バツイチのUさん(69)も相手女性の“豹変”を味わった。
彼が都内の一等地で30坪の一軒家在住なのを知ると、婚活イベントで出会った3つ下の女性が食いついてきた。「シングルマザーで苦労してきて、『庭付き一戸建てに住むのが夢だった』って言うんだよね」。決して美人ではないが、Uさんを気遣う優しい言葉や素振りは欠かさず、ベッドではことさらサービスに努めた。
ところが、自宅は姪っ子へ相続予定で事実婚希望、婚姻の意思が無いのを知ると、態度が一変。あくまでも法的に“妻”となって遺産相続人となるか、生命保険を始め、株等を含めた財産分与を記した遺言状を作成しなければ別れると切り出されたのだ。
「仕方なく、彼女の望み通りに遺言状を書いたんだけど……」
夜中、ゴソゴソと秘密裏に金目のもの目当てに家捜しする女性の姿を目撃して興醒め。すぐさま「新しい日付のものが有効になるから」と、再び新しく遺言状を作成した。が、これが見付かって相手は激怒。女は時価350万円相当の純金の仏像を持ち逃げして姿を消したという。
●しんごう・ゆき/1967年、北海道生まれ。『週刊文春』記者を経てフリーに。著書に『老人たちの裏社会』(宝島社)など
※週刊ポスト2016年5月20日号