スポーツ

広島・苑田スカウト 無名の黒田博樹を見出した日を振り返る

広島のスカウト部門を束ねる苑田聡彦氏

「選手を見るポイントは佇まい……つまりバランスの良さです。歩き方、走り方、キャッチボールを見れば、大体わかるもんですよ」

 広島のスカウト部門を束ねる苑田聡彦(71)は、「プロ野球界最後の職人スカウト」と呼ばれる大ベテラン。「上手い選手はユニフォームの着こなしが格好いい」が口ぐせだ。自身も広島の内野手だった苑田は1977年に引退後、先代オーナーの松田耕平から東日本担当スカウトを拝命。それから約40年間、スカウト畑を歩み続けている。

 スカウト業の醍醐味は、「磨けば光る原石」を発掘することにある。

「実際に自分の目で確認して判断することが大切。部下に『見てほしい選手がいる』と言われて視察したときに、『あの選手です』と教えられるような選手はダメ。こちらが見てすぐに『あの選手だろ?』とわかるような選手がプロの世界で活躍できている」

 25年ぶりのカープ優勝の立役者・黒田博樹も、そうして苑田に見出された原石の1人だった。

 苑田が初めて黒田を目にしたのは、彼が専修大学2年生のとき。別の選手を視察するために訪れた練習場で、一瞬にして目を奪われたという。

「大学関係者にすぐに尋ねたけれど、黒田という名前を聞いてもピンとこなかった。『父親が南海の外野手』と説明を受けて、ようやくあの黒田(一博)さんの息子なんだと理解した程度。後で調べたら、上宮高校では3番手か4番手の投手で、スカウトリストにも載っていないような存在だった」

 当時、専修大は東都リーグの二部に所属。黒田には公式戦の登板経験もなかった。だが、そんな投手に一目ぼれした苑田はグラウンドに通い続けた。

関連記事

トピックス

海外のアダルトサイトを通じてわいせつな行為をしているところを生配信したとして男女4人が逮捕された(海外サイトの公式サイトより)
《公然わいせつ容疑で男女4人逮捕》100人超える女性が在籍、“丸出し”配信を「黙認」した社長は高級マンションに会社登記を移して
NEWSポストセブン
2才の誕生日を迎えた悠仁さま(写真/宮内庁提供)
【9月6日で19才に】悠仁さま、40年ぶりの成年式へ 御料牧場、小学校の行事、初海外のブータン、伊勢新宮をご参拝、部活動…歩まれてきた19年を振り返る 
女性セブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
「同棲していたのは小柄な彼女」大麻所持容疑の清水尋也容疑者“家賃15万円自宅アパート”緊迫のガサ当日「『ブーッ!』早朝、大きなクラクションが鳴った」《大家が証言》
NEWSポストセブン
当時の水原とのスタバでの交流について語ったボウヤー
「大谷翔平の名前で日本酒を売りたいんだ、どうかな」26億円を詐取した違法胴元・ボウヤーが明かす、当時の水原一平に迫っていた“大谷マネーへの触手”
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
《同居女性も容疑を認める》清水尋也容疑者(26)Hip-hopに支えられた「私生活」、関係者が語る“仕事と切り離したプライベートの顔”【大麻所持の疑いで逮捕】
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(X、時事通信フォト)
大麻成分疑いで“ガサ入れ”があったサントリー・新浪剛史元会長の超高級港区マンション「かつては最上階にカルロス・ゴーンさんも住んでいた」
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
【大麻のルールをプレゼンしていた】俳優・清水尋也容疑者が“3か月間の米ロス留学”で発表した“マリファナの法律”「本人はどこの国へ行ってもダメ」《麻薬取締法違反で逮捕》
NEWSポストセブン
賭博の胴元・ボウヤーが暴露本を出版していた
大谷翔平から26億円を掠めた違法胴元・ボウヤーが“暴露本”を出版していた!「日本でも売りたい」“大谷と水原一平の真実”の章に書かれた意外な内容
NEWSポストセブン
ロコ・ソラーレ(時事通信フォト)
《メンバーの夫が顔面骨折の交通事故も》試練乗り越えてロコ・ソラーレがミラノ五輪日本代表決定戦に挑む、わずかなオフに過ごした「充実の夫婦時間」
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(時事通信フォト)
《麻薬取締法違反の疑いでガサ入れ》サントリー新浪剛史会長「知人女性が送ってきた」「適法との認識で購入したサプリ」問題で辞任 “海外出張後にジム”多忙な中で追求していた筋肉
NEWSポストセブン
サークル活動にも精を出しているという悠仁さま(写真/共同通信社)
悠仁さまの筑波大キャンパスライフ、上級生の間では「顔がかっこいい」と話題に バドミントンサークル内で呼ばれる“あだ名”とは
週刊ポスト
米カリフォルニア州のバーバンク警察は連続“尻嗅ぎ犯”を逮捕した(TikTokより)
《書店で女性のお尻を嗅ぐ動画が拡散》“連続尻嗅ぎ犯” クラウダー容疑者の卑劣な犯行【日本でも社会問題“触らない痴漢”】
NEWSポストセブン