一方で、1日1食の危険性を指摘する声があるのも事実だ。管理栄養士の星屋英治氏がいう。
「成人男性に必要な1日のエネルギー量は2300~2600キロカロリーですが、それを一度に摂取するのは難しい。3分の1ずつに分け、『1日3食』の形で摂るのが理想的です。きちんと栄養バランスの取れた1日1食を実践できる人はいいかもしれませんが、ほとんどの人には難しい。その結果、栄養失調に陥り、体力・免疫力不足になってしまう危険性があります」
テレビ番組『主治医が見つかる診療所』(テレビ東京系)でもお馴染みの、秋津医院院長・秋津壽男氏も同意見だ。
「1日1食を続けていれば痩せることは痩せますが、それ以上に健康を害する可能性が高くなる。また、どうしても1回の食事量が増えるので、胃や腸への負担が大きくなり、消化吸収不良などが心配されるほか、逆流性食道炎や食道がんなどの発症率を高める恐れもあると考えられます」
賛否両論ある1日1食生活。自分に向いているかどうかは、栄養やカロリーなど健康面だけでなく、「3食コンスタントに食べたい」か「1食を贅沢に楽しみたい」かという、価値観の違いも影響しそうである。
※週刊ポスト2016年6月17日号