定まらない。皇太子殿下と雅子妃殿下もどういう教育をすべきか、悩まれているのではないでしょうか」
彬子女王は2012年1月、毎日新聞のインタビューで女性宮家問題について「お国の決定に任せるしかないと思っています」と語り、「前提が大きく変わるかもしれないというので、私自身、落ち着かない状態です」としながらも、「結婚後も公務をすることに抵抗はありません」と、揺れる胸の内を明かした。
若き女性皇族の活躍は、「フィーバー」だけでは済まない国民的課題を秘めている。
※週刊ポスト2015年6月19日号