アダルトで貯えた資産を元手に、1998年に動画配信をスタート。そして2009年にはFX事業に乗り出す。以後の多様な事業展開は前述の通り。しかし最近、アダルト制作会社の株はすべて手放してしまったと語る。
「名前が知られるようになるとそこが叩かれる。エロで稼いでいると面白く思わない人もいますから」
数年前、転職活動をしていた私の弟がDMM.comグループの採用試験を受けた。他社に内定をもらったこともあり、辞退したのだが、周囲からの反対も少なからずあったと言う。エロを売りにする企業なんていつまで続くのか分からない、と。
そのことを亀山に会って思い出した。エロで食うのは倫理的に許せないというのなら話は分かる。けれど、いつまで続くかという観点だけで見れば、形態を絶えず変え続けるDMM.comほど生き残り戦略に長けたベンチャー企業はないのではないか。さらに亀山の話を聞くうち、弟は惜しいチャンスを逃したなという思いが強くなった。
──エロに厳しいのは世間ですか?
「オレは世間からいろいろ言われるのを覚悟の上でアダルトを選んだわけです。当時は世間の偏見以上に稼がなきゃという気持ちでした。商売は続けていきたかったし、社員も食わせなければ、と思っていましたから」