芸能

朝ドラでの演技光る川栄李奈 「いい意味で地味」との評

女優としての評価を高めている川栄李奈

 NHKの朝ドラ『とと姉ちゃん』で女優・川栄李奈(21)の出演シーンが増えてきた。第5週(5月2日~)はまさに川栄ウイーク。川栄演じる仕出し屋「森田屋」の娘・富江は、破いてしまった制服を隠す事件を起こしたり、解決後に主人公の常子(高畑充希)と制服を着て街に繰り出したりと、大忙しだった。富江はおとなしい性格のためセリフは多くないが、川栄は少女の微妙な心情の変化をうまく表現しており、朝ドラファンにも好意的に受け入れられているようだ。

 昨年8月にAKB48を卒業した川栄は、バラエティーではおバカキャラなところを見せていたが、女優としては監督や共演者から高い評価を受けている。卒業の翌月に公演された初主演舞台『AZUMI 幕末編』では、迫力の殺陣シーンを披露。構成・演出を務めた岡村俊一氏から「今の演劇界では1位を獲れると思う」と絶賛されるなど、その非凡ぶりは芸能ニュースでもたびたび取り上げられていた。

 テレビウォッチャーでもある漫画家のカトリーヌあやこさんも、女優としての川栄に早くから注目していた一人だ。

「私が初めて、『この子、演技が上手だなあ」と思ったのは、『セーラーゾンビ』(2014年、テレビ東京系)というドラマを観た時でした。その時から注目するようになって、『ごめんね青春!』(2014年、TBS系)でもまた驚かされました。第1話でキレるシーンがあるのですが、針が振りきれる瞬間というのをとても見事に演じていたのです。

『ごめんね青春!』は宮藤官九郎さんが脚本を書いている舞台的なドラマ。そういうドラマでは、やりすぎるとコントみたいになるし、中途半端だと何をやっているのかわからなくなる。振り幅がはっきりわかっていないと演じきれない難しさがあるものですが、彼女はその絶妙なさじ加減をわかっている。女優としての勘がいいのかもしれません」(カトリーヌあやこさん・以下「」内同)

 AKB48を卒業して女優業に力を入れようとする元メンバーは少なくないが、もしかすると、川栄は他の誰よりも女優向きなのかもしれない。他の「元AKB女優」たちとはどう違うのか。

「元AKBといっても、川栄さんは中心メンバーではなかったので、“AKB感”が薄く感じられます。センターで活躍していた前田敦子さんや大島優子さんは、ドラマや映画に出た時にどうしてもAKB時代の顔が見えてしまいますが、川栄さんはそういったことがありません。

 決して目立つわけではないけれど、いい意味で地味さがある。だからどんなドラマに出ても、ナチュラルに馴染めるのではないでしょうか。『とと姉ちゃん』では割烹着がとてもよく似合っていて雰囲気がありますし、現在放送中のもう一本のドラマ『早子先生、結婚するって本当ですか?』(フジテレビ系)でも主演の松下奈緒さんの妹役が見事にはまっています。こちらはしっかり者の既婚者役で、『とと姉ちゃん』の富江とはまた違いますが、設定が変わっても彼女のナチュラルさはしっかり保たれています」

 AKB48時代は握手会で暴漢に襲われるという大きな不運があった。また、NHKの朝ドラのオーディションには過去に2、3回落ちていたといい、見かけによらず苦労人である。『とと姉ちゃん』でようやく回ってきたチャンスを、活かすことはできるか。

「アイドル時代よりも、女優に専念している今のほうが輝いているかのようです。もう一つの顔を持っていたということでしょう。NHKの朝ドラは脇役で『いいな』と思われると、その後も使われやすい傾向があります。高畑充希さんや土屋太鳳さんのように、脇役から主役に抜擢されることもある。朝ドラから朝ドラを渡り歩いて、コツコツと演技を磨いてほしいですね」

「元AKB」の肩書きも、そろそろ不要かもしれない。

関連記事

トピックス

田中圭
《田中圭が永野芽郁を招き入れた“別宅”》奥さんや子どもに迷惑かけられない…深酒後は元タレント妻に配慮して自宅回避の“家庭事情”
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告(中央)
《父・修被告よりわずかに軽い判決》母・浩子被告が浮かべていた“アルカイックスマイル”…札幌地裁は「執行猶予が妥当」【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
ラッパーとして活動する時期も(YouTubeより。現在は削除済み)
《川崎ストーカー死体遺棄事件》警察の対応に高まる批判 Googleマップに「臨港クズ警察署」、署の前で抗議の声があがり、機動隊が待機する事態に
NEWSポストセブン
ニセコアンヌプリは世界的なスキー場のある山としても知られている(時事通信フォト)
《じわじわ広がる中国バブル崩壊》建設費用踏み倒し、訪日観光客大量キャンセルに「泣くしかない」人たち「日本の話なんかどうでもいいと言われて唖然とした」
NEWSポストセブン
北海道札幌市にある建設会社「花井組」SNSでは社長が従業員に暴力を振るう動画が拡散されている(HPより、現在は削除済み)
《暴力動画拡散の花井組》 上半身裸で入れ墨を見せつけ、アウトロー漫画のLINEスタンプ…元従業員が明かした「ヤクザに強烈な憧れがある」 加害社長の素顔
NEWSポストセブン
筑波大学の入学式に出席された悠仁さま(撮影/JMPA)
悠仁さま入学から1か月、筑波大学で起こった変化 「棟に入るには学生証の提示」、出入りする関係業者にも「名札の装着、華美な服装は避けるよう指示」との証言
週刊ポスト
藤井聡太名人(時事通信フォト)
藤井聡太七冠が名人戦第2局で「AI評価値99%」から詰み筋ではない“守りの一手”を指した理由とは
NEWSポストセブン
趣里と父親である水谷豊
《趣里が結婚発表へ》父の水谷豊は“一切干渉しない”スタンス、愛情溢れる娘と設立した「新会社」の存在
NEWSポストセブン
米利休氏のTikTok「保証年収15万円」
東大卒でも〈年収15万円〉…廃業寸前ギリギリ米農家のリアルとは《寄せられた「月収ではなくて?」「もっとマシなウソをつけ」の声に反論》
NEWSポストセブン
SNS上で「ドバイ案件」が大騒動になっている(時事通信フォト)
《ドバイ“ヤギ案件”騒動の背景》美女や関係者が証言する「砂漠のテントで女性10人と性的パーティー」「5万米ドルで歯を抜かれたり、殴られたり」
NEWSポストセブン
“赤西軍団”と呼ばれる同年代グループ(2024年10月撮影)
《赤西仁と広瀬アリスの交際》2人を結びつけた“軍団”の結束「飲み友の山田孝之、松本潤が共通の知人」出会って3か月でペアリングの意気投合ぶり
NEWSポストセブン
田村容疑者のSNSのカバー画像
《目玉が入ったビンへの言葉がカギに》田村瑠奈の母・浩子被告、眼球見せられ「すごいね。」に有罪判決、裁判長が諭した“母親としての在り方”【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン