ビジネス

産出国でもない日本がダイヤ輸出大国に 香港やインドに需要

 円が一時1ドル=125円をつけるなど「アベノ円安」時代になって、街の光景にも異変が起きている。東京などの大都市では、商店街に宝石や貴金属の「買い取り専門店」が増えている。

「日本人はバブル期にダイヤモンドを世界から買い集めた。しかし、今の日本は当時と違って女性が宝石を身につけてドレスアップするような機会はほとんどなく、タンスに眠っている。それを買い取って外国に輸出する。高齢者の自宅を回って“年金の足しになりますよ”と買い取っていく無店舗業者も多い。海外のバイヤーにすれば日本のダイヤには高品質のものが多いし、円安で割安感がある」(買い取り専門業者)

 ダイヤの輸出先は加工業者が多い香港やイスラエル、インドだ。そこで新しいデザインに研磨されて中国の富裕層などに販売される。

 1965年以降、日本国内には8700万カラット(17.4トン)のダイヤが輸入され、「ダイヤ保有大国」と呼ばれた。その富が今やどんどん国外に流出している。貿易統計に表われる数字だけでも、今年1~4月の日本のダイヤ輸出額は前年同期の約3倍、同じ理由で金の輸出額も前年同期の2.2倍に達している。

 産出国でもない日本が「輸出大国」となった理由は、日本人が宝石を“質入れ”して生活の足しにすることを迫られているからだ。

 海外の投資家からみれば、安倍政権の円安政策は政府が国民の富(資産)を勝手にバーゲンにかけているようなもので、それを喜んで買い叩いているのである。

※週刊ポスト2015年6月26日号

関連記事

トピックス

和紙で作られたイヤリングをお召しに(2025年9月14日、撮影/JMPA)
《スカートは9万9000円》佳子さま、セットアップをバラした見事な“着回しコーデ” 2日連続で2000円台の地元産イヤリングもお召しに 
NEWSポストセブン
『徹子の部屋』に月そ出演した藤井風(右・Xより)
《急接近》黒柳徹子が歌手・藤井風を招待した“行きつけ高級イタリアン”「40年交際したフランス人ピアニストとの共通点」
NEWSポストセブン
高校時代の青木被告(集合写真)
《長野立てこもり4人殺害事件初公判》「部屋に盗聴器が仕掛けられ、いつでも悪口が聞こえてくる……」被告が語っていた事件前の“妄想”と父親の“悔恨”
NEWSポストセブン
世界的アスリートを狙った強盗事件が相次いでいる(時事通信フォト)
《イチロー氏も自宅侵入被害、弓子夫人が危機一髪》妻の真美子さんを強盗から守りたい…「自宅で撮った写真」に見える大谷翔平の“徹底的な”SNS危機管理と自宅警備体制
NEWSポストセブン
鳥取県を訪問された佳子さま(2025年9月13日、撮影/JMPA)
佳子さま、鳥取県ご訪問でピンクコーデをご披露 2000円の「七宝焼イヤリング」からうかがえる“お気持ち”
NEWSポストセブン
長崎県へ訪問された天皇ご一家(2025年9月12日、撮影/JMPA)
《長崎ご訪問》雅子さまと愛子さまの“母娘リンクコーデ” パイピングジャケットやペールブルーのセットアップに共通点もおふたりが見せた着こなしの“違い”
NEWSポストセブン
永野芽郁のマネージャーが電撃退社していた
《坂口健太郎との熱愛過去》25歳の永野芽郁が男性の共演者を“お兄ちゃん”と呼んできたリアルな事情
NEWSポストセブン
ウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(23)がナイフで切りつけられて亡くなった(Instagramより)
《監視カメラが捉えた残忍な犯行》「刺された後、手で顔を覆い倒れた」戦火から逃れたウクライナ女性(23)米・無差別刺殺事件、トランプ大統領は「死刑以外の選択肢はない」
NEWSポストセブン
国民に笑いを届け続けた稀代のコント師・志村けんさん(共同通信)
《恋人との密会や空き巣被害も》「売物件」となった志村けんさんの3億円豪邸…高級時計や指輪、トロフィーは無造作に置かれていたのに「金庫にあった大切なモノ」
NEWSポストセブン
年下の新恋人ができたという女優の遠野なぎこ
《部屋のカーテンはそのまま》女優・遠野なぎこさん急死から2カ月、生前愛用していた携帯電話に連絡すると…「ポストに届き続ける郵便物」自宅マンションの現在
NEWSポストセブン
背中にびっしりとタトゥーが施された犬が中国で物議に(FB,REDより)
《犬の背中にびっしりと龍のタトゥー》中国で“タトゥー犬”が大炎上、飼い主は「麻酔なしで彫った」「こいつは痛みを感じないんだよ」と豪語
NEWSポストセブン
(インスタグラムより)
《“1日で100人と寝る”チャレンジで物議》イギリス人インフルエンサー女性(24)の両親が現地メディアで涙の激白「育て方を間違ったんじゃないか」
NEWSポストセブン