仕事柄、その質問を考えたり、まとめたりするというのを何十回もしてきたが、ドラマ班からは「これはやれない」「この質問はNG」などといったリターンがあり、結局、当たり障りのない質問や企画に終始した記憶だらけだ。
ちなみに、今回『王様のブランチ』に出てきた木村拓哉、竹内結子、松山ケンイチ、木村文乃へのアンケートは、ドラマのサブタイトルに因んだ「共演者の言動で“愛しい”と思うことは?」だった。恐らく、テレビ誌や、他の番宣スポット含め、もっとも多い質問だったのではないか。
こうした事前アンケートに時間をかけて考えるヒナ壇タレントや芸人ならまだしも、俳優や女優の場合は別に笑いをとらなくても許されるため、今回、木村ら4人の答えはすべて流れていき、唯一、松山ケンイチだけが小さな笑いをとって、彼らはスタジオを後にした。
ドラマスタッフとて、「工夫を凝らした答えを書いてください」「笑いをとってください」などと言うハズもなし。というワケで、あとは、他のキャストから聞いた主演俳優のエピソードだとか、撮影秘話を聞いて、さして盛り上がらぬまま、おしまいとなるのだ。
生ワイド番組スタッフとしては、「あの労力ななんだったのか」と軽く疲れるのも事実。ドラマ班のスタッフや関係者が大勢スタジオに押し掛けたり、「キムタク見たさで」全く関係ない番組のスタッフがこっそり見学に現れたりするため、慣れていない情報制作のADくんたちはもちろん、キャリアのあるフロアディレクターらも、若干慌ててしまうのだ。
「失礼がないように」とドラマ班のトップや上司たちからやんわり注意されるので、前室に用意するお茶やコーヒー、お菓子までグレードアップして出迎えるのに、先方にそうそう腰の低い人たちも居らず…。「ただただ大変だった」「やらなきゃいけないのだろうけれど、できればやりたくない」と感想を漏らす生番組のスタッフや番組MCは多いのである。
繰り返しになるが、それで視聴率の毎分グラフが上がるのであればいいのだが、私の知る限り、それが期待できるのは、木村拓哉、小泉今日子、米倉涼子クラスのキャストが来たときのみ。
出迎える側の“ありがたみ”ということでも、こうした大物や超人気俳優がやってきたときのみということになる。
大物というのは、番宣であっても決して手を抜かないのだ。件の米倉涼子は、『ドクターX〜外科医・大門未知子〜』番宣の際、必ず、おなじみの白衣の前を開け、超ミニスカートとハイヒールの“衣装”でやってくる。