ライフ

中国嫁日記作者、日中ハーフとして生まれた我が子に願うこと

トークイベントで誕生した子どもについて語る井上純一氏

 約2年、中国を拠点に仕事をしていた人気マンガ『中国嫁日記』作者の井上純一氏が、ひと回り以上年下の中国人妻・月(ゆえ)さんとともに日本へ戻ってきた。そして11月、生まれる前につけた仮の名前バオバオ(宝宝)ちゃんのお父さんになっていた。子どもが生まれたことで変わったこと、日中の間に生まれた子どもに望むことを井上氏にきいた。

 * * *
──中国人の月さんが日本で出産したことに驚きました。日本の感覚だと、出産する人は実家に帰ることが多いので。

井上純一(以下、井上):日本へ戻ると決めたあとに妊娠がわかりました。だから僕は、日本に帰るのをやめるつもりでいました。妊婦が飛行機に乗ると危ないんじゃないかとも思いましたし。でも、逆に月からは日本で産みたいといわれました。

──井上さんの本音としては、中国と日本、どちらで子育てをしてみたかったのですか?

井上:中国で育ててみたかった、というのが本音です。子どもを育てると、中国人の生活をもっと知ることができるだろうと思っていたので。たとえば、中国がどういう教育をするか、友だちと何を話すのかということを知りたい気持ちがありました。

──月さんは、なぜ日本で産んで育てたいと考えたのでしょうか?

井上:もともと、中国で暮らすことを前提としていなかったんです。実際、多くの中国人から「日本で子どもを育てられるのはうらやましい」と言われます。やはり中国の大気汚染の状態や、健康、食料の問題が子どもにはよくないと考えているようです。中国では、ちょっと金持ちになると必ず海外へ逃げちゃうくらいです。中国で子育てをしたくないからだと聞いています。

──出生地主義をとっている米国籍が欲しくて、妊娠が分かってから米国へ行こうとする中国人富裕層が少なくないと聞きます。

井上:出産のためだけに香港へ来て、子どもに香港籍をとろうとする人もいます。だから、妊婦は香港の空港で乗り継ぐだけでも手続きが大変なんですよ。飛行場へ行くだけだと証明して、面倒な手続きをたくさんしないとならない。そのため、日本への移動はいつも香港経由で移動するのですが、中国を引き払ったときは広州から日本への直行便に乗りました。

──初めての妊娠と出産は、どんな体験でしたか?

井上:自分が妊娠・出産するわけではないですが、すべてが初めてのことだらけでした。何かの参考になるかと思い、事前にたくさんの育児マンガを読んだんです。一通り全部読んだのですが、びっくりしたことに何の役にも立ちませんでした。描いてあることが、あまりにもケースバイケースで、実際にはそのときにならないとわからないことばかりでした。

 たとえば、産むとき会陰切開をするので、いつまでもとても痛い。だから真ん中が丸く空いている痔の人向けの座布団を1か月も使ったとある育児マンガにはありました。それを読んだあと、買っておいた方がいいのではとすすめたら、月はいらないと言う。出産後、実際にいらなかったですね。月が痛いと言っていたのは2日、3日で済んで、普通のクッションに座って不自由ありませんでした。人によるんですね。

関連記事

トピックス

元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
伊勢ヶ濱部屋に転籍した元白鵬の宮城野親方
元・白鵬の宮城野部屋を伊勢ヶ濱部屋が“吸収”で何が起きる? 二子山部屋の元おかみ・藤田紀子さんが語る「ちゃんこ」「力士が寝る場所」の意外な変化
NEWSポストセブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
女性セブン
今年の1月に50歳を迎えた高橋由美子
《高橋由美子が“抱えられて大泥酔”した歌舞伎町の夜》元正統派アイドルがしなだれ「はしご酒場放浪11時間」介抱する男
NEWSポストセブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
STAP細胞騒動から10年
【全文公開】STAP細胞騒動の小保方晴子さん、昨年ひそかに結婚していた お相手は同い年の「最大の理解者」
女性セブン
年商25億円の宮崎麗果さん。1台のパソコンからスタート。  きっかけはシングルマザーになって「この子達を食べさせなくちゃ」
年商25億円の宮崎麗果さん。1台のパソコンからスタート。 きっかけはシングルマザーになって「この子達を食べさせなくちゃ」
NEWSポストセブン
逮捕された十枝内容疑者
《青森県七戸町で死体遺棄》愛車は「赤いチェイサー」逮捕の運送会社代表、親戚で愛人関係にある女性らと元従業員を……近隣住民が感じた「殺意」
NEWSポストセブン