芸能

高視聴率ドラマは女性による作品が多い 女性P座談会実施

少女漫画原作のドラマ『お迎えデス。』

 かつては、ちゃぶ台を囲み、家族全員で見るものだったテレビドラマ。それが1990年代から女性がメーンの視聴者となり、女性のためのドラマが作られ始めた。そして、若者のテレビ離れもいわれる現在、誰のためのどんなドラマがヒットするのか。その答えの鍵は女性プロデューサーにあった。

 ドラマのプロデューサーの仕事は、企画立案、キャスティング、予算管理など多岐にわたる。ドラマ作りの要となる重要なポジションだ。

 30代独身会社員が双子の子供と暮らすホームドラマ『マルモのおきて』(フジテレビ系)や、孤高の天才女医を主人公にした『ドクターX ~外科医・大門未知子~』(テレビ朝日系)など、ここ数年、高視聴率かつ続編も制作されるドラマは、女性プロデューサーが手掛けた作品が多い。

 春ドラでも注目作には、女性プロデューサーがずらり。なかでも日本テレビは、3作品すべてが女性プロデューサーだ。少し長くなるが、3人のプロフィールを紹介したい。

 嵐・大野智(35才)が『あさが来た』の波瑠(24才)をヒロインに迎えるラブコメディー『世界一難しい恋』のプロデューサーは、櫨山(はぜやま)裕子さん(55才)。1983年に入社し、トレンディードラマ隆盛の1990年代前半にドラマ部門に異動。女性プロデューサーのパイオニアとして、『金田一少年の事件簿』(1995年)や『ホタルノヒカリ』(2007年)など数多くのヒット作品を手掛けてきた。現在、高校生の子供を持つ母でもある。

 宮藤官九郎オリジナル脚本『ゆとりですがなにか』のプロデューサー・枝見洋子さん(30才)は、そんな櫨山さんのドラマ『ぼくらの勇気 未満都市』(1997年)を学生時代に見て、この業界を志望した。今回のドラマのテーマである「ゆとり世代」は、自身の2学年下にあたる。

 少女漫画原作の『お迎えデス。』は、高明希さん(31才)がプロデューサーを務める。2年前に結婚して、その直後に作ったドラマが『結婚に一番近くて遠い女』。女性ウエディングプランナーを主人公に「幸せとは何か?」「愛とは何か?」を描いた。

 担当する春ドラマの見どころとともに話を聞いた。

櫨山:『きょうは会社休みます。』(2014年)で、脚本家の金子茂樹さんに恋愛弱者の女性を描いてもらったんです。今度は、その男性バージョンを描いてもらいたかった。そして、主人公は、30~40代の独身男性にしたかった。金子さん自身も最近までその1人でした。

 以前は日常生活の不便を引き受けてもらうために結婚する男性が少なからずいました。でも、今は、便利な世の中になったから、結婚しなくてもよくなってしまった。「結婚」や「パートナー」の意味が大変化しました。だから、そんな彼らの人間性を掘り下げたいなと思ったんです。

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