風岡氏の後任にはナンバー2の宮内庁次長だった山本信一郎氏が昇格した。しかし、注目すべきは新たに次長に就任した西村泰彦氏の存在だと、別の官邸記者は指摘する。
「西村氏は警察庁出身で、警視総監や内閣危機管理監などを歴任しました。この先、生前退位が実現すると『退位された陛下』『天皇となった皇太子さま』『皇位継承順位1位の秋篠宮さま』の3人の警護という、前例のない警備体制を求められますから、その体制づくりに西村氏はうってつけでしょう」
だが、それよりも特筆すべきは西村氏の“前歴”だ。
「西村氏の前職は内閣危機管理監。つまり、つい先日まで安倍首相の手元にいた人物ということです。宮内庁次長といえば、長官、侍従長、侍従次長らと皇室に関するさまざまな情報を共有する立場であり、宮内庁内部の動きに目を光らせることになるでしょう。
加えて、現侍従次長の高橋美佐男氏も警察庁出身で西村氏と面識があるはずです。『宮内庁次長』と『侍従次長』、『オモテ』と『オク』、双方のナンバー2につながりがあれば、官邸側としては皇室典範の改正ではなく特措法で対応するという方向にかなりコントロールしやすくなります。風岡氏という側近の退任と、安倍首相が送り込んだ“監視役”の存在は、陛下の悲願達成への大きな壁になるかもしれません」(別の官邸記者)
撮影■雑誌協会代表取材
※女性セブン2016年10月13日号