国内

しんぶん赤旗 かつて昭和天皇批判の報道を連日続けていた

昭和天皇崩御の際には苛烈なタイトルが並んだ

 かつて苛烈な表現で天皇を批判していた共産党の機関紙「しんぶん赤旗」で、近年、穏やかな表現が目立つようになってきた。その背景に何があるのか。フリーライターの清水典之氏がレポートする。

 * * *
 天皇陛下をお迎えする新年の国会開会式に、今年、共産党議員が出席し、メディアで騒ぎになった。『しんぶん赤旗』の皇室報道を遡り、共産党がこれまで皇室に対し取ってきた態度を振り返れば当然の反応と言える。

 1975年7月17日、沖縄海洋博で訪沖した皇太子明仁親王(今上陛下)と同妃が、糸満市のひめゆりの塔などを慰霊で訪れた際、新左翼系過激派が火炎びんを投げつける事件が起きた。

 この「ひめゆりの塔事件」は、皇室に対するテロ事件であり、当時、マスコミはトップニュースで扱い、世論は大騒ぎになった。ところが、翌7月18日付「赤旗」の紙面に目をこらすと、「皇太子夫妻に火炎びん ひめゆりの塔付近で暴力集団」という見出しに180字ほどのベタ記事で事実を伝えるのみ。まるで些細な事件のような扱いだ。

 1987年10月24日には、皇太子明仁親王が沖縄を訪問され、沖縄平和記念堂で天皇陛下(昭和天皇)のお言葉を代読された。それを報じた赤旗の記事が、「戦争責任にふれず 天皇のことば、皇太子が代読 沖縄・摩文仁」(1987年10月25日付)だ。

〈最高の責任者として侵略戦争をひき起こしたうえ終戦の時期をおくらせて沖縄県民を国内唯一の地上戦の戦場に投げ入れ、戦後は、米国にメッセージを送って沖縄の長期占領支配を求めたみずからの責任にふれないものとなっています〉

 と激しく非難している。批判の対象は昭和天皇だとはいえ、皇太子が慰霊に訪れたことへの敬意の念が微塵も感じられない記事である。

関連記事

トピックス

夜の街にも”台湾有事発言”の煽りが...?(時事通信フォト)
《“訪日控え”で夜の街も大ピンチ?》上野の高級チャイナパブに波及する高市発言の影響「ボトルは『山崎』、20万〜30万円の会計はざら」「お金持ち中国人は余裕があって安心」
NEWSポストセブン
東京デフリンピックの水泳競技を観戦された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま(2025年11月25日、撮影/JMPA)
《手話で応援も》天皇ご一家の観戦コーデ 雅子さまはワインレッド、愛子さまはペールピンク 定番カラーでも統一感がある理由
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんを支える「絶対的味方」の存在とは
《ドッグフードビジネスを展開していた》大谷翔平のファミリー財団に“協力するはずだった人物”…真美子さんとも仲良く観戦の過去、現在は“動向がわからない”
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
悠仁さま(2025年11月日、写真/JMPA)
《初めての離島でのご公務》悠仁さま、デフリンピック観戦で紀子さまと伊豆大島へ 「大丈夫!勝つ!」とオリエンテーリングの選手を手話で応援 
女性セブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(読者提供)
《足立暴走男の母親が涙の謝罪》「医師から運転を止められていた」母が語った“事件の背景\\\\\\\\\\\\\\\"とは
NEWSポストセブン
大谷翔平が次のWBC出場へ 真美子さんの帰国は実現するのか(左・時事通信フォト)
《大谷翔平選手交えたLINEグループでやりとりも》真美子さん、産後対面できていないラガーマン兄は九州に…日本帰国のタイミングは
NEWSポストセブン
高市早苗首相(時事通信フォト)
《日中外交で露呈》安倍元首相にあって高市首相になかったもの…親中派不在で盛り上がる自民党内「支持率はもっと上がる」
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(現場写真/読者提供)
【“分厚い黒ジャケット男” の映像入手】「AED持ってきて!」2人死亡・足立暴走男が犯行直前に見せた“奇妙な”行動
NEWSポストセブン
高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)
「現地の中国人たちは冷めて見ている人がほとんど」日中関係に緊張高まるも…日本人駐在員が明かしたリアルな反応
NEWSポストセブン
10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン