国際情報

トランプ氏、石原慎太郎氏、小池百合子氏の似た点とは

身のまわりにも多い「トランプさん」(イラスト/アフロ)

 就任後すぐにTPP離脱と難民の受け入れ停止を宣言。イスラム教徒が多数を占める国からの渡航者を拒否する大統領令にも署名し、世界中に大きな衝撃を与えたアメリカのトランプ大統領。その矛先は日本にも向けられ、“日本車叩き”などに振り回されている。

 近著に『他人を平気で振り回す迷惑な人たち』(SB新書)がある、精神科医の片田珠美さんは、トランプ氏を「自己愛性人格障害と演技性人格障害を併せ持つ人物だ」と指摘する。

「自己愛性人格障害の人は、尊大で傲慢な態度を貫き、承認欲求が非常に強い。人並み以上に努力してのしあがった人に多く、自分は何でもできるという万能感に浸っています。それゆえ自分に対する批判や非難は徹底的に拒否して、批判的な人には攻撃姿勢をとります。自分自身の言動がどういう影響を与えるのかという想像力も、他人への共感も欠如しているので、一層過激になります」(片田さん・以下「」内同)

 もはや思い当たる節が多すぎて、どの事例をあげようかと悩むほどだが――例えば米国のファッションデザイナー、トム・フォードが、かつてメラニア・トランプ夫人が、「ぼくの服を着たいと頼んできた。でも断ったんだ」とコメントしていたことに対して、トランプ氏はどう言ったか。彼は大統領就任式直前のインタビューでこう猛反撃した。

「メラニアがトムに頼んだことは一度もない。彼のことも嫌いだし、彼のデザインも嫌いだ。好きだったことは一度もない」

 就任直前の記者会見の席では、特定のメディアの記者に「あなたの会社はひどい。質問させない。あなたのところはフェイクニュースだ」などと叫び質問をシャットアウトした。

「過激な発言や芝居がかった態度で注目を浴びたがるのは、演技性人格障害の特徴でもあります。注目を集めるためにその場のノリで過激なことを言うので、発言がコロコロ変わります」

 日本の核武装を事実上容認した過去の自身の発言を、今では「言ってない」と否定するなど、トランプ氏には、こうした朝令暮改が“あるある”だ。

『ゴールデングローブ賞』の授賞式で、女優のメリル・ストリープ(67才)から非難されるや、トランプ氏はツイッター上で、「最も過大評価されている女優の1人」などと言い放ち大きなニュースになった。しかしトランプ氏は、2015年8月のインタビューで「お気に入りの女優はいますか」と質問された時、ジュリア・ロバーツとともにストリープの名を挙げ、「メリル・ストリープは素晴らしい女優だ。人としても立派だよ」と述べていた…。

 なぜこんな人物が米国の大統領になってしまったのか――そんな疑問を抱いている人も多いだろう。

関連記事

トピックス

今季から選手活動を休止することを発表したカーリング女子の本橋麻里(Xより)
《日本が変わってきてますね》ロコ・ソラーレ本橋麻里氏がSNSで参院選投票を促す理由 講演する機会が増えて…支持政党を「推し」と呼ぶ若者にも見解
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
失言後に記者会見を開いた自民党の鶴保庸介氏(時事通信フォト)
「運のいいことに…」「卒業証書チラ見せ」…失言や騒動で謝罪した政治家たちの実例に学ぶ“やっちゃいけない謝り方”
NEWSポストセブン
球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン