だが貴乃花陣営も負けてはいない。貴乃花派の親方に近い後援会関係者の話。
「7対3、うまくいけば8対2で勝てる。すでに出羽海一門の3理事は貴乃花支援に回ったと聞いた。大きいのは、二所ノ関親方(元大関・若嶋津)が貴乃花側に来るという話だ。
2010年、二所ノ関(当時は松ヶ根)部屋が過去20年にわたって大阪場所で使っていた宿舎が暴力団関係のビルであることが問題になった。折悪く協会が賭博問題で揺れていた時期で、部屋の廃業まで取り沙汰されたが、これを守ったのが故・北の湖理事長。そのときの裏資料が貴乃花支持勢力の手にあり、いざとなったら蒸し返す構えのようだ」
まだある。
「時津風一門も軍門に降った。鏡山親方(元関脇・多賀竜)の親族は協会職員として在籍しているが、実はこの就職に便宜を図った人物が、熱心な貴乃花支持として知られている。人質にとられているようなもので、鏡山親方は貴乃花派につくしかない」(同前)
目には目を、醜聞には醜聞を。角界はしばらく土俵外の戦いで熱くなりそうだ。
※週刊ポスト2016年3月11日号