◆実現しない中国ツアー

 首相在任中には母親から月1500万円の“子ども手当”をもらっていたこと(※)が発覚し、その桁外れの金満エピソードで世間の度肝を抜いた鳩山氏。政界引退した年の所得・資産補充報告書によれば、前年に42億円という桁外れの贈与を母親から受けていたことも明らかになった。現在も株式や不動産など莫大な資産を有する“大富豪”の鳩山氏と「カネ集め」とは、何とも結び付かない組み合わせだ。

【※2009年に鳩山氏の政治資金に関する個人献金の虚偽記載疑惑が発覚した際、母の安子さん(故人)から毎月1500万円が由紀夫氏に提供されていたことが判明、“総理大臣の子ども手当”などと呼ばれ話題になった】

 実はA氏らの怒りの矛先は鳩山氏本人というより、鳩山氏の共同経営者I氏に向けられている。I氏は2014年3月に設立されたH社の代表取締役。当時の取締役は他に鳩山氏と鳩山氏のベテラン私設秘書の2人のみ。鳩山氏は昨年6月に取締役を退任したが、秘書は今も取締役に就いている。

 H社の定款資料によれば、設立時に鳩山氏は1000万円を出資して200株を保有する筆頭株主だったことが確認できる。また、法人登記には事業内容として「通信販売」「投資業及び投資顧問業務」「環境ビジネス事業」など多岐にわたる目的が並んでいる。I氏の知人が語る。

「Iさんは40代の実業家で、10年前にインターネットの懸賞サイトなどを運営する会社を設立し、注目を集めた。財界や芸能界に広い人脈を持っています。Iさんは日中関係の会合で鳩山さんや秘書と親しくなり、会社設立に至ったそうです。『H社の社名は鳩山さんのHにちなんでいる』と言っていました」

 A氏らは、I氏から出資や投資話を持ち掛けられたという。A氏が証言する。

「I氏から出資を持ち掛けられたのは昨年3月と12月の2回です。“鳩山先生が出資して、取締役も務めるHという会社がある。鳩山先生の個人資産を運用していて、私が代表取締役を務めている”という説明を最初に受けました」

 さらにI氏からは、「投資判断についても私が鳩山先生から全面的に委任されていて、鳩山先生に言えば、案件ごとにH社にカネが振り込まれる段取りになっている」と聞かされたうえでH社関連の新会社設立への出資を要請されたA氏は、合計1300万円をH社名義の口座に振り込んだ。

 その後、A氏が出資したいずれの会社も、設立こそされたものの実際に事業化された形跡がないという。別の出資者はどうか。

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