ライフ

フロイトの「欲動を理性のコントロール下に置く」の意味

医師・僧侶の田中雅博氏

 2014年10月に最も進んだステージのすい臓がんが発見され、余命数か月であることを自覚している医師・僧侶の田中雅博氏による『週刊ポスト』での連載「いのちの苦しみが消える古典のことば」から、ジークムント・フロイトの「欲動を理性のコントロール下に置く」の解釈を田中氏が解説する。

 * * *
 12月8日は真珠湾攻撃の日です。お釈迦様が仏陀になられた記念日(成道会)でもあります。さらに12月8日はジョン・レノンが撃たれた日です。ジョン・レノンの曲『イマジン』では、国も戦争も宗教も無い世界を夢見ています。財産も無く欲張りも無い世界であり、筏の譬喩で示される仏教は、このような世界を肯定します。

 ジョン・レノンが撃たれた4か月後にアメリカ大統領ロナルド・レーガンが狙撃されました。銃弾は胸から肺に入って心臓の近くに止まりました。かつて西部劇を演じていたレーガンは、手術室で「君たち全員共和党員であってほしい」と言って笑わせ、医師が「今日だけは皆共和党員ですよ」と答えている動画が現在、インターネットでも見ることができます。

 さらに一か月半後、ローマ教皇のヨハネ・パウロ二世が狙撃されました。二発命中し、一発は貫通して座席に突き刺さり、もう一発は大動脈の近くで止まり、血液の6割が失われました。4日後、教皇は病床から「狙撃者を許す」とコメントを発表しました。

 アメリカの機密文書は大統領令によって原則25年で公開されるそうです。真珠湾攻撃に関連する機密文書は例外で65年くらい非公開でした。公開機密文書を研究した西鋭夫教授の講演によると、真珠湾攻撃の1年も前から日本軍の暗号は解読されており、ルーズベルト大統領は戦争反対の世論の中、アメリカ参戦の口実のために真珠湾攻撃を待っていたようです。そして真珠湾攻撃を「卑怯なだまし討ち」と宣伝し「リメンバー・パールハーバー」のスローガンでアメリカ人を戦争に引き込みました。

関連記事

トピックス

送検のため奈良西署を出る山上徹也容疑者(写真/時事通信フォト)
《安倍晋三元首相銃撃事件・初公判》「犯人の知的レベルの高さ」を鈴木エイト氏が証言、ポイントは「親族への尋問」…山上徹也被告の弁護側は「統一教会のせいで一家崩壊」主張の見通し
NEWSポストセブン
この笑顔はいつまで続くのか(左から吉村洋文氏、高市早苗・首相、藤田文武氏)
自民・維新連立の時限爆弾となる「橋下徹氏の鶴の一声」 高市首相とは過去に確執、維新党内では「橋下氏の影響下から独立すべき」との意見も
週刊ポスト
元・明石市長の泉房穂氏
財務官僚が描くシナリオで「政治家が夢を語れなくなっている」前・明石市長の泉房穂氏(62)が国政復帰して感じた“強烈な危機感”
NEWSポストセブン
新恋人のA氏と腕を組み歩く姿
《そういう男性が集まりやすいのか…》安達祐実と新恋人・NHK敏腕Pの手つなぎアツアツデートに見えた「Tシャツがつなぐ元夫との奇妙な縁」
週刊ポスト
女優・八千草薫さんの自宅が取り壊されていることがわかった
《女優・八千草薫の取り壊された3億円豪邸の今》「亡き夫との庭を遺してほしい」医者から余命宣告に死の直前まで奔走した土地の現状
NEWSポストセブン
あとは「ワールドシリーズMVP」(写真/EPA=時事)
大谷翔平、残された唯一の勲章「WシリーズMVP」に立ちはだかるブルージェイズの主砲ゲレーロJr. シュナイダー監督の「申告敬遠」も“意外な難敵”に
週刊ポスト
左から六代目山口組・司忍組長、六代目山口組・高山清司相談役/時事通信フォト、共同通信社)
「六代目山口組で敵う人はいない」司忍組長以上とも言われる高山清司相談役の“権力” 私生活は「100坪豪邸で動画配信サービス視聴」も
NEWSポストセブン
35万人以上のフォロワーを誇る人気インフルエンサーだった(本人インスタグラムより)
《クリスマスにマリファナキットを配布》フォロワー35万ビキニ美女インフルエンサー(23)は麻薬密売の「首謀者」だった、逃亡の末に友人宅で逮捕
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左/バトル・ニュース提供、右/時事通信フォト)
《激しい損傷》「50メートルくらい遺体を引きずって……」岩手県北上市・温泉旅館の従業員がクマ被害で死亡、猟友会が語る“緊迫の現場”
NEWSポストセブン
WSで遠征観戦を“解禁”した真美子さん
《真美子さんが“遠出解禁”で大ブーイングのトロントへ》大谷翔平が球場で大切にする「リラックスできるルーティン」…アウェーでも愛娘を託せる“絶対的味方”の存在
NEWSポストセブン
ベラルーシ出身で20代のフリーモデル 、ベラ・クラフツォワさんが詐欺グループに拉致され殺害される事件が起きた(Instagramより)
「モデル契約と騙され、臓器を切り取られ…」「遺体に巨額の身代金を要求」タイ渡航のベラルーシ20代女性殺害、偽オファーで巨大詐欺グループの“奴隷”に
NEWSポストセブン
イギリス出身のボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
《ビザ取り消し騒動も》イギリス出身の金髪美女インフルエンサー(26)が次に狙うオーストラリアでの“最もクレイジーな乱倫パーティー”
NEWSポストセブン