亀山は1961年、石川県加賀市で生まれた。19歳ではじめた露天商を皮切りに、石川県でのレンタルビデオ店の経営、アダルトビデオ販売を経て、インターネットでの動画配信などをはじめる。その後、手がけたFX事業では口座数業界1位にまで上り詰める。さらにオンラインゲーム開発、英会話、3Dプリンターを使った物作りや太陽光発電事業、水族館事業などを幅広く手がける。そしていまグループ全体の売上高は2000億円に達する。
なんでも取り入れてしまう器の大きさに、無節操さを感じてしまう人も多いのではないか。しかしだからといってビジネスが成功するわけでは、もちろんない。亀山は言う。
「子どものころから家の商売を手伝っていたせいか、お金が欲しいというよりも、稼ぐことに面白さを感じていた。だから露天だろうが、アダルトだろうが、太陽光だろうがなんでもいいと思っているところはあるかもしれない」
──実家はどんな商売を?
「呉服屋やカメラ屋、うどん屋、海の家、そしてキャバレー。いろいろやってましたね。一滴も酒が飲めないオヤジがキャバレーやっていたわけだから、ビジネスに対してこだわりがなかったんだろうね。商売をやりたいと思ったのはオヤジの影響が大きいかな」
農家出身の亀山の母は、呉服屋に嫁にきたはずが、いつの間にかキャバレーのママにおさまっていた。
「オレは『母ちゃん』って呼んでいたけど、周りは『ママ』でしたね。子どものころは住み込みで働く訳ありの女の子たちにかわいがられていました」