国際情報

最終かつ不可逆的な日韓合意がひっくり返されるか

「最終かつ不可逆的な合意」がひっくり返される可能性も

 朴槿恵大統領のスキャンダルの裏で、彼女の墜ちていく姿を見て勢いづく者も存在する。慰安婦問題を何度も蒸し返そうとする「韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)」をはじめとする勢力だ。昨年12月に日韓両政府が慰安婦問題の解決について「最終かつ不可逆的な合意」とされたが、これを認めていない。彼らを単なる反日活動団体と侮ることはできない。在韓ジャーナリストの藤原修平氏はこういう。

「1993年11月に挺対協は、慰安婦問題も含めた『日本の戦後処理問題に関する国際討論会』という目的で、北朝鮮の招待を受けて渡航している。そのときから北朝鮮とのパイプができたと考えられます」

 挺対協代表・尹美香(ユンミヒヤン)氏の夫である金三石(キムサンソク)氏と、その妹の金銀周(キムウンジュ)氏は、日本で北朝鮮工作員と接触した容疑で、1993年に韓国でスパイとして逮捕され、国家保安法違反で有罪が確定している。

 また、挺対協は韓国最大野党「共に民主党」などと関係が深く、今回の朴大統領スキャンダルで保守系の与党が政権から転落すれば、さらに力を増す可能性がある。

 実際、次期大統領として取り沙汰されている「共に民主党」の文在寅(ムンジエイン)氏は、2012年に挺対協の集会に参加しており、日韓合意の直後には、「合意は国会承認を得ておらず無効だ」と主張した人物だ。

「もう1人の大統領候補、『国民の党』共同代表の安哲秀(アンチヨルス)氏は、ソウル大学で文氏やソウル市長の朴元淳(パクウオンスン)氏と同窓で、一緒に行動していた。2人に非常に近い人物です」(藤原氏)

 ここで出てきたソウル市長の朴元淳氏とは、弁護士出身で、日本の女性団体・バウネット・ジャパンなどが2000年12月に開催した「女性国際戦犯法廷(※)」で、韓国代表の“検事役”として昭和天皇を慰安婦の強制連行や虐待の罪で“起訴”した人物である。

【※「戦争と女性への暴力」日本ネットワーク(バウネット・ジャパン)を中心とする団体が2000年に始めた抗議活動。第2次世界大戦中に旧日本軍が行なった戦争犯罪を模擬裁判で裁くもので、慰安婦問題も追及している】

 朴大統領が政権転落の危機に瀕しているということは、とりもなおさずそうした“反日・親北”勢力を利する状況が生まれているということだ。

「もし文氏や安氏が大統領となれば、慰安婦合意を反故にするのは間違いないでしょう。日本がすでに財団に拠出した10億円は水の泡です。朴大統領の支持率急落とともに、保守系の後継候補の支持率も急降下しているだけに、現実味のあるシナリオになってきた」(前川氏)

 またもや「最終かつ不可逆的な合意」がひっくり返される日がやってくるということだ。

※週刊ポスト2016年11月25日号

トピックス

大谷翔平(写真/Getty Images)
《昨年は騒動に発展》MLBワールドシリーズとNPB日本シリーズの日程が“まるかぶり” NHKがワールドシリーズ全試合放送することで新たな懸念も浮上 
NEWSポストセブン
森下千里衆院議員(共同通信社)
《四つん這いで腰を反らす女豹ポーズに定評》元グラドル・森下千里氏「政治家になりたいなんて聞いたことがない」実親も驚いた大胆転身エピソード【初の政務三役就任】
NEWSポストセブン
恋愛についての騒動が続いた永野芽郁
《女の敵なのか?》山田美保子氏があらためて考える永野芽郁「心配なのは、どちらにとっても“セカンド女”だった点」
女性セブン
ナイフで切りつけられて亡くなったウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(Instagramより)
《19年ぶりに“死刑復活”の兆し》「突然ナイフを取り出し、背後から喉元を複数回刺した」米・戦火から逃れたウクライナ女性(23)刺殺事件、トランプ大統領が極刑求める
NEWSポストセブン
『酒のツマミになる話』に出演する大悟(時事通信フォト)
『酒のツマミになる話』が急遽差し替え、千鳥・大悟の“ハロウィンコスプレ”にフジ幹部が「局の事情を鑑みて…」《放送直前に混乱》
NEWSポストセブン
《想定外の横暴カスハラ》「給油機が止まってから、あと2リットルほど入るんや」還暦タイミーさんがガソリンスタンドで遭遇した“お客さまの常識外の言動”
《想定外の横暴カスハラ》「給油機が止まってから、あと2リットルほど入るんや」還暦タイミーさんがガソリンスタンドで遭遇した“お客さまの常識外の言動”
NEWSポストセブン
3年前に離婚していた穴井夕子とプロゴルァーの横田真一選手(HP/時事通信フォト)
「私嫌われてる?」3年間離婚を隠し通した元アイドルの穴井夕子、破局後も元夫のプロゴルファーとの“円満”をアピールし続けた理由
NEWSポストセブン
『週刊文春』によって密会が報じられた、バレーボール男子日本代表・高橋藍と人気セクシー女優・河北彩伽(左/時事通信フォト、右/インスタグラムより)
「近いところから話が漏れたんじゃ…」バレー男子・高橋藍「本命交際」報道で本人が気にする“ほかの女性”との密会写真
NEWSポストセブン
小野田紀美・参議院議員(HPより)
《片山さつきおそろスーツ入閣》「金もリアルな男にも興味なし」“2次元”愛する小野田紀美経済安保相の“数少ない落とし穴”とは「推しはアンジェリークのオスカー」
NEWSポストセブン
aespaのジゼルが着用したドレスに批判が殺到した(時事通信フォト)
aespa・ジゼルの“チラ見え黒ドレス”に「不適切なのでは?」の声が集まる 韓国・乳がん啓発のイベント主催者が“チャリティ装ったセレブパーティー”批判受け謝罪
NEWSポストセブン
高橋藍の帰国を待ち侘びた人は多い(左は共同通信、右は河北のインスタグラムより)
《イタリアから帰ってこなければ…》高橋藍の“帰国直後”にセクシー女優・河北彩伽が予告していた「バレープレイ動画」、uka.との「本命交際」報道も
NEWSポストセブン
歓喜の美酒に酔った真美子さんと大谷
《帰りは妻の運転で》大谷翔平、歴史に名を刻んだリーグ優勝の夜 夫人会メンバーがVIPルームでシャンパングラスを傾ける中、真美子さんは「運転があるので」と飲まず 
女性セブン