福島県内で医療法人を経営するC氏は、やはり地球環境保全機構(その時点の名称は日中協力会)の名簿や大物企業家らの名刺を見せられてI氏を信用し、I氏の誘いで2013年11月、大手美容クリニックの関連会社立ち上げに300万円を出資したという。I氏個人の口座に振り込んだが、いまだ配当はない。
この話にはさらに続きがある。2014年3月末、C氏はI氏から「鳩山先生は長男を将来的に政界に進出させたいと考え、その地盤づくりのために北海道に医療グループを作って足掛かりにしたいと考えている」と持ち掛けられた。北海道は鳩山氏の選挙区があった地であることから、「特に不自然な点は感じなかった」という。
「I氏からは“Cさんに先行して北海道に医療グループを作ってほしい。H社を通じて最終的に鳩山先生が資金を出すから心配ありません”と要請されたのです。鳩山氏の実物の印鑑証明書まで見せられたため、信用してしまいました」(C氏)
C氏は1億2000万円を調達し、北海道に3つのクリニックを設立。が、今に至るも「鳩山資金」は入らず、資金難から2つのクリニックはやむなく閉鎖したという。
それにしても、である。大金を失った状態のA、B、Cの各氏には同情するが、冷静に考えればどの“事業”も実に奇っ怪すぎる内容であり、周辺に確認すれば、実現性や利益を得られるビジネスかどうかは判断できそうにも思える。その点は「こちらが欲をかいたと言われれば認めざるを得ない」(A氏)と言うが、一方では「そこまでのめり込んでも仕方ない巧妙な“舞台演出”だった」とも語るのである。