〈上杉氏は、「わがラディカル、環境革命」と題した資料を提示した。1998年に鳩山氏が行なった講演の抄録である〉
雑木林や草原といった自然を潰してしまうような開発は悪だ、東京は、成熟した都市になるために、ゼロ成長、場合によってはマイナス成長を目指すことも考えるべきだ、というきわめてラディカルな環境政策についての発言が並んでいる。東大ゴルフ部出身にもかかわらず、ゴルフを止めたのもそのためです。当時はまだ環境問題がそれほど注目されていなかった時期です。
しかし、その考えは、都知事選を戦った石原さんに影響を与え、石原さんはディーゼル車規制などの環境政策を打ち出します。私の人生にも当時の鳩山東京ビジョンは大きく影響を与えています。引き継ぎたいと思います。
私は邦夫さんと違ってゴルフは続けていますが、今度の東京五輪では、本来は都の保有する若洲ゴルフリンクスで十分、開催可能なのです。にもかかわらず、組織委員会はわざわざ埼玉県の会員制の霞ヶ関カンツリー倶楽部で開催しようとしている。公共の若洲でやったら利権も発生しない。それに、若洲ならオリンピック後、広く都民に開放し、公共の財産として使える。これこそが五輪のレガシー(遺産)じゃないですか。
石原さんは17年前、無所属で「日本を東京から変える」と訴えて出馬しました。東京は自民も民進もない、公明も共産もない、右も左もない。東京は都民のものです。与野党が党の都合で候補者選びに明け暮れていますが、私は「東京を、必ず変える」と宣言し、ひとりで出馬します。
※週刊ポスト2016年7月22・29日号