◆「ママが余計なことをしてくれた」
東大合格者を毎年コンスタントに30人近く輩出し、早慶上智の合格者は計300人以上という年がザラにある女子学院。学校側もこの進学実績を最大のアピールポイントとしており、毎年定員の3倍という受験生を集めている。
「新スタジオの建設は、この“勤勉で清廉な環境”を根底から揺るがしかねない暴挙なのです。生徒を惑わす要因は極力排除しなければいけません」(前出・反対派の母親)
11月26日の朝日新聞東京版には、女子学院の事務長の言葉が掲載された。
《スタジオの楽屋裏の役割が周辺地域に押しつけられてしまう。風紀の乱れが心配です》
《教育環境に配慮してもらいたい》
女子学院の抗議ついて日テレに見解を聞くと、こんな回答だった。
「新築工事につきましては東京都の審査会を経て、総合設計に関する許可をいただきました。女子学院様とは現在も話し合いを進めさせていただいております」(広報部)
現在、日テレは「学校側には窓を作らない」など配慮を示しているが、双方の距離が縮まる気配はない。一方で、この騒動を冷めた目で見ている人間もいる。他ならぬ女子学院の在校生たちだ。本誌が中学校の生徒を取材すると、こんな声が聞こえてきた。
「私たちが在校中に完成してほしい。早く嵐のみんなに会いたいです!」
「“ナマ手越”が見られたらテンション上がるでしょ。絶対見に行きます!」
「ぶっちゃけ、生徒はみんなスタジオ建設に賛成ですよ。ママたち、本当に余計なことしてくれちゃって」
愛娘の教育環境のために闘う母に対して、当事者たちのこの反応──。母子の価値観の壮大なギャップに苦笑いするのは、女子学院のOBでコラムニストの辛酸なめ子さんだ。
「当時から、在学中はテレビや雑誌に出てはいけないとか、登校したら昼は外に出てはいけないとか、お堅い部分はありました。でも、子供は窮屈にされるほど逆に興味を持ってしまうものです。スタジオ建築の反対もまた同じ。
男子校も近くになく勉強に集中できる環境なので、スタジオの存在で気が散らないか心配するのもわかりますが、アイドルはガードが固いから出入りもわからないと思いますよ。女子学院に入るような子はあの難関を突破したわけですから、真面目でストイックな強さが必ずある。隣のスタジオくらいじゃ成績は変わりませんから大丈夫です」
※女性セブン2015年12月17日号