芸能

五社英雄は役者を追い詰めステップアップさせた名監督

 映画史・時代劇研究家の春日太一氏がつづった週刊ポスト連載『役者は言葉でできている』では、ふだん、ひとりの役者へのインタビューを通して得られた言葉をお届けしている。今回は特別編として、迫力ある時代劇で知られる映画監督・五社英雄について、名優たちが語った五社作品出演時の思い出を語った言葉をお届けする。

 * * *
 8月19日、拙著『鬼才 五社英雄の生涯』が文春新書より発売になる。これは、五社英雄監督の数奇な人生を数々の撮影現場でのエピソードと共に追った評伝で、筆者のこれまでの集大成ともいえる一冊だ。
 
 そこで今回は、本連載にこれまで御登場いただいた名優たちの語った五社作品出演時のエピソードを改めて紹介していく。
 
 平幹二朗は、五社が演出した1963年のテレビシリーズ『三匹の侍』(フジテレビ)で主人公グループの一人を演じたのを契機に一躍スターとなり、六七年には同じくテレビシリーズ『眠狂四郎』に主演している。

「『三匹』の時は一夜にして有名人になったという感じでした。第一回が放送された翌日から急に世間の人が僕のことを見るようになりました。
 
 ただ、僕は立ち回りが嫌いなんです。覚えられないし、下手でして。当時はまだ一軒屋に住んでなかったので夜中に道端で稽古して周囲を驚かせたりしていましたが、それでも上手くなりませんでした。『眠狂四郎』のような美的感覚をもった剣客は演じていて凄く気持ちいいのですが。苦悩を背負った時代劇は好きなのですが、『斬りまくって快感、万歳』というような時代劇は好きになれません」
 
 夏八木勲も若手時代の1966年に東映京都撮影所で製作された主演映画『牙狼之介』二部作で、五社と出会う。そして本作以降、夏八木五社による大作のほとんどに起用され、役者としての知名度を上げていく。

関連記事

トピックス

オフシーズンを迎えた大谷翔平(時事通信フォト)
《大谷翔平がチョビ髭で肩を組んで…》撮影されたのはキッズ向け施設もある「ショッピングモール」 因縁の“リゾート別荘”があるハワイ島になぜ滞在
NEWSポストセブン
愛子さまへのオンライン署名が大きな盛り上がりを見せている背景とは(時事通信フォト)
「愛子さまを天皇に!」4万9000人がオンライン署名、急激に支持が高まっている背景 ラオス訪問での振る舞いに人気沸騰、秋篠宮家への“複雑な国民感情”も関係か
週刊ポスト
群馬県前橋市の小川晶前市長(共同通信社)
「再選させるぞ!させるぞ!させるぞ!させるぞ!」前橋市“ラブホ通い詰め”小川前市長が支援者集会に参加して涙の演説、参加者は「市長はバッチバチにやる気満々でしたよ」
NEWSポストセブン
ネットテレビ局「ABEMA」のアナウンサー・瀧山あかね(Instagramより)
〈よく見るとなにか見える…〉〈最高の丸み〉ABEMAアナ・瀧山あかねの”ぴったりニット”に絶賛の声 本人が明かす美ボディ秘訣は「2025年トレンド料理」
NEWSポストセブン
千葉大学看護学部創立50周年の式典に出席された愛子さま(2025年12月14日、撮影/JMPA)
《雅子さまの定番カラーをチョイス》愛子さま、“主役”に寄り添うネイビーとホワイトのバイカラーコーデで式典に出席 ブレードの装飾で立体感も
NEWSポストセブン
12月9日に62歳のお誕生日を迎えられた雅子さま(時事通信フォト)
《メタリックに輝く雅子さま》62歳のお誕生日で見せたペールブルーの「圧巻の装い」、シルバーの輝きが示した“調和”への希い
NEWSポストセブン
日本にも「ディープステート」が存在すると指摘する佐藤優氏
佐藤優氏が明かす日本における「ディープステート」の存在 政治家でも官僚でもなく政府の意思決定に関わる人たち、自らもその一員として「北方領土二島返還案」に関与と告白
週刊ポスト
大谷翔平選手と妻・真美子さん
《チョビ髭の大谷翔平がハワイに》真美子さんの誕生日に訪れた「リゾートエリア」…不動産ブローカーのインスタにアップされた「短パン・サンダル姿」
NEWSポストセブン
会社の事務所内で女性を刺したとして中国籍のリュウ・カ容疑者が逮捕された(右・千葉県警察HPより)
《いすみ市・同僚女性を社内で刺殺》中国籍のリュウ・カ容疑者が起こしていた“近隣刃物トラブル”「ナイフを手に私を見下ろして…」「窓のアルミシート、不気味だよね」
NEWSポストセブン
石原さとみ(プロフィール写真)
《ベビーカーを押す幸せシーンも》石原さとみのエリート夫が“1200億円MBO”ビジネス…外資系金融で上位1%に上り詰めた“華麗なる経歴”「年収は億超えか」
NEWSポストセブン
神田沙也加さんはその短い生涯の幕を閉じた
《このタイミングで…》神田沙也加さん命日の直前に元恋人俳優がSNSで“ホストデビュー”を報告、松田聖子は「12月18日」を偲ぶ日に
NEWSポストセブン
高羽悟さんが向き合った「殺された妻の血痕の拭き取り」とは
「なんで自分が…」名古屋主婦殺人事件の遺族が「殺された妻の血痕」を拭き取り続けた年末年始の4日間…警察から「清掃業者も紹介してもらえず」の事情