芸能

藤竜也 仕事は女の子と同じで飽きちゃったらツラいだけだよ

 かつては渋い二枚目役を演じることが多かった俳優の藤竜也だが、最近ではそれまでのイメージに当てはまらない役柄を演じる機会が増えている。四十代後半から変わった自分の演技について藤が語った言葉を、映画史・時代劇研究家の春日太一氏の週刊ポスト連載『役者は言葉でできている』からお届けする。

 * * *
 藤竜也は2015年、北野武監督の映画『龍三と七人の子分たち』に主演、時代遅れの老ヤクザ役に扮している。

「話が来て、ラッキーと思ったよ。『彼から仕事をもらったよ。嘘だろう』みたいな感じ。現場では監督から直接何かを言われることはなくて、助監督がメッセンジャーで来て簡単な指示をするだけでした。『もう少しテンポを早く』というのが多かったかな。共演者はみんな、長年やっている俳優ばかりだから、簡単なことを言われるだけで分かるんですよ。それだけで、自然とその方向に動き出せる。

 それでも北野組が持つ緊張感はあった。お茶を飲みながら世間話するような感じではなくて、監督の指示を吟味して次のシーンに挑んでいくという。ですから、いい感じの現場でした。自分としては、いつもと同じで演じる役のキャラクターデザインをするだけです。漫才の掛け合い的なところは演じ方がよく分からないから、そこは北野監督にお任せしました。

 ヤクザ役は長年やってきたから、切り口はだいたい分かるんですよ。こちらとしては喜劇かどうかは関係なく、真摯にこの役に向き合い、シリアスに老ヤクザを演じました。たしかに今回はコメディでしたが、本人がキチンと演じていればそれでオッケーで、あとは北野監督が編集段階でいろんなことをしてコメディにしてくれますから」

 近年の藤竜也は『龍三』の他にもNHK時代劇『かぶき者 慶次』や二時間ドラマ『縁側刑事』(TBS)などで、これまでのダンディなイメージとは異なる老境の役を演じている。

関連記事

トピックス

元交際相手の白井秀征容疑者(本人SNS)のストーカーに悩まされていた岡崎彩咲陽さん(親族提供)
《川崎・ストーカー殺人》「悔しくて寝られない夜が何度も…」岡崎彩咲陽さんの兄弟が被告の厳罰求める“追悼ライブ”に500人が集結、兄は「俺の自慢の妹だな!愛してる」と涙
NEWSポストセブン
グラドルから本格派女優を目指す西本ヒカル
【ニコラス・ケイジと共演も】「目標は二階堂ふみ、沢尻エリカ」グラドルから本格派女優を目指す西本ヒカルの「すべてをさらけ出す覚悟」
週刊ポスト
阪神・藤川球児監督と、ヘッドコーチに就任した和田豊・元監督(時事通信フォト)
阪神・藤川球児監督 和田豊・元監督が「18歳年上のヘッドコーチ」就任の思惑と不安 几帳面さ、忠実さに評価の声も「何かあった時に責任を取る身代わりでは」の指摘も
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さん(時事通信フォト)
《ハワイで白黒ペアルック》「大谷翔平さんですか?」に真美子さんは“余裕の対応”…ファンが投稿した「ファミリーの仲睦まじい姿」
NEWSポストセブン
赤穂市民病院が公式に「医療過誤」だと認めている手術は一件のみ(写真/イメージマート)
「階段に突き落とされた」「試験の邪魔をされた」 漫画『脳外科医 竹田くん』のモデルになった赤穂市民病院医療過誤騒動に関係した執刀医と上司の医師の間で繰り広げられた“泥沼告訴合戦”
NEWSポストセブン
被害を受けたジュフリー氏、エプスタイン元被告(時事通信フォト、司法省(DOJ)より)
《女性の体に「ロリータ」の書き込み…》10代少女ら被害に…アメリカ史上最も“闇深い”人身売買事件、新たな写真が公開「手首に何かを巻きつける」「不気味に笑う男」【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン
2025年はMLBのワールドシリーズで優勝。WBCでも優勝して、真の“世界一”を目指す(写真/AFLO)
《WBCで大谷翔平の二刀流の可能性は?》元祖WBC戦士・宮本慎也氏が展望「球数を制限しつつマウンドに立ってくれる」、連覇の可能性は50%
女性セブン
「名球会ONK座談会」の印象的なやりとりを振り返る
〈2025年追悼・長嶋茂雄さん 〉「ONK(王・長嶋・金田)座談会」を再録 日本中を明るく照らした“ミスターの言葉”、監督就任中も本音を隠さなかった「野球への熱い想い」
週刊ポスト
12月3日期間限定のスケートパークでオープニングセレモニーに登場した本田望結
《むっちりサンタ姿で登場》10キロ減量を報告した本田望結、ピッタリ衣装を着用した後にクリスマスディナーを“絶景レストラン”で堪能
NEWSポストセブン
訃報が報じられた、“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司さん(時事通信フォト)
笹生優花、原英莉花らを育てたジャンボ尾崎さんが語っていた“成長の鉄則” 「最終目的が大きいほどいいわけでもない」
NEWSポストセブン
日高氏が「未成年女性アイドルを深夜に自宅呼び出し」していたことがわかった
《本誌スクープで年内活動辞退》「未成年アイドルを深夜自宅呼び出し」SKY-HIは「猛省しております」と回答していた【各テレビ局も検証を求める声】
NEWSポストセブン
訃報が報じられた、“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司さん
亡くなったジャンボ尾崎さんが生前語っていた“人生最後に見たい景色” 「オレのことはもういいんだよ…」
NEWSポストセブン