それだけでスタジオの男性スタッフや、おじさまコメンテーターらは大喜びなのだが、彼女はそうした男性陣、一人一人と目を合わせ、笑顔で挨拶をする。
これが、腰が低いとかペコペコしているというのではなく、『ドクターX〜』の一場面を見ているかのように、フランクな挨拶。恐らく、挨拶された側は、後者のほうがグッとくることだろう。
彼女はスタッフにも恵まれていて、生番組出演の撮影に、「『黒革の手帖』から撮ってくれている」というカメラマンが、わざわざやってくる。それをまた、さりげなくオンエアで紹介する米倉。
さらに、米倉同様、「失敗しない女」として同局では有名な内山聖子ゼネラルプロデューサーの番宣時の“さばき”も絶妙だ。
ここまでのヒットメーカーとなると、局内でふんぞり返っているような人も少なくないのだが、内山氏は目配りや気配りがしっかりできており、ワイド番組スタッフに対しても、同行しているテレビ誌やスポーツ紙の記者らにも、「本当にカンジがいい」と大評判なのである。
もう一人浮かぶ裏方というと、同ドラマの1期と2期に名を連ねていた西河喜美子プロデューサーが居る。
宣伝部に在籍していたこともあるからだろうか。西河氏は常に「番宣させていただいている」という態度を崩さない。あの石原プロモーションの俳優やスタッフからの人望も厚く、マメ。「炊き出しのお手伝いにも行く」と聞いたことがある。
生番組のスタジオに、主演俳優より先に入り、大きな声で「よろしくお願いします」と言って頭を下げ、宣伝が終わってスタジオを後にする際にも、いちばん最後まで残っていて、顔見知りのスタッフや出演者、カメラマンら一人一人にまで頭を下げ、また大きな声で「ありがとうございました〜〜〜」と一礼する西河氏。
当然のことながら、「ドラマスタッフが、みんな内山さんや西河さんみたいだったらいいのに」という声をよく聞く。
段取りを任されるプロデューサーやアシスタントプロデューサーのキャリアがないと、主演俳優らに失礼がないようにということしか頭になくて、スタジオを嫌な空気にしたまま去っていくことが無きにしも非ず…。
ドラマ班は、「番宣に必ずしも数字があるわけではない」ということを知っていたほうがいいかもしれない。