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ヤクザやいじめなど日本的な要素取り入れたアンの物語

【マンガ紹介】『アンのマゴマゴ図書之国(3)』樋口橘/白泉社/463円

 1908年に発表され、今も世界中で愛されている小説『赤毛のアン』。シリーズの中でもアンと幼なじみ・ギルバートのじれったい関係を背景にした最初の3冊は特に読みごたえがあって私も大好き。

 アンのキャラクターやギルバートとの恋は、名作『キャンディ キャンディ』などをはじめ少女マンガにも少なからず影響を与えてきました。

 そんな王道『赤毛のアン』の世界観を取り入れた最新少女マンガが樋口橘『アンのマゴマゴ図書之国』です。本作ではアンのストーリーを、ヤクザや宗教団体、いじめや複雑な家庭問題を描く現代日本の話とマッシュアップ! 刺激的なファンタジーとなっています。

 ヤクザの娘・アンは思い込みが激しい、ちょっと残念な女の子。彼女の住む町は謎の新興宗教マゴ教に巣くわれつつあります。ある日、マゴ教の神様に「図書之国」という異世界に入れられてしまったアン。

 与えられた課題図書『赤毛のアン』のストーリーを自分が主人公になってちゃんと完結させないと、このおかしな世界から出られない!?

 図書之国では現実世界のアンの周囲の人々が『赤毛のアン』のキャラとして登場します。思わぬキャスティングにのけぞったりもしながら(親友・ダイアナ役にぜひご注目ください)、気になるのは素敵なギルバート役の人物とのあいだに本当に恋が生まれるのかどうか。

 3巻からはいよいよ『赤毛のアン』と重なる物語が走り出して、「石板事件」や「恋人たちの小道」などファンにはたまらない引用もたっぷり。物語内物語という複雑な設定によって、臨場感あふれる新しいアンの世界に誘われます。

(文/横井周子)

※女性セブン2016年3月3日号

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