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2016.08.14 16:00  週刊ポスト

五社英雄は役者を追い詰めステップアップさせた名監督

 映画史・時代劇研究家の春日太一氏がつづった週刊ポスト連載『役者は言葉でできている』では、ふだん、ひとりの役者へのインタビューを通して得られた言葉をお届けしている。今回は特別編として、迫力ある時代劇で知られる映画監督・五社英雄について、名優たちが語った五社作品出演時の思い出を語った言葉をお届けする。

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 8月19日、拙著『鬼才 五社英雄の生涯』が文春新書より発売になる。これは、五社英雄監督の数奇な人生を数々の撮影現場でのエピソードと共に追った評伝で、筆者のこれまでの集大成ともいえる一冊だ。
 
 そこで今回は、本連載にこれまで御登場いただいた名優たちの語った五社作品出演時のエピソードを改めて紹介していく。
 
 平幹二朗は、五社が演出した1963年のテレビシリーズ『三匹の侍』(フジテレビ)で主人公グループの一人を演じたのを契機に一躍スターとなり、六七年には同じくテレビシリーズ『眠狂四郎』に主演している。

「『三匹』の時は一夜にして有名人になったという感じでした。第一回が放送された翌日から急に世間の人が僕のことを見るようになりました。
 
 ただ、僕は立ち回りが嫌いなんです。覚えられないし、下手でして。当時はまだ一軒屋に住んでなかったので夜中に道端で稽古して周囲を驚かせたりしていましたが、それでも上手くなりませんでした。『眠狂四郎』のような美的感覚をもった剣客は演じていて凄く気持ちいいのですが。苦悩を背負った時代劇は好きなのですが、『斬りまくって快感、万歳』というような時代劇は好きになれません」
 
 夏八木勲も若手時代の1966年に東映京都撮影所で製作された主演映画『牙狼之介』二部作で、五社と出会う。そして本作以降、夏八木五社による大作のほとんどに起用され、役者としての知名度を上げていく。

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