映画でもそうですけど、先にバーッと派手に見せてどんどん先細っていく作品はおもろないですよね。僕は65歳までは生きられるかなと漠然と考えていて、嫁はんと添い遂げるつもりです。僕は人生後半で盛り上げようというシナリオを考えていて、ハナからサプライズは極力控えてきました。プロポーズはまあ、ちょっとは記念に残るようなことはしましたけど。後半にサプライズを持っていくほうが、死ぬ時に「結婚してよかった」と思ってもらえるじゃないですか。
長いこと添い遂げようと思ったら、人生前半のサプライズはいりません。しかも「サプライズしたらいい人だ」なんて判断するのは、それこそ相手のことを見てないと同じことです。物質的な欲望を他人と比較して、他人に自慢したい気持ちで「俺も俺も」「私も」とやられるのもイヤですね。
サプライズがあるから幸せだとか、ないから不幸せとかいうのはなんとなくあってもいいですけど、みんなが必死になる必要はない。そんな意見ももう少しあってもいいかなと思います。
30代、40代は働かなアカン時やから、サプライズを考える暇があったら、僕は子どもの教育や仕事のことを考えたい。年収2兆円とかよっぽど裕福やったら別でしょうけど。
そんな僕は55歳を超えてからサプライズする気マンマンです。55歳の時に夜景の見える高いホテルに連れていき、高いカバンをあげたりする。そんで65歳の時には、花火がパッと上がって嫁はんの名前が出るような……、そんなことをやっていこうかなあと(笑)。でも、そのときまで嫁はんが熟年離婚を考えてなければいいですけどね。
※SAPIO2015年11月号