芸能

『あさが来た』出演の辰巳琢郎「広岡浅子は最先端の女性」

 9月28日にスタートしたNHKの連続テレビ小説『あさが来た』は、幕末から大正にかけて起業家として活躍した広岡浅子をモデルとした作品だ。ヒロイン・今井あさ(波瑠)とその姉・はつ(宮崎あおい)の物語を中心に描かれている『あさが来た』で、大阪一の両替屋・山王寺屋の当主・眉山栄達を演じる辰巳琢郎(57才)に、見どころを聞いた。

──辰巳さんが演じる眉山栄達は、はつの義理の父親という役どころです。

辰巳:実は、歴史上に記録がまったく残っていない役なんですよ。だからこそ、自由に動けるよう部分もあって、とてもおもしろい役ですね。(栄達は)婿養子で奥さんの菊(萬田久子)に頭が上がらない。息子の惣兵衛(柄本佑)はどうしようもないし、嫁いできたはつは豪商の娘なんだけど、なかなか馴染めないところもあって…っていう家族の難しさなんかも描かれてます。

 ある意味、今回は時代劇であって、庶民ではなくハイクラスな人々の物語なんですよ。この点に面白さがあるような気がしますね。でも、時代劇でありながら、家族の問題のような現在に通じる部分も多くて、演じていてすごく面白いですね。

──辰巳さんが思う『あさが来た』の注目ポイントはどこですか?

辰巳:江戸末期から明治の物語は、普通大河ドラマで描かれるんですが、そこを朝ドラでやっているという点は面白いと思います。しかも、幕末というとどうしても志士の話が多くて、江戸と京都が中心になってくるんですが、『あさが来た』は大阪を舞台にした話なので、これまでにないものになっていると思います。ぼくも大阪の人間なので、大阪に注目が集まるというのも嬉しいですし、大阪人の機微みたいなものを知ってもらいたいですね。

 大阪って、幕末のころは日本一の商業都市で、大阪に皇居を移して都にしようという話もあったくらいなんですよね。でも、そこに政治まで持ってくると大きくなりすぎてしまう。幕府を抑えるという意味もあったのかもしれないけど、一極集中はやめようということで、東京が都となった。ただ、結局東京の一極集中になってしまった。なんとも不思議な歴史の流れがありますよね。

 江戸時代の商人は、本当に強かったんでしょうね。大阪の商人たちが大名にお金を貸して、それで大名たちは藩の運営をしていたわけだから。その大名たちにお金を貸していた両替商は、『あさが来た』の登場人物たちなんですけど、明治時代に入ってバタパタと潰れていってしまう…。今回のドラマに出演するにあたって、色々歴史も調べてるんですよ。

──時代背景も面白いですね。

辰巳:商人から見た歴史ですね。とても興味深いのが五代友厚さん(作中ではディーン・フジオカが演じる五代才助)。ドラマの中でもとてもいい役になっているんだけど、大阪の造幣局を作った人なんですよ。なぜ今大阪に造幣局があるかというと、それは五代友厚さんの力もあったっていうことで。大阪商工会議所には五代さんの銅像もあって、近々見に行ってこようと思います。

──主人公・あさのモデルとなった広岡浅子についてはどんな印象ですか?

関連記事

トピックス

ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
相撲協会の公式カレンダー
《大相撲「番付崩壊時代のカレンダー」はつらいよ》2025年は1月に引退の照ノ富士が4月まで連続登場の“困った事態”に 来年は大の里・豊昇龍の2横綱体制で安泰か 表紙や売り場の置き位置にも変化が
NEWSポストセブン
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン
俳優の仲代達矢さん
【追悼】仲代達矢さんが明かしていた“最大のライバル”の存在 「人の10倍努力」して演劇に人生を捧げた名優の肉声
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト
超音波スカルプケアデバイスの「ソノリプロ」。強気の「90日間返金保証」の秘密とは──
超音波スカルプケアデバイス「ソノリプロ」開発者が明かす強気の「90日間全額返金保証」をつけられる理由とは《頭皮の気になる部分をケア》
NEWSポストセブン
三田寛子(時事通信フォト)
「あの嫁は何なんだ」「坊っちゃんが可哀想」三田寛子が過ごした苦労続きの新婚時代…新妻・能條愛未を“全力サポート”する理由
NEWSポストセブン
大相撲九州場所
九州場所「17年連続15日皆勤」の溜席の博多美人はなぜ通い続けられるのか 身支度は大変だが「江戸時代にタイムトリップしているような気持ちになれる」と語る
NEWSポストセブン
初代優勝者がつくったカクテル『鳳鳴(ほうめい)』。SUNTORY WORLD WHISKY「碧Ao」(右)をベースに日本の春を象徴する桜を使用したリキュール「KANADE〈奏〉桜」などが使われている
《“バーテンダーNo.1”が決まる》『サントリー ザ・バーテンダーアワード2025』に込められた未来へ続く「洋酒文化伝承」にかける思い
NEWSポストセブン