芸能

千葉真一 『仁義なき』大友役で「芸名を変えてもいいと…」

『仁義なき戦い』出演時の思い出を語る千葉真一

 1973年に公開された映画『仁義なき戦い』(深作欣二監督)は、公開から40年以上を経た今も、ソフト化作品の人気がまったく衰えていない。映画史上に残る名作の中でも抜群の存在感を発揮した大友勝利を演じた千葉真一が、同作を振り返る。

 * * *
 深作欣二監督──僕は敬意を込めて「キンジ・フカサク」と呼んでいますが、深作監督の口グセは「千葉ちゃん、映画はジャズなんだよ。大事なのはリズムだ、観客を飽きさせちゃダメだ」でした。だから『広島死闘篇』の大友勝利も、とにかくセリフを切ることなく、一気にたたみかけてやろうと。

 実は最初、北大路欣也ちゃんが演じた山中正治が僕の役だったんです。脚本の笠原和夫さんは、その前に『日本暗殺秘録』(1969年)で僕が演じた小沼正のヤクザ版として山中を描いた。だから僕も山中のセリフは完全に入っていた。

 それを欣也ちゃんが「大友はできない」と言ったから、クランクイン直前で役が入れ替わった。実は彼とは役柄交代は2回目。そりゃあ、向こうは市川右太衛門さんの御曹司で、こっちは雑草。それでも2回目となると「勝手にしやがれ!」と思ったけど、ふと考えたらあの深作欣二が違うと思ったら絶対に曲げるわけがない。

 ははぁん、これは監督の陰謀か……そうか、それならやってやろう。そう思って改めてシナリオを読んでみたら「何じゃこれ!」なわけです。山中とは180度違う役柄で、欣也ちゃんが役者として降りたのもわかる(笑い)。

 エゲツないセリフばかりだけど、読んでいくと段々と「これ、おもしろいな」と役柄が自分の中に入っていく。深作監督も、山中よりも大友に気持ちが入っていることもわかった。

関連記事

トピックス

役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さんが今も築地本願寺を訪れる理由とは…?(事務所提供)
《笑福亭笑瓶さんの月命日に今も必ず墓参り》俳優・山口良一(70)が2年半、毎月22日に築地本願寺で眠る亡き親友に手を合わせる理由
NEWSポストセブン
高市早苗氏が首相に就任してから1ヶ月が経過した(時事通信フォト)
高市早苗首相への“女性からの厳しい指摘”に「女性の敵は女性なのか」の議論勃発 日本社会に色濃く残る男尊女卑の風潮が“女性同士の攻撃”に拍車をかける現実
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
浅香光代さんと内縁の夫・世志凡太氏
《訃報》コメディアン・世志凡太さん逝去、音楽プロデューサーとして「フィンガー5」を世に送り出し…直近で明かしていた現在の生活「周囲は“浅香光代さんの夫”と認識しています」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン
温泉モデルとして混浴温泉を推しているしずかちゃん(左はイメージ/Getty Images)
「自然の一部になれる」温泉モデル・しずかちゃんが“混浴温泉”を残すべく活動を続ける理由「最初はカップルや夫婦で行くことをオススメします」
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月20日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン