セールス的には一定の成功を収める一方で、今のところ、誰もが知るヒット曲がないのも事実。
「名前を売る目的は果たせたので、ヒット曲が欲しいのは確かだと思います。そのためにはもう一皮向ける必要があると思います。名前が売れたことがマイナスになることもあります。『どうせタレントなんでしょ』という声を黙らせるくらいのいい曲が必要です」(富澤さん)
DAIGOが有名になるほどミュージシャンとしてのハードルは上がっていくが、それを乗り越えるだけのポテンシャルは秘めていると言えそうだ。音楽関係者にはDAIGOの音楽性を評価する声が実は多く、L’Arc~en~Cielのhydeや氷室京介は、彼を無名時代から評価しているミュージシャンの一人だ。先に挙げたシングル『MARIA』は、氷室がDAIGOの才能にほれ込み、自らプロデュースを申し出たものだった。
YouTubeのBREAKERZ公式チャンネルのコメント欄には、日本語よりも英語の書き込みが目立つ。タレントとしてのDAIGOを知らない外国人たちのほうが、その音楽性に高い注目を寄せているということだろうか。
ただ、気になることがある。『24時間テレビ』で走る8月22日、23日は、BREAKERZとして約2年半振りとなる全国ツアーのまっただ中だ。タレントとしてもミュージシャンとしても大舞台が待っているが、体力的なことも含めて音楽活動への影響はないのだろうか。
「基本的にミュージシャンは普段から体を鍛えています。でないと、2時間も3時間もライブはできませんから。ただ、真夏のマラソンが過酷であることには変わりません。正直、『なんでDAIGOが走るの?』と疑問に思う人もいると思いますが、こうなったら、これをチャンスに変えてもらいたいですね。ヒット曲を生み出すためには、DAIGOが今思っているメッセージを、どれだけバンドに込められるかが鍵になると思います。たくさんの人がDAIGOが走る姿を見て応援することになるので、走りながら考えていたことを詞に乗せればヒット曲が生まれるかもしれません」(富澤さん)
誰よりも過酷な夏を乗り切ることができれば、ミュージシャンDAIGOとしても新たな一面を生み出すきっかけになるかもしれない。