とはいえ、話が合わないことを気にするということは、やはり、顔だけでは選んでないわけか。

「うーん、程度問題なんですけどねぇ。私も働くから、たくさんの収入はなくてもいいし、趣味がすべて合わなくても、例えば服装は私が何とかするし、普通に会話できればいいんですが……なぜか、極端にダメ男を引き寄せてしまうんですよ。好きになると周りが見えなくなるからかなぁ。あ、私、これまで、自分から告白して付き合ったことしかないんです。いいな、と思ったら、自分から行きます」

 ファッションが大好きで、転職を経験しながらもアパレル業界で長年働いてきた彩子。仕事柄、オシャレには気を使い、美容にお金もかけてきた。そのため、就職してからはずっと実家暮らしだが、その見返りは少なからずあって、30代後半に見られることは多いと言う。はっとさせるような美人ではないが、石田ゆり子似の、しっとりした知的な印象の大人の女性。しかし、実は肉食系。

 テレビなどで、外見が草食系で、中身が肉食系の男子に対して、「ロールキャベツ男子」という言葉が使われることがあった。彩子はその女子版。メンクイ、ハンター、ロールキャベツ、それが彩子だ。

 現在、彼氏はいないが、気になる人がいるという。飲み屋で知り合った36歳。仕事を辞めて求職中という不安定な身だが、顔はばっちり好みだった。映画が好き、という共通点もある。LINEを交換し、近々、二人で食事に行く予定もとりつけた。40歳にしていまだ恋愛を謳歌する彩子。彼女は本当に結婚をしたいのか?

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