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木佐貫洋 同郷のライバル杉内俊哉に投げ勝った白星が思い出

 プロ野球選手の引退が発表されると、その選手の記憶に残る「名プレー」の数々が思い出される。今年、北海道日本ハムファイターズを引退した木佐貫洋投手(35)にとって忘れられないプレーは、同級生との試合だった。引退を決めたときも、同級生たちの顔が思い浮かんだ。

「アイツよりも先に辞めるのか……」

 木佐貫は昨季はわずか5試合の登板(1勝3敗)にとどまり、今季の一軍登板は引退表明後の試合(9月30日)で1イニング投げただけだった。戦力外通告を受け、同級生よりも先に辞める無念を感じたという。

 木佐貫は“松坂世代”の1人。その黄金世代も30代後半に突入し、引退する選手が増えている。

「亜細亜大学で一緒にプレーし、プロ入り後に新人王を争った広島の永川(勝浩)よりも先に辞めることには正直、悔しさを覚えました」(木佐貫、以下「」内同)

 巨人に同期入団し、今シーズン途中から日ハムで同僚となった矢野謙次に、戦力外通告を受けたことをいち早く相談していた。

「謙次とは家も近く、二軍の練習場まで彼の車に乗せてもらうこともあったんです。その道中に、“引退することに決めたよ”と伝えました。彼はこちらを見ずにハンドルを握ったまま“そうか……辞めちゃうんだなァ”と呟いていました。薄々気づいていたんでしょうね。この時の彼の寂しそうな横顔ったらなかった」

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