「『素直になれなくて』は登場人物がツイッターを通して出会ったり、毎回ツイッターを軸に物語が動くのですが、mixiには『“素直になれなくて”を見てツイッターを始めた人コミュニティー』ができるくらい、ここからツイッターを始める人が一気に増えたのです。そうしてツイッターは大衆化することで、いい面も悪い面も含め、いろいろな使い方をされるようになりました」
いい面の顕著な例が2011年3月の東日本大震災だろう。電話回線がつながらないなか、ネット回線の“ツイッターならつながる”と注目を集め、何がどのくらい不足している、自分はどこに避難している、○○を捜してください…など、被災者と支援者がつながる貴重なライフラインツールとして活躍した。
だからこそ、今年4月の熊本地震でも同様に期待した人は多かったのだが、悪い面が脚光を浴びることとなった。紗栄子(29才)は、熊本県知事宛に500万2000円の寄付をしたことを振り込み明細とともにSNSにアップ。「好感度を上げたいのか」などと批判された。
藤原紀香(44才)は《火の国の神様、どうかもうやめてください》と綴って炎上。長澤まさみ(28才)は、女優のりょう(43才)らと一緒に撮った笑顔の写真をただインスタグラムに投稿しただけなのに「不謹慎だ」と指弾された。
「今回の震災で注目されたのは、芸能人など知名度のある人たちのSNSをチェックしては、その言動を不謹慎だとあげつらう“不謹慎狩り”という炎上騒ぎです。その批判は往々にして重箱の隅をつつくようなどうでもいいことだったり、理不尽なものだったりなのですが、言われた芸能人は過敏に反応して該当部分を削除したり、謝罪したりする人が続出したんです。
でも果たして、その批判した人間は、彼らに強い敵意を持っていたかというと、疑問が残ります。何気なく発した不寛容なつぶやきだったと思うんです」(中川さん)
昨今の炎上騒動を振り返ると、ツイッターがいかにその火に油を注ぎ、燎原の火のごとく、騒ぎが大きくなっていったかがわかる。
※女性セブン2016年5月26日号