このオフには大型補強も行なった。「エラく叩かれとるなァ」というカネやんの質問に、「結果が出る前から叩かれています」と苦笑い。
「補強については戦っていて、足りない部分の希望を出し、その要望に応じて選手を探してもらっています。外国人選手は実戦をやってみないとわからない。かつてボウカーという選手がオープン戦で大当たりしたが、シーズンに入るとまったく打てませんでした。ただ、今回補強したマギーは楽天での実績がありますからね。ホームランバッターではないが、広角に打てる好打者だと思います」(高橋)
気になるレギュラーは、「僕の中では大まかには決まっている」という。
「選手には結果を出せば使う、競争だといってあります。開幕メンバーは紅白戦、オープン戦の結果を睨みながらになるでしょう。不動のレギュラーは坂本しかいませんが、小林(誠司)が成長したかも見ないといけない。若手はもう少しですね。昨年、レギュラーを取ってほしいとチャンスを与えたのに、取り切れませんでしたからね」
最後に、今年のテーマについて。
「チームとしては『新化』ですが、個人的には勝つことだけを考えます。監督をやる以上は、そこはブレないでいようと思っています。皆平等だと思っていないし、幸せになれるとも思っていない。全員からいい監督だと思われようとは考えていませんから……」
球場からの帰り道、カネやんはいつになく満足そうだった。
「高橋監督は1年で監督らしくなったなァ。今年の巨人は強いで!」
●撮影/本誌・太田真三 ●取材・文/鵜飼克郎
※週刊ポスト2017年3月3日号