〈喉がヒリヒリと痛むのでかかりつけ医に診てもらったら、風邪と診断され、抗生物質を処方された。風邪にしてはどうにも治りが悪いので、別の病院で診てもらったところ、喉の奥が「カンジダ菌」に感染していた〉
カンジダ菌とはカビの一種であり、もともと人の体に常在しているが、増殖すると様々な病気を引き起こす。疲労や栄養不足などによって免疫が低下すると、カンジダ菌の増殖を抑えられず、舌や喉がヒリヒリ痛んだり、鼻や喉の粘膜に白いチーズのかすのような菌塊が見られるようになる。
「喉の奥深くの部位が感染していたので、最初に診た医師は見落としてしまったのでしょう。喉の痛みで病院に行くと、どこも判で押したように抗生物質を処方します。しかし、処方された抗生物質はカンジダ菌にはまったく効き目がないもので、一方では口内で良い働きをする菌まで殺してしまうため、カビは余計に繁殖しやすくなる。
カンジダ菌が喉の奥で留まらずに食道にまで達してしまうと、長期入院が必要な大掛かりな治療になってしまいます」(井上氏)
正しい治療としては、カビの細胞膜を破壊し、再合成を阻害する「抗真菌薬」の処方などが挙げられる。