所:一方で皇室典範の改正に否定的な人々が、皇室典範には摂政という規定があるじゃないかと言い出しそうです。しかし現行の皇室典範では、高齢を理由に摂政を置くことができません。なにより側近の方々が公務の軽減を何度申し上げても、象徴天皇の務めを陛下がご自身ですべきだという強い使命感をお持ちであり、それを削減するとか、まして代行で済ますとかいうお考えはないと拝察されます。

小林:昨年8月15日の全国戦没者追悼式で、黙祷の段取りを間違えられたじゃないですか。完璧主義者の陛下にとってはショックだったはず。公務を完璧にやり遂げたいという陛下に対して、摂政を置くというのは“倒れるまで働け”と言っているのと同じなんですよ。

所:先の天皇は昭和62年秋に手術をなさり、翌63年秋には大量吐血され、明日をも知れぬ状態になられましたが、それでも摂政を置かれなかった。

 皇太子時代の大正10年(1921年)から重病の父君に代わって5年間摂政を務められた昭和天皇としては、お父上がおられるのに天皇代行をすることの難しさを経験してこられた。そのいきさつを今の陛下は十分ご存じですから、主役交代のほかにないと、そう道筋を考えられたのだろうと推察されます。

※週刊ポスト2016年8月5日号

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