国際情報

不法テント村など… 韓国の秩序は民主化で完全に崩壊した

「性売買特別法」の制定に抗議する風俗産業の女性 AP/AFLO

 いまでは韓国の日常的光景となった「反日」や「法より民意という社会」は昔からあったわけではない。約40年間、韓国をウオッチし続けてきた産経新聞ソウル駐在客員論説委員の黒田勝弘氏が、韓国がおかしくなった理由を探る。

 * * *
 日本では近年、「韓国はおかしい」という声をよく聞く。「もう、付き合いきれない」といって国交断絶論など極論を語る向きもある。

 たしかに日本いやがらせの慰安婦像を内外で建てまくっていることや、泥棒が日本から盗んでいった仏像を日本に返さなくてもいいという判決が出るなど、日本人の目からすると“異様”としかいいようがない。

 昨秋以来、韓国を揺るがせている朴槿恵大統領弾劾問題も、なぜ法的に粛々とやらず、100万人(公称)もの群衆が街頭に出て騒がなければならないのか、日本人は首を傾げる。日本がらみの反日現象だって、昔より今の方が目立つのだ。

 慰安婦問題や領土問題はその典型だが、そのほか、たとえば朝の陽光をかたどった「旭日」デザインへのいいがかりなどは最近の反日症候群(妄想)だし、日本の韓国(朝鮮半島)支配をナチスの蛮行になぞらえての「日本はドイツに学べ」論も昔はなかったことだ。

 日本統治時代の経験者が多数、生存していたころは、日本イコール・ナチスなどという実感のない発想は出ようがなかった。

 この変化はいつからかというと、やはり民主化以降といわざるをえない。時代的には1990年代以降だが、韓国は民主化によって政治も社会も民心もすっかり変わってしまったのだ。あくまで日本人の目から見てだが、それ以来、韓国は「国のかたち」をはじめ、さまざまな面でおかしくなった。

 韓国の民主化とは日本の戦後に似ている。それまでの過去を悪として否定し、善悪の価値観をひっくり返したのだ。したがってある種の革命である。

 たとえば慰安婦問題。もともと慰安婦は韓国国内にも存在していたが、問題は下半身にかかわることで、それまで表向き話題にできるテーマではなかった。「口にするのも恥ずかしい」ことだったからだ。

 それが表面化した背景には、いわゆる民主化で「表現の自由」としてある種の性的解放が始まったことと、男女平等・女性の自己主張拡大がある。民主化で性的タブーが崩れたことが、慰安婦問題浮上の大きなきっかけとなったのだ。

関連キーワード

トピックス

元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
伊勢ヶ濱部屋に転籍した元白鵬の宮城野親方
元・白鵬の宮城野部屋を伊勢ヶ濱部屋が“吸収”で何が起きる? 二子山部屋の元おかみ・藤田紀子さんが語る「ちゃんこ」「力士が寝る場所」の意外な変化
NEWSポストセブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
女性セブン
今年の1月に50歳を迎えた高橋由美子
《高橋由美子が“抱えられて大泥酔”した歌舞伎町の夜》元正統派アイドルがしなだれ「はしご酒場放浪11時間」介抱する男
NEWSポストセブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
STAP細胞騒動から10年
【全文公開】STAP細胞騒動の小保方晴子さん、昨年ひそかに結婚していた お相手は同い年の「最大の理解者」
女性セブン
年商25億円の宮崎麗果さん。1台のパソコンからスタート。  きっかけはシングルマザーになって「この子達を食べさせなくちゃ」
年商25億円の宮崎麗果さん。1台のパソコンからスタート。 きっかけはシングルマザーになって「この子達を食べさせなくちゃ」
NEWSポストセブン
逮捕された十枝内容疑者
《青森県七戸町で死体遺棄》愛車は「赤いチェイサー」逮捕の運送会社代表、親戚で愛人関係にある女性らと元従業員を……近隣住民が感じた「殺意」
NEWSポストセブン